私は北条早雲(ほうじょうそううん)の子・幻庵(げんあん)です。
(早雲は最初は伊勢新九郎盛時(いせしんくろうもりとき)と名乗っています。)
盛時は伊豆国を密かに探り、駿河国の興国寺城(こうこくじじょう)に戻りました。
戻った盛時はすぐさま堀越公方・茶々丸(ちゃちゃまる)様を討つための兵を集め出しました。
集まってきた兵の中には小鹿範満(おしかのりみつ)を討伐した時に参加した兵もいました。
そして「伊勢の誓い」の6人の1人で範満討伐にも参加した荒川又次郎(あらかわまたじろう)も来ていたのです。
又次郎「盛時殿!また参加致す!」
盛時「おぉ!またまた来て頂いて、かたじけない。大暴れしてくだされ!」
さらには今川館にいる今川氏親(いまがわうじちか)殿に援軍を求めたのです。
氏親殿は盛時のおかげで今川氏の家督を継げた恩があり快く兵を送ってきました。
盛時は集まってきた200の兵と氏親殿からの援軍300の兵、合計500の兵を得ました。
そして盛時はもう1つ待っているものがありましたが、それを持って忍びの新次郎(しんじろう)が戻ってきました。
新次郎「盛時様、もらってきたよ。これだね。」
新次郎が出したのは書状でした。
盛時「これを待っていた。新次郎、大儀であった。」
それは京の新たな将軍になる清晃(せいこう)様からでした。
清晃さんは茶々丸さんの異母弟で明応の政変で将軍に担ぎ上げられたんだ。
清晃様からの書状には、
「我が母を害した茶々丸を討て!」との内容だったのです。
盛時はこれで茶々丸様を討つ大義名分を得たのです。
しかし、盛時の心の内では
「京を頼るのはこれで最後だ…。」
そして盛時は兵500を駿河国の清水浦(現在の清水港)から船10艘に分けて出港したのです。
目指すは伊豆国でした…。
つづく…
次回をお楽しみに〜