まず芝居を作っていく過程で、読み稽古から入っていくのですが、
その読み稽古でストーリーの全体像と役の心の動き、空間のイメージをとらえます。

それらが完成した段階で、次に行う作業として、立ち稽古の前に

荒立ち(粗立ち)稽古

というのがあります。


その名前の通り、細かく演出を付けていく前に、
役者同士が考えているイメージを、それぞれに出し合い、
荒削りな動きをつけていくという作業です。


よく勘違いされているのが…

荒立ち稽古:台本を持ってやる立ち稽古
立ち稽古:台本を持たないでやる稽古

と間違われがちですが、台本を持つ持たないは、
芝居を作っていく流れの中には、なんら関係ありません。


絵画や彫刻を造るときがそうですが、
まずは全体像を作り、そして全体像が出来上がったら、
完成へと部分部分の細かな製作がおこなわれます。

まさに荒削り
まさに荒立ち稽古

なんです。


どの流れも重要なのですが、ここを適当にして立ち稽古にまわすと、
立ち稽古に入ってから、逆に面倒になります。


ここまでの読み稽古と荒立ち稽古を省いて、
数回の読み合わせと荒立ちで終わらせてしまい
すぐに立ち稽古に入ってしまう団体さんを多く見かけます。

立ち稽古に入ってしまってからでは、動きに意識がいってしまって
ストーリーの全体像や役の感情の流れをとらえきれずに
作品づくりをしなければならなくなってしまいます。


また役者同士と役者と演出の共通言語も育たず

役者がどうしたいのか?
演出がなにを求めているのか?

というのがわからないまま、作品の曖昧な完成を迎えます。



曖昧な作品は、ダンスや舞台装置の、見た目だけの作品になってしまいます。


なので、この荒立ち稽古をしっかりやらなくてはならないんです。


自分の考えていたイメージを、身体全体を使って動かして、
これでもかっ!!
ってくらいに出していきます。
数多くの無駄な動きと共に。

その無駄な動きを、次の立ち稽古で
細かく調整していくんですから☆




ってなかんじで、今日はこのへんで!