5年で撤退のマンション内託児所!? -2 ”受益者負担”論の困難 | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

 定員めいっぱいまで受け入れても単年度赤字というマンション内託児所は実は多い。
非常に高率で(ほぼ確実に?)5年経過とともに組合の多額の負担なしでは維持できなくなるんですから、最初5年しか売主としてサポートしないのはま勝手としても、
 
 - マンション内の子供優先の託児所は5年で撤退となる蓋然性が高いことを
販売時にきっちりいうこと
 (少なくとも重説ではなく、販売時資料に”5年と明記”してほしい)
 - 5期目になってから急に撤退ですとかならないように、管理組合理事会には、もろもろの検討・合意形成の時間を十分に与えるように、早めに注意喚起の告知をすべし
 (殆どの組合が年に1回しか総会はやりませんから、半年前に言われても手遅れで、
なんでもっと早くいって来ないとか掲示板上に愚痴が書かける例多数)
の2点をもしうちに託児所があったとしたら売主に希望するかなぁ。
 
 デべなり管理会社なりが信用できるかどうかって、やはり正直に情報は隠さないかどうかだと思う。無論規約の特記事項とか重説資料とかに5年ってのは書いてあるだろうけど、肝心の購入者は規約集なんか読まずに無限に継続すると思っているものです。
 5年の後は維持できまいと思っているなら正直に最初5年だけはデべが自分で払ってますといえば、悪い印象ももたれないと思うんだけどな。5年で維持できなくなったという見方もできる一方、デべがお金をどんと払ったから最初の5年は維持できたという見方もできるわけだし。一面的に悪い設定だとは実は私は思わない。
 
 マンションの共有部のサービスで、組合が多額をサポートし続けないと維持継続が困難なものは実はとても多い。6年目以降に組合が求められる託児所の維持コストって、200-300万円/年程度で、もしうちにあれば、1戸あたり年4000-6000円くらい。これはメガマンションから見ると確かに高額ですが、もっと高額の支出をしているパターンも多くて、決して”払えない”というほどの支出ではない。
 
 うちは自販機型におきかえて無人化したミニショップには、年900万円(戸あたり1.8万円)がつぎこまれていて、これは顧客あたり300円/一回の補助でしたが、最初はなくすというとアンケートでは半分弱は反対だったくらいで、歩いて1分かかるかどうかのすぐ隣にでかいコンビニがあるのに牛乳1本購入して500円でも維持するのかとか、かなり恣意的!とか反発も買ったキャンペーンをしないと2/3以上が廃止に賛成とはいかなかった。
#組合としては金がないから、どうにもならずにばっさりやったけど、本当に廃止してよかったのかなとは自分でも思わないでもない。多分永久に復活は無理だから。どのみち今度管理費は消費税連動分だけは値上げするしかなくなったわけでもあるし...
 
 もっと豪勢な例でいうと、1000戸オーバー級の湾岸タワーなんかによく設置されているプール。実はプールは平均的には 【1人が利用するたびに2000円を管理組合が”補助”していることになるという料金設定が標準】だったりします。
 
# 2000円/一回の”赤字”というと俄かには信じないかもしれないけどRJC48にもプールのあるマンションの事例があってま数字を聞いたし、HPなどから公表されている例では2000戸のタワーで、年間4000時間ほどを運営して、のべ13600人の利用に対して約3000万円の赤字がでているとして利用改善のアンケートがなされている例もあります。
 http://wct.main.jp/memb/news/wctnews_016.pdf
 
 
 託児所の継続が賛同を得にくいのと住民反応の差は、
”皆が使える【気がする】” かどうかと、
”他のマンションとの差別化で重要【と思われる】” かどうかではないか。

 

 うちの近所には、マンション内にミニショップがあるなんてマンションはないから、
『あそこのマンションは、中にミニコンビニがあって、焼き立てパンが食べられるんだってさ...』ってなポイントは、購入時にそれで心が動いたんで、実は蓋をあけてみたらどんなにちんけな”ミニミニ”ショップでも、どんなに赤字を組合が垂れ流していても維持してくれって声は一定数あって、最後に撤退の議決をしたときにも100票以上(2割)とかの反対票が来た。なんとか75%近くの廃止賛成にまでもっていったのは、実は1回利用すると組合を経由して300円の赤字で殆ど利用実績がない・・・ってのをかなりくどく情宣したせい。
 
