移動祝祭日その3:京都の夜 | Hack or Fuck ?

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宇治から京都市内に入ったのは夕方の6時頃だった。まだ陽は高く京都ならではの暑さが街中を覆っていた。

とは言うもののすでに寺院仏閣は閉館している。

とりあえず京都御所を目指し車を走らせた。車中からここがあの蛤御門だなどと娘に説明しながら通り過ぎる。

御所の周りを一周した後、平安神宮へ。
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朱塗りの門はすでに閉ざされていたにも関わらずここでも多くのアジア系の観光客が何やら喋りながらあちこちで記念写真を撮っていた。

おれはふと70年代に世界的に不評だった農協の観光客のことを思い出した。

ここのところたまに見かけるアジア軽視の言説は彼らにかつてのわれわれ自身の姿を見てしまうからなのかもしれない。

予定変更
予定では夕刻には再び高速道路に乗り、山口を目指すつもりだったがせっかくここまで来たのだから娘にもう一日京都見物させてやろうということになった。

しかしいくつかの問題もなくはなかった。

当然宿泊先など確保していない。そもそもそんな予算は初めから考えていない。

よし、車で寝よう。

おれは何の迷いもなく車中泊を推奨して問題のひとつを強引に解消するのだった。

次の問題は風呂だが、そんなものは銭湯でいい。

iPhoneで検索して、壬生やまとの湯というスーパー銭湯を探した。

昔バイクでフラフラと旅をしていた頃は電話ボックスに置かれた電話帳で地元の銭湯を探して行ったものだ。それから考えると便利な世の中になったなと感慨深いが、カミさんと娘にはその便利さなど関係なさそうだった。むしろなんて不便な生活なんだと思っていたのかもしれないが、それはスルーすることにした。

こんな時、ヒルズ族なら札束を積んで老舗の旅館に泊まるのだろうが、なぜかおれはヒルズ族ではなかった。

なぜおれはヒルズ族ではないのか。今度生まれ変わったらヒルズ族になろうと思いつつも風呂屋の場所を確認したおれはさっさと安心して京都の繁華街をぶらついて食事をしようと提案するのだった。


さすが京都
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▲さすが京都だ。繁華街のパチンコ屋も風神・雷神に守護されている。

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▲さすが京都だ。アーケードの切れ目にこうした神社・仏閣をたまに見かける。

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▲さすが京都だ。京都市役所前の広場ではキャロルのナンバーで踊るローラー族がいる。東京ではすでに絶滅したようだが、こうしたところにも伝統を重んじる京都の精神性がうかがえる。あるいは、反骨の婆娑羅スピリットが今も脈々と息づいているということなのかもしれない。

こうしておれたちは蒸し暑い河原町近辺をブラブラと歩き、適当に見つけた京都ローカルの洋食屋で食事を済ませ、スーパー銭湯で汗を流すのだった。

そして寝場所だが、当初おれはそのへんの公園の傍で車を停めて寝ればいいと思っていたが、女性陣のトイレのことなどを考えるとやはり高速道路のサービスエリアの方が無難だということにやっと思い当たり一番近いと思われる桂川PAを目指したがなぜか滋賀県の草津PAに行く羽目になった。敗因はGoogleマップを起動しなかったことだ。

そんなこんなで何とか草津PAに車を停めたおれたちはバスタオル等で車窓に目隠しをしてスヤスヤと眠るのだった。