銀時夢小説*ひとくち | I LOVE 銀魂~夢小説~

銀時夢小説*ひとくち


銀八先生と女子生徒の短編です!



ほのぼの甘ーく仕上がっております。



そして銀八先生目線でございます。



どうぞ~!




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ひとくち








「先生、そろそろ告白したらどうですか?」



「…あー。そうだね」




放課後の国語教官室。



これみよがしにシュークリームにかぶりつく目の前の女子生徒は、



なんの気なしにそんなことを言った。



ほっぺにクリームついてんぞ。



「なんですかその棒読みっ。ほんと銀八先生ってヘタレですよね」



「うわ、なにそれ。侮辱」



「本当のことですよ!うだうだしてたら卒業しちゃいますよ?」



むっと頬を膨らませて、またシュークリームを頬張る。



うわーうまそう。俺にも分けろよそれ。



(つかほんと、なんなのコイツ。鈍感すぎて腹立つわ)



心の中でそんな悪態をついて、



伝われといわんばかりに相手を睨んだ。



そんな俺の熱い眼差しに気がつくこともなく、



二個目のシュークリームに手をつける鈍感女。



5個も買ってきてるし。分けろよ一つくらい。



「そーゆーお前はどーなの。告白しねぇのかよ」



「…私はいいんですよ!片思いで十分なんで!」



一瞬シュークリームにかぶりつく動きが止まったかと思えば、



またいつものようににこりと笑みを浮かべる。



へー、あっそ。



俺は片思いだけで終るとか、絶対嫌だけどね。



いくら相手に好きなヤツがいようが、横から奪い取る気満々だから。



「…お前、そんなに俺に告白させてぇの?」



「…まぁ。さっさと幸せになって欲しいだけです」



なにそれ、本心なの?



俺が誰を好きかも知らねぇくせに、なんでそんなこと言えんの?



…あー、なにコイツ。むかつく。



「あっそ。…つかお前ずるい。ちょっとよこせ、ソレ」



ついに三個目に突入しようとしていた相手にそういえば、



「一口だけですよー?」なんてケチなことを言いながら



シュークリームをこちらに渡してきた。



「はいはい、一口ね」



――そんなことを気だるくいいながら、渡してきた相手の腕を掴んで



きょとんと驚いた顔なんか無視して、そのままぐいとこちらへ引っ張った。




「先生、なにっ――」



そして、ちゅっと一口。ちゃんと、一口。



軽く口付けすれば、生クリームの味がした。



「…あー、もう一口もらってい?」



「――っ、い、意味わかんないですっ!!!」



にやりと笑ってやれば、真っ赤な顔で怒られた。



ちゃんと一口しかもらってねーのに、やっぱケチだな。



「な、なにしてんですか!あ、練習ですかもしかして!?好きな子との!!」



耳まで真っ赤にしてあたふたとそんなことを言うもんだから、



なんだか可愛くって、もう一度腕を軽く引いた。



そしてもう一度口付けできる距離に近づいて、



「本番なんだけど、これが」



今度は少しだけ長めに、二口目。



ゆっくりと唇を離せば、頬を染めて目を泳がせた表情がたまんなくて。



「なにそれ、わざと?」



「な、なにがですかっ!」



また、真っ赤な顔で怒られた。



「っていうか先生、なにしてるんですかいきなり!」



「いやだってお前が告白しろっていうから」



「へ?」



「好きです付き合ってください。…どーだ言ったぞコノヤロー」



「………」



思考回路停止ってやつ?



ぴたっと俺を見たまま固まるもんだから、おーいと手を振ってみる。



…あらら、ほんとに固まっちゃったよ。



「…い、言ったじゃないですか、わたし、片思いで十分だって」



「…え?」



「だ、だから、これじゃ両思いになっちゃうから、その」



「……あー…」



あれ、なんか遠まわしに告白された気が。



ってことはなに、俺ら両思いなわけ?



…もっと早く言っときゃよかったかな。



「へー、じゃーなに?両思い早々だけど、別れる?」



「……それは、嫌です」



なんなの、どっちなのこの子。



困ったようにそううつむく姿が可愛くて、頭を撫でてやった。



「ヘタレとか人に言っといて、おめェも十分ヘタレだろ」



「なっ…そんなことないです!」



はっと鼻で笑えば、すぐに顔を上げて睨まれた。



「先生こそ、ヘタレですよ」



「んなわけねーだろ。堂々と告白したろーが」



こんな大胆なことした俺をまだヘタレと言うか?



むっとして相手を見下ろせば、丸い目でじっと見つめられて。



……えーっと。



「ヘタレですよ。…顔、真っ赤じゃないですか」



「………うるせぇよ」



そこは言うなよな。





生意気言うのにむかついて、



真っ赤な顔を、もう一度重ねてやった。








fin,




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お腹がすいてる時に小説書くと、


絶対なにかしら食べてるシーンを入れちゃうんですよね(笑)


あーシュークリーム食べたい…。え



読んでくださりありがとうございましたっ!



ポチッとしていただけると幸いです(/ω\)!



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