 プールも似たようなものでしょう。必須かといえばもちろん不要だけど、隣のマンションにはなくても自分のとこにはありますで、”差別化”のキーになっているもの。上の例であれば、年1戸あたり1.5万円の赤字がでているからといってあっさり廃止するわけにもいかない。 不動産広告でも、ほーらこんなプールが利用できますよで必ず写真がでてきますから、プールとかなくしちゃったらしいよとなれば、マンションの値段が総額で年に3000万×年数程度は簡単に下がっちゃうでしょう。
 
 赤字だとはわかっていても、”皆が利用可能” で、”マンション間の差別化のポイント”となっているとなると以外に反対はでてきにくいわけです。
 実際、プール付き湾岸タワーのオーナーには、マンションのプールが25mちゃんと長さがあるか?とか何レーンあるかとかの、「微妙な差?」に詳しい人も多い。マンションというか、不動産一般は、「ちょっとだけいいものをとっても高い価値があるように錯覚させて高い差額で買わせる」ってのが基本で、これはまぁ当然ともいえる。
 
 
さて。。。
   ミニショップやプールは誰でも使える”気がする”

 
 
 実際にどんな頻度で利用されるかどうかは本当はとても大事なんだけど、
いつでも使えるって”雰囲気”のほうが大事で、実際に利用実績があるか
どうかというのは実際にはほとんど住民意見には影響は与えない。


 なので時間短縮とか”使えない”時間ができるほうにはかなりの反発がきます。
うちの例でいうとミニショップは午前中あけでも客はこないから。。。と書くと、焼きたてパンが食えないではないか!とか。実際には朝にパンを買いに来る客などいなかったんですが... そんな時間別統計を1時間単位で示しても容易には納得されない。

 
 一方で、託児所は見た目では500戸とかあっても、10人程度しか恩恵を受けていないので、なんで10人のために残り490人がお金を払わんといかんのじゃ??という意見が噴出してきやすい。
 
 ”わずか10人だけが200万とかの恩恵を受けることができます” 
を全面に打ち出して、さて「新規に誘致しますか?」と聞いたのでは普通は絶対に通らないでしょう。であれば、組合が維持すべきものには非ずと考えるのがまぁ合理的判断だと考える理事会が多いかなぁ・・・
 
 本当は2歳以下の保育園の待機の問題はとってもシリアスだから、女性が出産後社会復帰できるかどうかで、いざとなれば同じマンションの中の託児所が利用できるかどうかがマンション住民優先で選択できるというのは大きな安心になる。
 今いっぱいまで埋まっているかどうかが問題なのではなくて、いわば”保険”みたいなものですから、むしろちょっと赤字でもいつも満員ではなくて”いつでも入れる”が無認可園なら重要でしょう。もともと認可園に空きがあれば、いかに自分のマンションに空きがあったってずっと託児所に預けたままにする親っていませんから。逆に託児所は定員いっぱい埋まっているのではなく、いつでも入れる空きがあるほうに実際には意味があるんですけどねぇ。
 
 ファミリー用マンションの中古の仲介物件を探している人から見れば、えいっと決める上での大きなポイントになってくる可能性が結構ある。案外1戸あたり年4000円の負担よりは、中古価格の維持というか、資産価値保全には効いているかもしれない。
 5期目まであったのなら、そこの理事会さんには極力残すように努力はしてみてほしいかなと、娘をずーっと保育園⇒学童保育に通わせてた私としては思うんですよねぇ。。。
 
 管理費のなかから払われていると、多額の負担でも感じなくなるってのは、税金をいったんとられたあとであれば実は莫大な補助が保育園にでているから成り立つんだってのと同じなんですよね... そのあたりの構図が”マンション管理”ってのと同じかな。
このあたりでもうちょっとだけ続く。
 
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