【2020年6月交換会】郵送参加のATC その4 | おりがみライター日記

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最近はOrigamiATCの情報が中心。

 

OrigamiATCとは

 

ATCとは「アーティスト・トレーディング・カード」の略。2.5×3.5インチ(64×89mm)の大きさで、好きなように表現して、交換したりコレクションしたりして楽しむカードの事です。

折り紙を使ったATCを、私たちはOrigamiATC(オリガミ・エーティーシー)と呼んでいます。

 

 

8月交換会のお知らせ

 

毎偶数月の交換会は、現在も郵送参加のみで開催しています。

・2022年8月の交換会のテーマは「夏色」

・郵送参加の締め切りは8月18日(木)必着

どなたでもご参加いただけます。詳細は下記をご覧ください。

==>> OrigamiATC交換会参加要項(2022年7月26日更新)

※今回も郵送参加のみ受け付けます。

 

 

 

2020年6月交換会のカードご紹介

 

テーマ:好きな折り紙

*第4回目*

 

第1回目はこちら

https://ameblo.jp/hanako-origami/entry-12755549880.html

第2回目はこちら

https://ameblo.jp/hanako-origami/entry-12755691886.html

 

第3回目はこちら

https://ameblo.jp/hanako-origami/entry-12756276318.html

 

2020年6月11日締切の交換会には、郵送参加30人、リアル参加1人で合計31人の方にご参加いただきました。

 

本日は、横構図のカードご紹介(後編)です。

以下敬称略。

 

左)

タイトル=色とりどり 作者=よっしぃ 折り紙作品=ヒオウギ貝:布施知子・作

 

中央下)

タイトル=ストリートピアノ 作者=3.4.4.3 折り紙作品=鍵盤つきオルガン:自作

 

右)

タイトル=青い鳥 作者=mimosa☆ 折り紙作品=鳥:カミキィ・作、蝶:たかはしなな・作

 

「ヒオウギ貝」は、「扇状に開くとぷっくり膨らむのが可愛らしくて、カラフルに作りたくなる」作品だそうです。ぼかしの入った3色の紙で折って、レース・リボン、パールといったフェミニンな要素満載で、その「可愛らしさ」を表現しています。

 

「Play Me. I’m Yours」とは、「英国アーティストのルーク・ジェラムさんのストリートピアノプロジェクトで使われているフレーズ」だそうです。世界70都市以上に2,000台を超えるピアノが設置されたらしく、日本語の関連サイトでは、「さあ、私を弾いて」と訳されています。上の写真だけ見ると折り紙が何だかわかりませんが、開くと下写真のようにアップライトピアノになります。この折り紙作品は、一見よく知られた伝承のオルガンに見えますが、ちゃんと鍵盤がインサイドアウトで折り出されています。描いているんじゃないんですよ!

 

mimosa☆さんは、「かわいい折り紙に出会って、OrigamiATCに出会えた嬉しさを表現してみよう」と思ったそうです。新型コロナの蔓延によって外出が不自由になって改めて、幸せは手の届くところにあったのだと考えさせられ」青い鳥を選んだとのこと。後のレースが華やかで、見る人の心にパッと花を咲かせてくれるかのようです。

 

 


左)

タイトル=Lucky Owl 作者=ひのおりこ 折り紙作品=ふくろう・Lovely message:自作

 

右)

タイトル=牛 作者=寺村たま子 折り紙作品=牛:丹羽兌子・作

 

ひのおりこさんのカードは、下写真のようにふくろうが自立して、さらに胸のハートを開くとメッセージが書けるようになっているサービス満点の作品です。ふくろうは、個人的には夜の生き物だし魔女と一緒にいるイメージがあったのですが、日本で「不苦労」「福来朗」などと当て字で縁起物として扱われることを割と最近知りました。調べると世界の国々で縁起の良い生き物とされているようですね。

 

寺村さんは「好きな折り紙」に、力強い後ろ足が特徴的な1枚折りの牛を挙げました。「折り紙の中で動物を折るのが好きになったのは、この牛がきっかけ」とのことです。あえて2番目の歌詞を持ってきて、2頭の牛は母子でなく父子の設定になっています。

 

 

 


左)

タイトル=シマエナガ 作者=Nyaon 折り紙作品=シマエナガ:勝田恭平・作、桃:田中具子・作、枝:自作

 

右)

タイトル=大好きな 伝承折り紙 作者=CHIE 折り紙作品=かぶと・いえ・こい・せみ・チューリップ・やっこさん:伝承作品

 

