意外と知られていない、男性妊活の話。 | HappyWomanのすすめ。

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3月に発売された妊活の雑誌で、男性の妊活特集を担当しました。

妊娠を望むカップルのうち、約半数(48%)が男性にも原因がある(WHO調べ)ことは、少しずつ知られるようになってきたと感じます。男性の不妊は、決して珍しくない問題。でも、まだまだ男性が妊活に積極的になれていない現状がある。

 

雑誌の記事を制作するにあたり、埼玉県の獨協医科大学越谷病院の泌尿器科医・コボちゃん(小堀善友)先生にも取材し、目からウロコな話をたくさん聞くことができました。

 

■妊活に男性が置き去りにされている

 

私たちは、子どもを授かれるのだろうか?

そう考えたとき、最初に検診を受けるのは、たいてい女性のほうだそうです。原因が男女半々にあるのであれば、一緒に行けばいいのに……。

 

でも、待てよ? 男性はどこに行けばいいんだろう?

男性が検査をしようと思ったとき、病院の何科に行けばよいのか、私もよく分かっていませんでした。

一般的には、女性と同じレディースクリニックや婦人科、もしくは泌尿器科になるそうです。女性だらけの婦人科に行くのは、確かにちょっとハードルが高いかも。

 

男性は主に精液の検査をします。

男性側の不妊の原因には、精液中に精子がまったくない「無精子症」、精子が少ない「乏精子症」、奇形の精子の割合が多い「奇形精子症」などがあり、これらは精液を検査することによって見つけることができます。もちろん、早期発見により治療も可能です。

 

精液は、家から持っていくか、病院で採取するかを選べる場合がほとんど。

病院で採取する場合は、こんな個室を使います。

 

エッチなDVDとティッシュがあるだけ。意外と殺風景ですね。

 

DVD……どんなものがあるのか、ちょっと拡大してみましょうか(笑)。

 

(※病院によって置いてあるものや雰囲気は異なります)

 

こうして検査をするわけですが、驚いたのが、約半数の場合、検査結果を女性が一人で聞きに行っているとのこと。

仕事が忙しいとか、現実を突きつけられるのが怖い!といった男性の心理が見え隠れしますが、一方で「とりあえず精子だけ出してくれれば、結果は私が聞いとくから!」と言っている女性の姿も目に浮かぶような……。

女性は出産にタイムリミットがあり、「早く妊娠したい!」と焦ってしまいがちなのかも。妊活がちょっと女性主導になり過ぎているのかな?と感じました。

 

とはいえ、男性の意識がまだまだ低いのも事実。「まさか俺に原因があるわけない!」という男性の思い込みとか沽券問題とか、どこの病院に行けばいいのか分からなかったり、精液検査のハードルが高かったりして、男性側に原因がある場合の不妊の発見が遅れてしまっているのです。

 

その解決策のひとつとして、いまいろいろな企業が取り組んでいるのが、自宅で簡単に精子を見られるアプリや検査キット。

オナニーグッズを開発している「TENGA」も精子キットを出しています。

 

 

これはスマホの動画機能で、採取した精子を見ることができるというすぐれもの。ネットの通販で購入できて、値段も1500円(3回使用可能)とリーズナブル。スマホの性能にもよりますが、精子の数や動きが結構ハッキリ分かります。

 

■勃たない、イケない男性の解決策は?

 

病気とは違う側面で、男性側の不妊の原因になるのが、勃起障害、射精障害。正常なセックスができない、いわゆる機能障害といわれる症状です。

 

勃起障害はEDともいわれ、わりと馴染みがありますが、バイアグラの解禁により、実は減っているとのこと。バイアグラ以外にも、副作用が少なく、値段も手ごろな薬がたくさん開発されているそうです。例えば、36時間(!)効果が続く「シアリス」とか、食事内容に影響されにくい「レトビア」など。

値段は1錠500~2000円程度。勃たない、あるいは途中で元気がなくなってしまうと悩んでいる男性は、試してみてもよいかと思います。

(たいていの薬は保険適用外。医師の処方が必要です)

 

そしていま、若者たちに増えていて、深刻な問題になっているのが、射精障害。

「海外で射精障害の論文を検索すると、95%は早漏の話になるんです。でも、日本ではそのほとんどが、重度な遅漏なんですよ」とコボちゃん先生。

つまり、女性の膣の中で射精できなくて悩んでいる男性が多いということです。

 

原因は本当にさまざまで、心因性のものやAVを観ながらでないと射精できないといった性癖の問題など、多岐にわたるそうなのですが。

中でもコボちゃん先生が問題視しているのが、幼少期からの変なオナニー。

床にこすりつける「床オナ」、雑誌などに挟む「挟オナ」、壁に押しつける「壁オナ」など。特殊なオナニーに長年慣れてしまうと、女性の膣の刺激では射精できなくなってしまうんですって!

 

こんなこわ~いエピソードも。

あるとき、10代の少年がコボちゃん先生の病院に急患としてやってきました。

朝、勃起した状態で寝転び、床にこすりつけてオナニーするのが習慣になっていた少年。その日もゴロゴロと転がっていたのですが……

――ボキっっ!

「折れたぁ!」といって運ばれてきたのだそう。

男性器には骨がなく、無理な姿勢により海綿体から血の塊があふれ出して真っ黒に腫れあがったんだとか……「陰茎折症」というらしいです。

想像しただけでも、イタイ‼

その少年は、きちんと治療をしてキレイに治って、その後は問題なくセックスができる状態になったそうです。ほっ。

 

床オナ、こわいですね。いまGoogleで検索してみたら、52万件以上もヒットしますが……、これに慣れてしまうと、治療はかなり難しいんだそうです。男性の皆さん、今すぐ床ゴロゴロはやめてくださいね!

 

 

今回話を聞いて、改めて、男女の体の違いは興味深いものだと感じました。

男性にとって、女性の体は神聖で神秘なもの?

女性にとっても、男性の体は、未知数な物体です。性器を外側に出して生活しているなんて、考えられない!(笑)

 

でも、妊活はふたりでするもの。

大事なのはきっと、歩み寄りです。

独りよがりにならず、お互いに理解しようという意識さえあれば、早い段階で妊娠につながるカップルが増えるのではないかな、と思います。