恋愛はメンドクサイ?~20代男女の恋愛事情についての個人的考察。 | HappyWomanのすすめ。

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今、私の最大の関心事は、20代の若者たちの恋愛事情です。
趣味が恋バナと言っても過言ではないほど、日々いろいろな年代の男女と恋バナを繰り広げているうちに、どうも20代の、特に男性の話に違和感を覚えることが多くなってきました。
世間では「恋愛離れ」や「草食化」などと言われて久しい20代男子ですが、「いやいや、そうは言っても……」と思っていたのです。
しかし、数を当たるうちに、気付いてしまいました。
どうやら様子がおかしいぞ?と。

**そうは言っても、まだまだ元気な20代女子

男性の話をする前に、まずは女性の話から。

先日、4人の20代女子の飲み会に立ち会う機会がありました。
26~27歳で、4人とも彼氏アリの独身。就職して4~5年経った頃です。4人は一見、仲が良さそうに見えるのですが、よくよく見ると、腹の探り合い。牽制ムードが漂っています。
みんなとっても可愛いのに、口から出るのは、それを台無しにしてしまうような言葉の数々。

・こないだ合コンした男子、つないでるから○○ちゃんに回そうかな?
・あー、いまあの子、珍しく持ちネタないんだよねー
・ストック切らすとか珍しくないー?

ここで何かモノのように語られている「回す」とか「持ちネタ」とか「ストック」というのは、男性のことです。
1人ひとりと会うと、とてもいい子たちなのに、同年代で集まると見栄や虚栄心が表に出過ぎてしまうのが20代女性の特徴でしょうか。
「友達の前では弱音を吐けない」という言葉をよく聞きます。

あぁ、でも20代後半ってそうだったかも、とちょっと思い出しました。
大学を卒業して就職して、よーいどん、と始まった人生のレースを、まだ横を見ながら走っている感覚がある。
誰が一番に結婚するか。
どんな男性をつかまえるのか。
出産は誰が先か。
周りが気になって仕方ない。
女友達より幸せな人生を歩みたい。
30代を過ぎると、自分の走るコースが定まってくるし、戦う相手は他人じゃない、と気づいて少しラクになったりするのだけど。

早い段階から恋愛に関するたくさんの情報を得て、経験も多く積んでいる20代女子は、私の時代よりも早熟で、要領良くなっているのかも。
でも、「女」としての根っこの部分は、5~10年前とあまり変わらないようにも感じます。
本気で男性にぶつかるし、一生懸命だし、悲しいときは涙を流すし、1人の人にちゃんと愛されたいと思っている。

20代女性の恋愛観を大まかにまとめると、こういう印象です。

「収入に関して高望みはしないけど、金銭感覚は近い方がいい」
(オゴリじゃなくてもいいけど、誕生日やクリスマスにそれなりの料理を一緒に食べに行けるくらいの財力はほしい)
「結婚後も自分が仕事を続けることを認めてくれる人がいい(自分が選択する生き方を認めてほしい)」
「性欲が少ない人はちょっと…。この年齢でセックスレスになるのは嫌だ」

男女同権で、女性活躍推進のムードの高まりとほぼ同時期に社会に出た20代女性は、恋愛にも仕事にも貪欲です。

**失敗を恐れて経験を積めない20代男性

元気で賢い女性とは対照的に、何だかすっかり元気をなくしてしまったように見える20代男性。
最近彼らによく聞かれることは、「彼女が欲しいんですけど、どうしたらできるんですかね?」
そのたびに、「告白したり、まずは行動に移そうよ」と答えるのですが、以前なら10代で経験していたようなことに今つまずいている印象があります。

マーケティング会社を経営する牛窪恵さんの著書『恋愛しない若者たち』(ディスカヴァ―携書)の中で紹介されているデータによると、過去に一度も交際経験のない20代男性は41%だそうです(2014年、明治安田福祉研究所の調査)。
実際に20代男子と接してみると、その数字も頷けます。

もちろん、それなりに女性経験が豊富な人もいるのですが、結婚を前提に付き合ったり、数年間きちんと1人の人と向き合ったりという経験をもつ人は少ない(付き合っても1年未満)。

付き合い始めも別れも実にドライです。
ちょっと重いな、面倒だな、と思うと、その問題と向き合い克服する前に別れてしまう。
自分を見失わない「距離感」を保っているので、恋愛が他の生活に影響することは少ない。
とにかく傷つきたくないという保身の気持ちが強い。

「それって、その人のこと、本気で好きじゃなかったんじゃない?」と言うと、「人を本気で好きになったことがないかも……」と。
「好きになってちょっと行動を起こすと、そういう自分を客観視してしまうもう1人の自分が出てきて、“きもちわるっ”て思うんですよね……」という人も。

何なのでしょう、この温度の低さは。
20代男子なんて、みんなどうしたら女性とHできるかということばかり考えているかと思いきや、性的欲求も含め、恋愛の優先順位がとっても低い。

じゃあ、一体何に興味があるのか、と聞いてみると、「え……とりあえず、明日の夜ごはんをどうしようかなってことですかね」。
オドロキで言葉を失っていると、「いや、だってスーパーの特売が……」って。
主婦ですか!

もうひとつ、こんな事件もありました。
付き合って3カ月の彼女と遠距離恋愛中の20代男子。
「僕、めっちゃいいことを考えついたんですよ!」と、得意げに報告してくれるので、何かと思ったら、「5分で自動的に電話が切れるように設定できる方法を発見したんです。彼女と電話するときに、それだと長電話にならずにすむじゃないですか」。
そんな彼には、こう返すしかなかったです。
「……彼女と別れたら?」

もちろん恋愛がすべてではないし、こんな20代男子に対して、日本の未来が危機だ!なんて熱く語るつもりはないですが。
このままだと、20代男子の対照ともいえる、10代の頃から借金をしてでも女性と遊んで、時にはドロドロの愛憎劇も厭わない40代バブル男性に、20代女性をぜんぶ持っていかれちゃうよ!

どれだけ身に鎧をまとっても、光源氏の時代も今も変わらず、恋愛は重いしメンドクサイものだと思います。
自分とは違う人間と近い距離でともに生きていこうとする行為だから。
近づかなければ、安全です。そうやって生きていくこともできる。

でも、余計なお世話と知りながら。
相手との関係によって新しい自分を発見したり、誰かの幸せを想って涙を流したり、なんでこの世に生まれてしまったのか分からないけど、この人に出会えたからとりあえず神様、この瞬間はありがとう、と思えたり。
苦しいことやしんどいことを差し引いても、恋愛って結構いいものですよ、と思います。
いろんな景色を見て、人生の宝物をたくさん増やしてほしいな、と。
それに、喜怒哀楽の感情をちゃんと味わい受け止められる「イイ男」が世の中に増えれば、女にとってこんな幸せなことはないですから。


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