みなさん、こんにちは!HPAで講師を担当しています田辺です。
もうすっかり春になりましたね。先日東京も桜の開花が宣言されました。啓蟄の頃から今か今かと待ちわびていた春が宣言されました。
冬には冬の撮影の楽しみがありましたがやはり暖かくなると本当に撮影のために外に出てみようという気になります。空は青さを増し、風は肌に優しくなり、なんだか街の音も柔らかく聞こえますね。
今回の教えて田辺くんは1年で1番うれしいこのタイミング、今1番撮りたい被写体「桜」にせまってみます!
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たなべくん
みな・・・・へっくしょん!!!
ジョージ
さん・・・・へっくしょん!!!
たなべくん
春・・・・へっくしょん!!
ジョージ
ですな・・・・へっくしょん!!
たなべくん
すっかりたなべくんとジョージは花粉症でございます。
ジョージ
へっくしょん・・ございます。
たなべくん
いつものシニカルジョージもこの時ばかりはおとなしいね~
ジョージ
・・・・・・・・・
たなべくん
おっと、後が怖いのでさっさと進めましょう~
ジョージ
へっくしょん!!
たなべくん
桜の撮り方ですね。花を撮るときに大事なのはまず「光の向き」ですね。これはHPA養成講座のテキスト6,撮影テクニックの最後、トピックスの中段にあります。順光、サイド光、斜光、逆光。もちろん桜を撮る時もまず光の向きを見ることからはじめましょう。
ジョージ
ムキムキってのはないのか?
たなべくん
ジョージ、調子よくなってきたね。
ジョージ
ああ、さっき飲んだ薬が効いてきた。
たなべくん
そりゃ良かった。じゃ続けるよ。くっきり撮りたければ順光、ふわっと撮りたければ逆光だね。斜光やサイド光はその間ということですね。カメラの設定より前にまずどう撮りたいかを決めて、一番そうなりやすい光の向きを探しましょう。
ジョージ
だからムキムキはないのか?
たなべくん
流すよ~。次はフィルムシミュレーションだね。ここで気をつけたいのはベルビアの使い方です。確かにベルビアはとても発色が良くコントラストも強いので色を出したいときには向いています。
ジョージ
何が悪いんだ?
たなべくん
いや、悪いってわけじゃないんだけどね。ベルビアの青はマゼンダという赤紫寄りの青になりやすいように作られています。なので特に順光方向で桜のピンクを強調しようとするとバックの空が赤紫寄りの青になりやすいです。
ジョージ
じゃあどれにすればいいんだ?
たなべくん
色が強く出て、しかも階調重視だとアスティアになるかな。そしてダイナミックレンジは前に説明しましたね。どう撮りたいのか、光の向きを考えて変えてくださいね。
ジョージ
光のムキムキ・・
たなべくん
なんだか薬が効きすぎてるのかな~。露出はもう大丈夫ですね。次からは奥の手、裏技になっていきますよ~
ジョージ
猫の手?野沢菜?
たなべくん
・・・・・。~まず皆さんが撮ろうとしている桜をじっくりと見て下さいね。桜は白いですか?ピンクですか?上向きに咲いていますか?下向きですか?
ジョージ
群青色です!
たなべくん
壊れたかな?多くの方がソメイヨシノを撮ると思いますがソメイヨシノの花はほぼ白、ほんのりですがピンクです。でもコンデジやスマホで撮ると完璧に白い花になりますね。一眼でも何もしないと白だけの花になるはずです。まずやることはハイライトトーンを抑え目にして、カラーを上げましょう。どちらにしろ白系の花なので白が飛ばないようにハイライトを抑え目にして、色が乗りやすいようにカラーを上げます。その上でホワイトバランスを調整します。まず色を固定するときはAUTO以外なので太陽マークを基本にしましょう。その上で行うのがホワイトバランスシフトです。
ジョージ
ふふ、略してWBS@@@△
たなべくん
ワールドビジネスサテライトだね。それではワールドビジネスサテライトを十字Keyで動かしてみましょう。目的は白い花びらにピンクを足したいんですよね。なので色座標の赤と黄色の間がピンクです。つまり斜め方向にポイントを動かして下さい。そうすると白の花びらにピンクが足されます。どのくらいなのかなどは微調整を行って下さいね。
ここでポイントなのですが順光側や逆光でもダイナミックレンジを広げていると背景の空が青くなりますが、色座標を動かすと当然青にも影響が出ます。赤い方向に動かすのですからもともと青に赤が出やすい色設計のベルビアは注意が必要なんです。
ジョージ
お前の今日の運勢は門松に注意って出てたぞ!
