2020年8月締切の「Kawaii」をご紹介予定でしたが、先に現在の2022年8月開催「夏色」のカードをご紹介させていただきます。時系列が前後してしまいますが、ご容赦ください。
OrigamiATCとは
ATCとは「アーティスト・トレーディング・カード」の略。2.5×3.5インチ(64×89mm)の大きさで、好きなように表現して、交換したりコレクションしたりして楽しむカードの事です。
折り紙を使ったATCを、私たちはOrigamiATC(オリガミ・エーティーシー)と呼んでいます。
2022年10月交換会のお知らせ
・毎偶数月の交換会は、郵送参加のみで開催しています。
・2022年10月の交換会はテーマフリー(自由)です。
・郵送参加の締め切りは2022年10月20日(木)必着です。
・どなたでもご参加いただけます。詳細は下記リンクをご覧ください。
2022年8月交換会のカードのご紹介
テーマ:夏色
*第1回目*
2022年8月18日締切の交換会には、42人にご参加いただきました。ありがとうございます。
本日は、縦構図のカードご紹介(前編)です。
以下敬称略。
左)
タイトル=夏色のおもいで 作者=Nyaon 折り紙作品=ひまわり:高木ひろみ・作、麦わら帽子:いしばしなおこ・作、リボン:イ・ヘギョン・作、女の子:自作
中央下)
タイトル=めんそ〜れ! 作者=よっしぃ 折り紙作品=シーサー:Sophy・作
右)
タイトル=見〜つけた! 作者=smimi 折り紙作品=靴下:半田丈直・作、Tシャツ:カミキィ・作、セミ:伝承、Gパン:自作、女の子(アレンジ):いしばしなおこ
Nyaonさんは、今年の夏のイメージは入道雲で、それにはやっぱりひまわり!ということで、このような構成になったそうです。数あるひまわり作品の中でも高木ひろみさんの本作がお気に入りとのこと、さらにひまわりの表現を上げるべく、芯に細かい段折りを入れるアレンジを施しています。青空の余白の空け方、自作されたという女の子の横顔と、見上げるようなひまわりとのバランスも絶妙です。
よっしぃさんは、夏をのりきるための「暑さに負けない元気色」を表現されました。主役のシーサーは、赤地に金の流水紋様のボディに赤と銀の両面和紙を使った顔で、進出色のオレンジの背景に負けない力強さがありながら、ほのぼのとした表情で見る側の顔もゆるませます。
Smimiさんは、昭和生まれなら誰もが記憶にあるような、夏休みの1ページを表現しています。Gパンの青とタオル(?)の黄色が夏の青空にまぶしいですね。この女の子はいしばしなおこさんの作品のアレンジだそうですが、とてもオリジナリティあふれる表情のキャラクターに仕上がっています。この虫取り網は、自作なのかこういうパーツがあったのか、個人的に気になるところです。
左)
タイトル=ひまわり 作者=キング 折り紙作品=リボンタグ・ひまわりコースター・はっぱ:カミキィ・作、アイスキャンデー:山口真・作
中央下)
タイトル=ひまわり 作者=瑠璃子 折り紙作品=ひまわり:丹羽兌子・作
右)
タイトル=人魚姫 作者=noamama-1 折り紙作品=人魚・おさかな:カミキィ・作
キングさんは、今回5人いらっしゃる初参加の方の一人です。水色ベースのチェックとリボンタグ、ポップな柄のひまわりに夏らしい濃い緑の葉っぱ、アクセントにピンクのアイスキャンデーが添えられていて、王道な構成になっています。
今回は、ひまわりをメインにしたデザインが非常に多かったのですが、瑠璃子さんのカードは昔懐かし8ビットゲーム、スーパーマリオに出てきそうな風景です。レンガ模様(?)のテープも手描きのような味わいで、個人的にはかなりツボです。
夏といえば海、海といえば人魚、ということでnoamamaさんのカードはとてもメルヘンチックです。人魚姫の金の髪とピンクのボディに対し、少しくすんだ色の魚を合わせて甘さをおさえています。トレーシングペーパーに描かれた黒線だけの波の表現も面白く、魚の片方は波の上に貼って前後関係を作る工夫もされています。
