母と一泊旅行に出かけた。
歳をとったなと思う。
あとどれくらい、こうして旅に出かけられるだろうか。
母とは少々確執があり、きれいさっぱり取り除かれたわけではないが、母なりに努力し私なりに受け入れ、他の家族の協力のお陰でなんとか穏やかな関係が保たれている。
帰りに長いトンネルを進んでいたら、まるでタイムマシンに乗っているような気持ちになった。
トンネルの光の中、母と過ごした日々を思い出す。
そして ようやくと出口が見えた時、たいがいのことはいつか何とかなるもんだなと思えた。
思い描いた通りではなくても、出口は必ず来る。
そして 結局はこれで良かったのかもしれないと思えたりもする。
次は、どこへ行こうか?
そっと母の耳に顔を寄せ尋ねた。