たなべくん
はいはい、門松には充分注意します。それと実際に撮影をして一番困るのは風で枝が揺れることだね。せっかくピントを合わせても風で動いてしまって、ピントは外れるはぶれるはでまともに撮れない、実は困ってしまう一番はこれじゃないかな。
ジョージ
俺はお前に困ってるぜ!
たなべくん
そっくりそのままお返しするぜ~ぱっと目立つ花ってたいていちょっと突き出していたり、周りに花がなかったりでそもそも揺れやすいのでは?風が止まないとその花はずっと揺れ続けてしまうようなら揺れにくい花を探したほうが早いですよ。花は満開なんです。難しい枝ぶりで粘るより、もう1回条件のいい花を探すのも手ですよ。
ジョージ
俺は新しい相棒を探したいぜ!
たなべくん
おやおや、いけませんね~それが僕の悪いくせ!
ジョージ
似てねぇぜ。
たなべくん
・・・・・・さてさて二つ目ですが絞り値を確認しましょう。もし開放だったら少し絞ってみたらいかがでしょう。背景のボケが多少浅くなりますがピントの合う奥行きは深くなりますね。つまり多少花が揺れてもピントが合いやすくなります。考え方を変えて【動体物】と考えてシャッタースピード優先にする手もあります。1/125、1/250であれば止まりますよ。これは裏技というよりはスゴ技でしょうがマニュアルフォーカスにして風が止んだ時の定位置にピントを合わせておいてひたすら風が止む瞬間を待つというやり方もあります。
ジョージ
コンビを止める瞬間も近いぜ!
たなべくん
さらに流しましょう。最後に絵作りのヒントです。ピンクと緑ってあまり相性が良くないんです。もう1回ホワイトバランスシフトを見て下さい。
ジョージ
見てやったぜ!
たなべくん
そりゃどうも。座標軸の斜め方向の2色は相性がよく、反対方向の2色は相性が良くありません。つまりピンクベースの「桜」をメインに考えると「赤と青」「赤と黄色」は相性が良く、「赤と緑」は相性が悪いことになります。
ジョージ
つまり、どういうことだ?
たなべくん
「赤と緑」「青と黄色」との組み合わせは同系色ではないので組み合わせが難しいということです。例えば桜で言えば「葉」ですね。葉桜を美しく見せることはやはり難しいです。ですの画角の中にいかに緑を入れないのかがポイントになります。
ジョージ
やっちゃいけないってことか?
たなべくん
いえいえ、インパクトのある絵作りをするならわざと反対色を使うのは手ですよ。つまり新緑と組み合わせるのなら「ふわっと」ではなく「きりっと」撮るほうがいいということですね。
ジョージ
まだあるのか?
たなべくん
最後になりますが「ふわっと」撮るのなら「枝」の引き算をしましょう。枝はどうしても黒や茶などのシャドー系です。「ふわっと」ということは全体的に明るい、ハイキー系なのでその中に枝=ローキーがあるとかなり悪目立ちします。気をつけましょうね。
ジョージ
よし、薬も効いてきたことだし
たなべくん
桜でも撮りにいきますか?
ジョージ
そうだな、俺についてき、き、・・・・へっくしょん!!へっくしょん!!へっくしょん!!
たなべくん
だめだこりゃ~
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皆さん、わかりました?
今回は白系の桜をふんわり撮ることを前提としてみましたが桜もたくさんの種類がありますしたくさんの撮り方があります。まずどう撮りたいかを考えながらチャレンジして下さいね。ぜひ理解して皆さんのフォトライフに活かして下さい!
最後にXセミナーズ@大阪で講師をお勤め頂いている写真家のやまぐち千予さんが桜の撮り方をご自身のブログで公開しています。
とても参考になると思いますよ。千予さん、ご承諾ありがとうございました!
「おいしい写真」の撮り方★ピヨカメラ PHOTOBLOG -大阪女性カメラマン時々写真講師-
http://ameblo.jp/piyocamera/entry-11812049572.html
やまぐち千予さんの次回のセミナーはこちらです。応募は終了しましたが4月初旬に5月セミナーを公開予定です。
【LOVE PHOTO】やまぐち千予先生と楽しむ♪ラブリー撮影会
https://my.fujifilm.jp/member/commodity/00000000/XS_K150405_01/seminar
やまぐち千予さんのフェイスブックはこちらです。
https://www.facebook.com/?ref=tn_tnmn#!/piyocame?fref=ts
マイフジフイルムでも桜の撮影の特集があります。
「桜の撮影にチャレンジしませんか?」
http://fujifilm.jp/support/information/sakura/index.html
菜の花ですがXセミナーズ@東京の人気セミナー、むらいさち先生に教わる!花・たび・フォトレッスンが女子カメwatchで取材を受けています。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/girlscamera/news/20150130_685838.html
最後はむらい先生のセミナーでの皆さんの作品です。主に河津桜とソメイヨシノです。ぜひご覧ください。