左)
タイトル=犬の水兵さん 作者=ロミオ 折り紙作品=犬:たかはしなな・作、旗:カミキィ・作、ぼうし:虹色かおり・作
右)
タイトル=Color Chart 作者=Harumi Takano 折り紙作品=アイスキャンディー:作者未詳
ロミオさんも初参加、とってもマリ〜ンな感じのカードです。小犬さんが一所懸命旗を振っている感じがかわいいです。セーラーの襟の水色と身ごろの白とのコントラストが爽やかです。
Harumi Takanoさんは、「カラーチャート」と題してダイレクトに「夏色」の配色を提示して、オシャレなコラージュの手法でまとめ上げています。主役の鮮やかな黄色を主役に、反対色で抑えめの青を背景に、彩度高めのオレンジをアクセントにしており、アイスキャンディーの冷たさと涼やかさが伝わってきます。
左)
タイトル=551ホウちゃんのおやつ 作者=POCCO 折り紙作品=しろくま君:たつくりのおりがみ・作、ゆず:伝承(「くんしょう」アレンジ)、かきごおり:堤政継・作
右)
タイトル=よくばりペンちゃん 作者=POCCO 折り紙作品=CUTE PENGUIN:Origami Ako・作、アイスクリーム:青柳祥子・作
POCCOさんは久しぶりのご参加で、全部デザインの違うカードを送っていただきました。大きく分けると、しろくま君とペンギンの2種類だったので、代表的な2枚を紹介させていただきます。
どちらもダイナミックな構成で、しろくま君には大きなかき氷を抱かせ、トッピングと思われるレモンの輪切り(?)は、個別に背面へ持ってきて、爽やかさを強調しています。背景の星座模様は、氷のひび割れかイナズマのようにも見え、氷の冷たさを演出しています。
ペンギンに持たせたアイスクリームの比率も大胆で、これでもかと重ねた上にくずれかかっているアイスクリームが大迫力。背景の貝殻模様は浜辺を連想させ、夏のビーチに頬張りたくなるジェラートという感じになっています。
タイトル=(左)キラキラの夏にはオレンジエード! (中央)キラキラの夏にはレモネード! (右)キラキラの夏にはライムエード! 作者=みい 折り紙作品=レモネード:宮本宙也・作
みいさんは、先日のオンライン講習会でおひろめされたばかりの作品を使っています。色を使い分けて、3種類の飲み物を表現しました。トレーシングペーパーの紙や貝殻のシールが涼しげで、星のシールは飲み物のスパークリングな感じを演出しています。このドリンク、添えられたカットフルーツも含めて1枚のインサイドアウト作品なのです。ご本人もおっしゃっていますが、カードに収まるサイズに折るのは至難の業です。
タイトル=夏の花 作者=山ちゃん 折り紙作品=フレーベルの模様折り
山ちゃんさんは、「夏の花をいろいろ折ってみましたが一つに絞れず、花の色のイメージ作品になりました」とのこと。背景のうねるような模様が近年の猛暑だったり、メインモチーフのサイケデリックな色彩が、カッと脳みそを刺すような日差しを表現しているようにも感じられます。
いつも参加されている方がSNSでカードの紹介をしていただき、それを見た方が新たにご参加いただくという循環ができつつあるようで、とても助けられています。ありがとうございます。ブログの参加要項には事務的なことしか書いていないので、初めてご参加いただく方は、「これでいいのかな?」を抱かれる場合もあるかと思います。
しかし、国際的に愛好されているATCにはカードの仕上がり寸法以外に規定はありません。この折り紙を使ったATCでも「こうでなければならない」はなるべく増やしたくないと考えています。とにかく楽しんで作っていただくのが、一番の「正しい」参加方法です。
次回は、縦構図のカード紹介(後編)です。
<『OrigamiATC通信』のお知らせ>
現在、2020年発行予定だった第7号を鋭意編集中です。完成までもう少しお待ちください。