銀魂夢小説 リレー・ラジオ企画 10話 | I LOVE 銀魂~夢小説~

銀魂夢小説 リレー・ラジオ企画 10話

リレー小説企画!!


銀魂高校に通う、「あかり・みなこ・春・ひい」の4人。


それぞれに絡む銀魂キャラクター達。


笑いあり涙ありの、青春ラブコメですヾ(@^▽^@)ノ


田中さん→定春→わたし


の順で進んでおります!



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―――――――――――――――――――――






「ご、ごちそうさまです…」



―――ストロベリーカスタードを手に、私はそう言った。



まさか、こんな日がくるなんて。



「へいへい」



口角を上げた沖田くんは、ぽんぽんと私の頭を撫でた。



まさかこんな日が――沖田くんと放課後デートをする日が、来るなんて。





10話





まさかこうなるなんて予想もしていなかった。



クレープは奢ってもらってしまったし、



しかも「甘すぎて」と言って沖田くんはクレープでなくコーラを飲んでて。



こんなの、私のクレープに付き合ってもらってるようなものじゃないか!



「本当にありがとう。とっても美味しいです…」



ぱくりとクレープを一口食べれば、甘いカスタードの味が広がる。



申し訳ないけど…美味しい。



「一口」



「へ?」



「一口くだせェ」



「ああ、ひとく……ええ!?」



ばっと沖田君を見たときにはもう既に遅かった。



ぱくりと私の手元にかぶりついた沖田くんは、



満足そうに口をもぐもぐさせていて。



「あ!」



「んま」



にっと笑う顔にいちいちときめく自分が、――馬鹿だ。






そもそも。



クレープの券を私に分けてくれるなんて、そこからおかしいんだ。



ちらり、と隣の彼を盗み見ながらそんなことを考える。



なんとなくだけど、ほんとは春ちゃんと行くつもりだったんじゃないかな~とか。



でも春ちゃんは高杉くんに連れてかれちゃったし。



高杉くんだってきっと春ちゃんのことが…って!



(わあぁ!…私今、すごいことに気づいちゃったかも…!)



ぎゅ、とクレープを握り締めてしまいクリームが少し溢れた。



いや、そんなことは気にしていられない。



…高杉くん、そうだ、高杉くん。



なにかと春ちゃんにつっかかって、気づけば春ちゃんのこと見てて。



きっと高杉くんも沖田くんも春ちゃんのことが…好き。



「春ちゃんってば、モテモテだぁ…」



「ん?なんか言ったかィ?」



「あ!いや、なんでも!!」



思わず呟いてしまった。



思わぬ新事実に気づいてしまった私は、それからクレープにも沖田くんにも集中できず。



ほとんどが上の空で放課後を過ごしてしまった。







――――――――



―――――




辺りは暗くなり始めた。



肌寒くて、思わず身震いする。



そろそろ帰ろうと私たちは、真っ暗な道を並んで歩いていた。



…せっかくの沖田くんとの放課後だったのに、ほとんど上の空なんて。



なにやってんだろ私。



そりゃだって、あれだけすきだった人が隣にいたら顔なんて見れないし。



その彼が他の子を好きなんだって再確認しちゃったら…落ち込むし。



肩を落としてうつむいていれば、沖田くんはふいに声を上げた。



「なんでィ?春じゃねぇか」



――思わずびくりと肩を上げた。



へっ?と顔を上げれば前方に、私たちと同じように並ぶ




高杉くん、春ちゃんの姿。




「春ちゃん!」



そう声をあげれば、春ちゃんは驚いたように目を見開く。



…た、大変だ。



これは俗に言う、さ、三角関係ってやつ、かな?



ってことは私ってどういう立場?邪魔?邪魔なの!?



あわあわと高杉くんと沖田くんを交互に見る。



明らかに沖田くんを睨んでいる高杉くん。



ひょうひょうと「偶然だねィ~」なんて言ってる沖田くん。



そんな2人を見て焦っている間に、



春ちゃんは「帰るぞ!」と言った高杉くんにまた手を引かれてしまっていた。



慌てて春ちゃんに手を振れば、



なんとなくだけど――手を引かれる春ちゃんの表情が少しだけ、嬉しそうで。



(どうして嬉しそうなんだ…?)



また首をかしげていれば、沖田くんは「なんでィ」と口を尖らせた。



「春の奴…無視しやがって!?」



むっとした表情の彼をまぁまぁとたしなめながらフォローして、



もう一度去っていった二人の後姿を見る。



高杉くん、ああやってたまに大胆なのに奥手なんだから。



それに春ちゃんも、きっと沖田くんのことが好きなはずなのに



高杉くんと居る時のほうが素顔で、楽しそうに感じるのは私だけなのかな?



