むかし西荻にいた | 青山勝、劇団道学先生のブログ

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Jr.5の公演「徒然アルツハイマー」の稽古が始まっている。

きのうの稽古場は西荻窪。

30年前住んでいたアパートのすぐ近くだった。

ちょっと説明が難しい変なアパートは今でもところどころ改装を加えて残っていた。

二階の中廊下の両側に向かい合わせにズラッと部屋が並んでいる。中廊下をつき抜けて忍者のように外壁に身体を沿わせて行くと外壁の一部がアルミサッシになっていて、そこを開けるとぼくの部屋。

そこに部屋があるとは誰もわからない、忍者屋敷の隠し部屋のような住みかだった。間違いないなく違法建築。だって外壁沿いに扉に向かう通路は丸太ん棒一本で支えられた薄い鉄板。歩くとペコペコおとがした。手すりは申し訳程度の細い針金みたいなもんで、よく飲んべえのぼくが落っこちることなく二年も住んでいたと思う。

面白がってずいぶん人が出入りした。なにしろ鍵などないので、勝手に出入りできる。夜中に帰ると誰かが寝ているなんてことがよくあった。鉢合わせした女の子同士が仲良く飲んでいるなんてこともあった。ぼくは二人がかりで叱られた。

ついきのうのことのように記憶は鮮やかだが、当時は生まれてもいなかった人たちと稽古していると、きのうのことでもないんだな、と思う。