重たい雲から




雪にかわりそうな雨が落ち




ただずむこぶしの木は




蕾を育みはじめている




ひらくために




固く閉じられた




白い蕾




その内には




清らかで大きな力を蓄えて




冷たい雨は




こぶしの木をつたい




ひそやかに




白きいのちに祝福を贈る




その蕾の内に秘めし力こそ




森羅万象の




神のいのち




木のいのちであり




大地のいのちであり




地球のいのちであり




わたしたちのいのちである



だから




美しいと感じるのだと思う




めぐる季節を




永遠に数えるように




繰り返し咲く美しき神を




讃える雨がしずかに落ちる