理由はもう定かではないが、小学2年生の時に初めて遅刻をした。
学校までいくらか距離があったので、道草食いながらとろとろ歩いていたんだと思う。
いつものように教室のドアを開けると朝の会の真っ最中だった。
だから遅刻と言っても時間にすればほんの数分のことだったんだと思う。
当時の担任の先生にどえらい叱られ方をした。と自分では記憶している。
それから義務教育が終わる中学3年まで、僕は学校に真面目に行かなくなってしまった。
勿論毎日という訳ではなかったような気がするが（毎日かもしれない）
基本的には10時くらい。だから2時間目くらいかな。
酷い時は給食の時間とかに登校をしていた。
共働きの両親が家を出るまでテキトーに外で時間を潰し、二人が仕事へ出ると家へ戻ってテレビを観たりゲームをしたり。
それでもなんとなくの罪悪感からなのか、こんな自分を慕ってくれる友達に会いに行くためだったのか、学校へは行っていた。
行っていただけだったけれど。
別に僕を叱った担任が悪いだなんて思わない。
遅刻をした。悪いことをした。だから僕は怒られた。
それだけだ。
それだけなんだけれどその時の僕にはなんだか酷く辛かったのかもしれない。
激しく罵られたような記憶がある。
心が冷たくなっていく感覚はきっと、あの時初めて感じたんだろうな。
そんなふうに被害者ぶって自分の怠慢に理由を付けていただけかもしれない。
なんにせよもうあんまり記憶は定かではないし今はもう遅刻なんてしなくなったけれど（ごめん人よりはするかもしれない）
あの日から僕の学生生活はなんとなく傾いて行ったような気がしている。
別に彼を恨んでいるわけではない。
ただ、なんとなく。
キッカケとか転機ってのは不意に。無自覚に。
誰も予期せぬところで訪れたりするんだよな、と。
それだけだ。
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