⬆️このお話の続き




その恐ろしいできごとは、真夜中に起こった。



三男はまだ生まれて2ヶ月くらいだったと思う。



広島の美鈴ヶ丘はよく雪が降った。



その日もとても寒い日だった。



いつものように、三男と一緒の布団に寝ていた。



全く理由は分からないのだが、わたしは突然目を覚ました。



なんか物音がしたわけではない。



ただ目が開いた。



その瞬間、凍りつきそうになった。



隣で寝ていた三男が目を白黒させている。



わたしは必死で三男の背中をトントン叩いた。



三男はようやく呼吸し始めた。



あのとき、わたしの目を開けてくださったのは神さまだと分かった。



三男の枕元で、感謝の祈りをしながら、涙があふれた。




そして、ようやく翌年の2月に神戸に引っ越した。



広島で過ごしたのはわずか7ヶ月。



その間、どれほどのことがあったのだろう‥




ご近所さんに引っ越すことをお伝えして「短い間でしたがありがとうございました」とお伝えした。



そのときに、「赤ちゃんが生まれることを楽しみにしていましたよ」とか「ケンちゃんといつもおしゃべりして楽しかった」とか「寂しくなります」と皆さん、おっしゃってくださった。




「静かにしてください」とおっしゃった方以外の方々は温かく見守ってくださっていたのが、そのときに分かった。




続く




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