見送りの後で | 本の世界の迷子です

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味わいのあるマンガ    ★★★


見送りの後で (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)/樹村 みのり

¥609

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このマンガは、なかなか味わい深い。

読んでみておどろいた。


私は、マンガに詳しくないので

この本は、朝日新聞の書評コーナーのコミックガイドの欄で見つけて買った。


表題作の「見送りの後で」は、

老いた母の死、そして葬式の様子が描かれる。

年取った母と過ごした日々、

子どもの頃の母の思い出、姉妹の思い出、

そして、自分と娘の生活がこれからも続いていく様子が

ただ淡々と綴られている。


「わたしの生活のそこかしこに母が生きている」

「だから母に会えないのは悲しいけど、寂しくはない」


丁寧な絵で、だれもが味わうような悲哀がさりげなく描かれている。




この作者、樹村みのりの名を私は全然知らなかった。


ウィキペディア(Wikipedia) によると、

1964年 、14歳にて『ピクニック』(集英社 『りぼん 』春の増刊)でデビュー。

以後、夏休みや春休みごとに執筆する学生作家として

1960年代から1970年代にかけて 『COM 』『りぼんコミック』で作品を発表。


アウシュビッツ、ベトナム、リオデジャネイロの 貧民街などを舞台にしたり、

普通の女の子の病気の一日を扱いながら

登場人物たちの心の襞(ひだ)を 緻密に描く作風により、

マイナーながらもいわゆる24年組 の一人に数えられる。


大学卒業後、執筆を一時中断するが

1974年 小学館 「別冊少女コミック」で『贈り物』で復帰、

小学生時代のエピソードを描きながら全共闘 運動を暗喩として物語って注目される。

その後、少女と4人の下宿女子大生の交流を描いた『菜の花畑のこちら側』で好評を得て、

以後講談社 、秋田書店 等の少女誌や青年誌、

またレディース誌などで幅広い執筆活動を行う。

とあった。

「見送りの後で」の他に


●星に住む人々

●風のささやき

●また明日、ネ

●柿の木のある風景


が収められている。