Nyaonさんのカードは、6月交換会の紹介記事第1回目のペガサスとユニコーンに続き2種類目です。どちらのカードも使用した紙のサイズは7.5cm、細かいところはピンセットを使用されたそうです。縦構図の2回目にご紹介した山ちゃんさんのシマエナガも十分小さかったのですが、Nyaonさんのはさらに小さく、1枚に三羽もいます。よく複数羽で身を寄せている写真を見かけますが、そのイメージでしょうか。ペガサスとユニコーンのカードといい、今回参加したカードの中で、折り紙にかけた時間はぶっちぎりの長さだったことと思います。

 

CHIEさんは、今回のテーマを知ってすぐにこの図案を思いつき、正方形から様々な形が生まれる面白さを「子供の気持ちに戻って表現」されたそうです。意識して使ったという「パキッとした原色」を黒の背景がまとめており、折り紙の色の同系色によるストライプの台紙に対して、黒の画面を斜めに貼り込むことで、ワクワク感を思わせる動きを出しています。


タイトル=こぶたのまるやき 作者=美粧(misa) 折り紙作品=こぶたのまるやき:山田勝久・作、飾りつけの野菜:たかはしなな・作(ガーベラの花びら使用)

 

美粧さんのカードは、黒の台紙にゴージャスな模様のシールが貼られていて、開くと外側と同じ色の花模様を背景にして、銀色の台の上に「こぶたのまるやき」が立体的に登場するという凝ったものです。「好きな折り紙」でこぶたのまるやきという発想が意外だったのですが、「コロナが1日も早く終息することを祈り、大勢で食卓を囲むイメージの中華料理の雰囲気」を表現したそうです。

 

タイトル=ひとめぼれ 作者=川井千世 折り紙作品=長山海澄・作

 

長山海澄氏が中学生の頃に創作したという作品だそうで、川井さんは、ご本人が折ったものを見て一目惚れしたとのこと。螺旋折りは、折りの正確さと美しさが大前提となるのですが、こんな小さなサイズでそれをこなしていることが一眼でお分かりいただけることと思います。川井さんは、紙使いにとてもこだわっていて、折り紙作品には少しキラキラするリバーシブルの紙を主に使っており、背景の渋い柄の包装紙がそれを引き立てています。

 

以上が、郵送参加のカードの紹介でした。

 

最後は、タイトルカードと唯一のリアル参加である私のカードです。


タイトル=タイトルカード 作者=hanako 折り紙作品=パンダ:笠原邦彦・作

 

テーマと開催日を表記して全員にお配りしたタイトルカードは、個人的なお気に入りを使いました。初めて折り紙で折ったパンダは、笠原邦彦氏の作品でした。持っていた本に掲載されていた折り方とは少し仕上げが異なる、写真だけ掲載されていたアレンジバージョンを復元されています。カードに貼って平面になっていますが、本来は立体的な仕上げもできて体も立たせることができる作品です。

※タイトルカードは現在の交換会では配布していません。


タイトル=幻の本 作者=hanako 折り紙作品=シェットランド・シープドッグ:佐野康博・作

 

交換用のカードには、佐野康博氏の犬作品を使いました。その昔、おりがみはうすでは「折紙図鑑」シリーズとして佐野氏の犬本の出版も企画されていました。この作品群は「ぐらい折り」が多いため、佐野氏ご本人の試作から起こした展開図と、その展開図にイラストを入れたデータのCDつきにして再現性を高めるという案もあって、これは20年以上前に私が試作として色鉛筆でざっくり描いたものです。企画はお蔵入りになりましたが、子どもの頃から佐野氏の犬シリーズの大ファンだったので、試作だけでも関われて光栄でした。

 

以上で、「好きな折り紙」のカードのご紹介は終わりです。

 

次回からは、2020年8月に開催された交換会、「テーマ:Kawaii」のカードをご紹介します。

 

 

『OrigamiATC通信』購読のご案内

 

『OrigamiATC通信』は、超零細ボランティア団体であるOrigamiATC研究会が発行している、フルカラーA4サイズ、10ページの会報です。半年間に集まったカードのご紹介を中心に、OrigamiATCの情報を発信しています。現在、第4期(7号、8号)の購読(新規・継続)を受け付けています。購読費は600円です。

現在、2020年発行予定だった第7号を鋭意編集中です。完成までもう少しお待ちください。

購読の詳細は、info@origami-atc.jpまでお問い合わせください。

 

▼第7号の1ページ目(仮)