いきなりですが…
癒し？家族？兄弟？こども？仲間？友達？
動物と人間が共に暮らす形は様々で関係性もそれぞれだと思います。
人と共に暮らしている動物達がどう感じて、どんな風に考えているかはわかりません。
どんなことを語っても、人間側のエゴになっているのかもしれない。
でもみんなに伝えたいことがあるから書きます。
日本で唯一、獣医師免許を持つ女優として活動してきておりますが…
最近、動物についての相談を受けることが続きました。
現職の獣医師として働いてはいないけど、6年間専門で学んできたのでもちろん一般の方よりも知っていることは少なからずあります。
自分の知っている知識の中で言えることなら出し惜しみするつもりは一切ないし、自分で役に立てることがあるからなんでもしたいと思っています。
でも…
だいぶ前からうちの猫が調子悪いんだけど、病院連れて行きたくないんだ。この症状なんの病気かわかる？家でできる対症療法ある？
とか
1ヶ月くらい前からうちの子の目がおかしくて、病院連れて行って、この薬もらったんだけどよくならないんだ。何が原因？このまま様子見てていいかなー？別の病院連れて行った方がいい？
とか
聞かれることがあります。
そういう相談をされた時に私の頭に浮かぶ言葉はただ一つです。
【早く動物病院に連れて行ってあげてください】
理由は2つ。
1つ目は…
わからないから。
なんとなくの症状を聞いたり、写真を見て可能性のある病気を幾つか挙げることはできます。
でも、目の前に患畜がいなくて、年齢も既往症もわからない、触診も聴診も菌の検査もエコーもレントゲンも血液検査もなにもできない状態で、この病気ですね。
なんて断定できない。
インフルエンザと風邪（ほんとは病名じゃないけど便宜上使います）を写真だけで判断してください。って言われてるのと同じです。
人間は節々が痛いです。とか気持ち悪い頭痛いetc…患者さんが感じる情報を言葉にしてくれるけど、動物はそうじゃない。
だから現場の獣医師さんは、色んな病気の可能性を考えて、一つ一つ選択肢を潰していくために検査をしたり、対症療法で経過観察をしてみたり、手を変え品を変え病気と闘うんです。
例えばうちの子下痢してるんです。だけ言われても、ウイルス性の下痢、菌が原因の下痢、寄生虫、ストレス、食べ物etc…原因はいくつも考えられるし、その原因によって治療法だって違います。
だからその患畜の写真見ただけじゃなんとも言えないのです。
2つ目は…
なぜその期間なにもしないでいたの！？と思うから。
いきなり夜中に調子悪くなって、動物病院空いてなくてどうしよう！！！って時に情報の一つとして私に聞いてくださることや、動物が健康な時にもしこういうことが起きたらどうすればいいのー？などの話を聞きに来てくださるってケースなら全然問題ないのです。
緊急のケースで相談されたら、どんな処置をしてくださいなんて指示は絶対にださないけど、近くにある夜間救急やってる動物病院の情報だったりこういった項目はチェックしてメモって動物病院に連れて行った時に獣医さんに渡すといいよ！とかのアドバイスはできますし、健康な時にこんなこと気をつけるといいよーとか話ができるのは私も嬉しいです。
でも…
最初に書いた2件のようなケースだと、大体調子悪くなってから時間が経っているんです。
1週間前からーとか1ヶ月前からとか、だいぶ前からとか。
それなのに病院連れて行きたくないとか、このまま様子見てていいかなー？とか言ってるのが私は悲しい。
そんなつもりじゃないと信じたいけど、動物の命を軽く見てるのかなと少し思ってしまう。
家族同然っていうならさ
その症状と同じ症状が自分のこどもや親、おじいちゃんおばあちゃんに出たら…1週間放っておける？1ヶ月良くなってないのに、まだ様子見てていーかなー。なんて思える？
昔、病院実習していた病院にシーズーが来ました。
2ヶ月位前からずっとお尻から臭い汁が垂れてきてて元気がないんです。と飼い主さん。
診断は
すごく悪化した子宮蓄膿症
でした。
今すぐに手術しないと手遅れになるかもしれない。もしかしたら手術しても予後不良かもしれない。くらいの状態でした。
なぜ2ヶ月放っておいてしまったのだろう…
もっと早く動物病院に連れてきていたら結果は違ったはずなのに。
人間に置き換えて考えてみたら、もっと早く病院に連れて行かない？と思うと共に
動物にとっての1週間や1ヶ月は人間の1週間1ヶ月とは違うということも多くの方に知って欲しいと思います。
一般家庭でよく飼われている動物種の寿命は人間より短いです。
例えば…犬や猫（種類とか色んなことで前後するけど）の寿命は大体17年〜20年弱。日本人の平均寿命と比べてみると、犬・猫の１年は人間の４年、半年は２年、１週間は４週間に相当します。
愛犬が、1週間具合悪そう。
というのは人間で言えば1ヶ月具合悪い状態が続いてるということになります。
だから異変に気付いたらなるべく早く動物病院に連れて行って獣医さんに診てもらってください。
動物病院は保険きかないから高いし…と思うこともあるかもしれませんが、時間がたって悪化してからだと逆にもっと治療費が高額になることも多いし、治るまでに時間がかかったり、最悪の場合手遅れになってしまうことだってあるから。
飼い主さんがご高齢だったりして動物病院に連れて行くのが難しい場合は往診をしている獣医さんもいらっしゃいますのでぜひ調べてみてください。
長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます
動物と人間が共に幸せに暮らせる社会になりますように。
人も動物も元気に幸せに過ごせる時間が少しでも長くなりますように。
悠紀Twitter
@yuki_ishigami
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