「なーに考え事してんでィ」



「いたっ」



突然おでこを叩かれて、はっと我に返った。



い、いけない。いらない詮索だった。



ひりひりするおでこを擦っていれば、何故か沖田くんはじっと私を見てくる。



何事かと彼を見上げれば、眉間に皺を寄せて、彼は口を開いた。



「…今日ずっと、誰のこと考えてたんでィ」



「…誰のこと、って」





――突然真剣な顔に変わった彼は、少し悲しそうに私を見る。



一体どうしてそんなことを言うのか分からなくて、眉を寄せる。



「お前、今日ずっと上の空だったろィ」



そう言った沖田くんに、あ、と思わず声がでそうになった。



ばれて、た。



たしかに上の空だった。



誰のことを考えてた?…そんなの、沖田くんのことに決まってるのに。



沖田くんが春ちゃんのことを好きだって、



じゃあ私はどうすればいいのかなって、



こんな所に一緒にいていいのかなって、



ぐるぐる考えてたらそりゃ、上の空にもなるよ。



――じっと私を見る沖田くんに、なんて返せばいいのか分からない。



“あなたのこと考えてました”



なんて、口が裂けても言えない。



「…そ、そうかな?上の空だったかな?あはは…」



思わずごまかして、適当な嘘をついてしまった。



あーあ、私、だめな子だ。



「…そうかィ」



ぽつりと呟いた声は、沖田くんにしては暗い声だった。



はっとして彼の顔を見たときには――あっというまにいつもの表情に戻っていて。



「送っていきまさァ。家どっちでィ?」



「え!?い、いいよ大丈夫!すぐそこだし!」



「いや、拒否権ねぇんで。ほら行くぜィ!」



「あ、ちょっと…!」



強引に掴まれた右手。



ぎゅっと掴んだまま歩き出した沖田くんに、一気に顔が熱くなる。



手、手…!手を、握られて、



「―――~~っ///!!」



下を向いてもおさまらない、顔の火照り。



――よかった、暗くて。顔の赤みが、見えなくて。



どうか気持ちがバレないまま、この時間が続けばいいのにと



彼の背中を見つめながらそう思った。






――――――



「あーあ」



静かな廊下に響いたのは、溜息交じりの私の声。



誰もいない放課後の廊下。



さっきまで銀八とみなこと騒いでいた私は、急に我に返って2人から離れた。



そんな私に気づく事もなく2人はどこかへ行ってしまって。



…今頃、クレープでも食べてんのかな、2人で。



「…って、え?なんでそこで溜息?意味わかんないし!!」



乙女っぽい雰囲気になっていた自分に気づいてカッと顔が熱くなる。



いやいやいやいや!いいじゃん!行けばいいじゃん2人でクレープ!



2人で!クレープ!



…………なんでこう、ずどーんって気持ちになるんだろ。



人を小馬鹿にしたような、あの銀八の笑みが頭から離れない。



なんか最近おかしいわ。自分きもい。



やめたやめた!帰ろ!帰り際に山崎でもいじめて帰ろ!



「……あかり」



「うわっ!!びっくりした!!」



怨霊みたいに背後から現れたのは、つい今いじめようとしていた山崎だった。



びっくりした!そんな背後霊みたいに現れないでよ!!



「…って、どうしたのよそんな暗い顔で」



もはや背後霊の背後にも霊がのっていそうな勢いで暗い。



なんだ、一体どうした。



「あかりとクレープ食べようと思ってたんだけど、券…沖田さんにとられた」



「…それは、ご愁傷様です」



そんなんあんたが持ってたらそりゃ盗られるわ。



沖田がそのクレープ券を持って誰を誘ったんだろ、なんて安易に想像がつく。



(ひぃちゃん、ファイト…!)



…ってか、春は高杉と塾でしょ?



ひぃちゃんは多分沖田とクレープでしょ?



みなこは銀八とクレープ……



あたし、何1人でこんなとこいるんだ。…あ、ザキいるけど。



うわーなにこれ。なんでこんな私落ち込んで…―――



「おーいたいた」



「…へ?」





―――ふいに聞えた声。



振り返れば、何故かさっきいなくなったはずの銀八がいて。



「こんなとこに居やがった。1人で」



「いや先生、俺いるんですけど」



ちょっと息切れしながら、ぽんっと私の頭に手を置いた。



「…行くぞ。クレープ」



「はい……え?えええ!?」



今、なんて?



行くぞ、クレープ?



ちょ、意味分かんないんだけど…!



「せ、先生!っていうかみなこは?!」



「クレープの券渡してうまく巻いてきた」



「はぁ!?」



がっしり掴まれた右手。



って、さりげなくなんか…手繋いでるし!なにこれ!!



なんか、私顔赤くなってるし…!なにこれ!!!



なにこれ!!!



廊下を引きずられるように手を引かれる私と、



「ちょっとぉぉお!!」



廊下に響くザキの声。



券みなこに渡したのに、クレープ行くってどういうこと!?



っていうか、なんで私を連れて行くわけ!?



(ほんと、銀八って訳わかんない…!!)



ぎっと背中を睨みつけてるくせにうるさい心臓は、なんなんだよ…!







―――――――――――――――――――――



さりげなーくみんな、


手を繋いじゃってるのはお気づきですかな?笑


さりげなく手を繋ぐって…いいですね//笑



次の更新は田中さん  になります!


次話が更新されたときは私のブログでもお知らせしますので、


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