諸君、ご壮健かな。
桜の季節。
今年は開花が遅れたが、冬の間蓄えた力を精一杯搾り出すように綺麗な花を咲かす。これを見ると、どうしてもあの時代を思い出してしまう。
太平洋戦争。
今更この戦争の是非を論じることはないが、事実として残ったこと。
若き命が失われたこと。
夢があったろう。守るべきものがあったろう。死にたくなどなかったろう。
その彼らが言ったこと。
「靖国の桜の下で会おう」
戦士たちの魂はどのようにこの桜を見たであろうか。
辛い時期を超え咲き誇る若き花。それがはらはらと散る様を、自らの人生に重ねているのであろうか。
もし桜であるのなら。
花が散ったあとに力強い新緑が生える。
それは彼らの希望の復生であり、それはもしかしたら現代を生きる私たちなのかもしれない。
命の煌めきに胸躍りながら、襟を正す季節。それが私にとっての春なのだ。