『星の王子さま』を久しぶりに読みました。
砂漠に不時着した飛行機乗りが、
他の星からやってきた小さな王子様に出会う物語です。
飛行機を直す飛行機乗りの隣で、
王子様が自分や他の星の話などをしてくれます。
そのお話が、教訓に富んでいて、
「人を支配したいけど星に一人しか住んでない王様」「現実から逃げている呑み助」「地図ばかり見て実際の場所に行かない地理学者」など、星の王子様からみたら不思議な人ばかりです。
やがて飛行機の修理が終わる日に
王子様が「今夜、自分の星に帰る」と言います。
別れを悲しむ飛行機乗りに、王子様はこう言います。
「ぼくは、あの星の中の一つに住むんだ。
その一つの星の中で笑うんだ。
だからきみが夜、星を眺めたら、
星がみんな笑っているように見えるだろう。」
「そうしてきみは、悲しくなくなったら、
ぼくと知り合ってよかったと思うよ。
きみはどんなときにも僕の友達なんだから」と。
これからずっと会えなくなるからといって
何もかもがなくなるわけではなく、
この星の中に友達の星があると思って眺めるだけで、
どの星も、眺めるのが好きになる。
星がみんな、自分の友達になる。
・・そんなふうに王子様は飛行機乗りを諭します。
最後の瞬間、王子様は毒蛇にかまれます。
「僕の星は遠すぎる。重すぎるから、
ぼく、この体を持っていけないの。」
「死んだようにみえるけど、
そうじゃないから悲しまないで」と言い残して。
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「この体を持っては元の場所に帰れない」
それは地球に住む私たちも同じだなと思いました。
そして
「一つを愛することで、全部が手に入る。」
とは、なんて素敵な考え方なのでしょう。
わたしも同じように
子どもを持ち愛すると、
我が子ではない子ども達を見ても
同じように愛する気持ちが芽生える。
一つの小さな命を抱いたとき、
地球すべての小さな命の未来を思うようになる。
それは、
一つを愛することは、その他の全部も愛する、
ということであり、
この世に生きて、
誰かを愛したり傷ついたりするだけで、
誰かにすべてをあげている、
ということになるのではないかな、と思ったのです。
愛することも、愛されることもまた、
相手に愛の全てをあげている、ということ。
サン=テグジュペリが戦場に向かう前に残した
妻への最後の言葉は
「置いてかなきゃならない宝物を持っていることを
天に感謝したいくらいだ」
星の王子様の中のバラは妻に喩えていると言われています。
『大切なものは目に見えない。
きみがバラをかけがえのないものにしたのは、
きみが、バラのために費やした時間だったんだ』
形なきものに価値はある。
費やした時間も、愛情も、思いやりも。
その自分にとって大切なものを大切にするために、
人はいきているのではないかな、と思いました。
今日も素敵な1日を★