こんにちは。本日は、お待ちかねの『Smile Girls 代表 菫さん』のケースの続きです。

おさらい。

子宮頸癌 再再発  stageⅣ
多発リンパ節転移 (骨盤 両側縦隔 両側肺門 左鎖骨上窩) 
肝転移(多発)

手術→補助化学療法→再発(傍大動脈リンパ節転移)→腹部および骨盤部CCRT→再再発多発リンパ節転移(両側肺門・縦隔リンパ節、右総腸骨リンパ節、左鎖骨上窩)という経過で来院。 
私の下での治療中に、多発肝転移 骨盤内リンパ節転移再発(1か所)してきました。

左鎖骨上窩リンパ節転移があり、多発肺転移の直前、もしくはすでに転移しているかもしれないといいうことで、全身化学療法(抗がん剤)を開始したというところまでお話ししました。

全身化学療法(シスプラチン+タキソテール:CDDP+DTX)はminorresponse、50%までは縮小していないものの縮小はしていました。シスプラチンの副作用を最小限に抑えるために分割投与しています。
分割投与については改めて紹介します。

この結果をどう解釈するか。。。
①(見えないだけの)肺転移はある程度コントロールできた可能性がある
② 全身療法では根治は望めない(これは想定通り)
③ CDDP+DTXはは効果がある

次に実施したのは 肺転移の次に問題となる両側縦隔肺門・左鎖骨上窩リンパ節に対する動注塞栓療法。CDDP+DTXを含む抗がん剤を使って実施して頂きました。
動注塞栓療法についても、また、改めて記載しますが、全身療法に比べてはるかに大きな効果が見込まれ、時として消失(CRcomplete response)します。
動注塞栓療法は 実施医療機関によりますが、菫さんが受けた動注塞栓療法は使用する抗がん剤の量が少ないため、全身療法のようなひどい副作用はでませんでした。

しかし、残念ながら動注塞栓療法は効果はあったものの縮小程度で期待していた完全制御(CR)には至りませんでした。

縦隔・肺門リンパ節転移の治療については、こうなると物理的な局所療法。
つまり(化学)放射線療法あるいは手術ということになります。しかし、両側の縦隔、あるいは肺門にリンパ節転移がある場合は、照射による放射線肺炎のリスクが高く、一般的には適応になりません。


ということで、ここで、鬼の決断をせざるを得ませんでした。

両側手術。。。

執刀医の先生からは 「本当にいいのかな」という言葉を何度も聞き、私の心もそのたびに揺れました。
何度も何度も自問自答し決断しました。

助けるためにはこれしかない。。。
菫さんは私の提案を何のためらいもなく受け入れてくれました。

菫さんは、私の心を強くしてくれました。責任をすべてとるという決意が新たにわいてきました。

「必ず治す」と

そして、この決断が結果として根治の最大の決め手となりました。

すべての勝因。それは、あの時、菫さんが私を信じてついてきてくれたことでした。


結果にコミット。これはプロとして当たり前のことです。

本当のコミットというのは、言葉に出すものではありません。言葉に表すのが難しいものです。

もし言葉にするとしたら、「背負う」という言葉なのだと思います。

菫さん 重かった~~~!!

潰れそうなのをまったく気が付かないでニコニコしている菫さん。。。


大阪弁?でいうと『ほんまに大変な患者さんどした~』


                                    
  つづく




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