土曜日、息子と行った区東部の図書館で、太田資正関連の資料・書籍をいくつか入手しました。

一つは目、「太田資武状」。
資正の三男・資武が、在りし日の父の活躍を書き残した書状です。岩槻市史の資料編に納められていたのを複写させてもらいました。

二つ目は、埼玉県立文書館が昭和62年に開催した「岩付城主 太田氏文書展」の冊子です。
資正が発行した文書を、写真で見ることができるありがたい冊子です。

三つ目が、このエントリのタイトル、「戦国武将 太田資正」です。
道野昭壽という方が平成10年に自費出版された驚くべき労作です。その内容の濃さ、同時代資料を一つ一つ追う緻密さに頭を下げたくなりました。

これまで、太田資正の生涯を追った書籍としては、黒田基樹編「岩付太田氏」が一番詳しいと認識してきましたが、道野氏の労作は、これを上回るものです。

例えば、太田資正が息子に岩付城を追われて諸国を放浪した時期について。宇都宮に逃れた、忍(成田氏)に匿ってもらったという断片的な情報はありましたが、道野氏は、長楽寺永禄日記等の資料を丹念に読み解き、資正が忍に匿われていた時期に氏康による攻撃を受けたことやこれを撃退したことなども掘り起こしています。

資正の生涯を描いた書籍が無いから、自分で調べて書いてみよう、と始めたのが当ブログの「太田資正のこと」ですが、道野氏のこの労作にもっと早く出会っていたら、そんな気は起きなかったかもしれません。

惜しいのは、自費出版の書籍故か、Amazonなどには登録がないこと。
さいたま市内の図書館でも置いていない(私がよく行く図書館にはありませんでした)こと。

残念です。

太田資正の生涯に興味を持ち、詳しい書籍を探している方がもしもこれを読まれていたら、道野昭壽氏の「戦国武将 太田資正」を探されることを強くお奨めします。

これ以上の本は、他にありません。