以前カウンセリングにいらした30代の独身女性Fさん。
とにかく、なんでも気になって仕方が無いのです。
・友だちの持ち物からお化粧の仕方。
・自分が発した言葉が適切だったかどうか。
・取引先へ送ったメールの内容が失礼ではなかったかどうか。
・人からかけられた言葉の裏には別の真意があるのでは？
何から何まで気になってしまい、気持ちが休まるヒマがないのだとか。
それはそうでしょうね。
朝から晩まで、そんなに色々と気になってしまったら、安らかな心、平和な生活とは、程遠くなってしまうことでしょう。
「気にしないようにしよう。もうやめよう。
そう思うのですけど、気になって仕方がないのです。」
あ、それですね、それ。
「気にしないようにしよう。考えないようにしよう。」
そう思うからなんですね。
私たちは「考えないようにしよう。」と思えば思うほど、そのことが頭から離れなくなってしまう、厄介な動物なんです。
女性なら多くの人が経験あるであろう「ダイエット」。
甘いもの・炭水化物は食べない。
一口でも食べちゃダメ。食べたら痩せられない。太る。
そう考えれば考えるほど、食べられないストレスが溜まって、そのことばかりを考えてしまう。
そんな経験はありませんか？
また、人の事が気になるということは、自分とその人を比較していることが多いですね。
そして、人から自分がどう見られているのか、も気になっています。
人から悪く思われたくないとか、良い人と思われたいとか。
そのため、言いたいことも言わず、たとえ言ったとしても後悔したり。
疲れますよね。
でも、こういう人は神経が細やかな人が多いのです。
それは長所でもありますよね。
誰彼構わず言いたいことを言いたいだけ言う人は、裏表がなくて良いでしょうが、人に不快感を与えることも多いかもしれません。
だから、「気になること」は悪いことではないのですが、そういう自分を客観的に見ることができるようになるといいですね。
あ、自分は今またこういうことを気にしてたんだな、とか、あの人と自分を比較していたんだな、とか。
「羨望」とは、あまり良い意味で使われない言葉かもしれませんが、そういう感情があることを自分自身であっさりと認めてしまった方が楽なのだと思います。
Fさんも、お話をするうちに、人の事を羨ましいとか、負けたくないとか、自分を認めてほしいとか、そういう気持ちが心の奥底にあることがわかってきました、とおっしゃいました。
楽しみ・嫌気・悲しみ・恐れ・怒り
人間の基本感情です。
ここからさらに、様々な感情が派生していきます。
誰もがもつ感情に良いも悪いもないのですよね。
けれどそれを見ないふりをしたり、そういう気持ちを持つ自分を卑下したりすると、自分はダメだと思い込み、ますます人と自分を比較することにつながってしまうのです。
だから、今自分は何を感じているのか、を客観的に見ることができれば、自分を否定する必要もなくなるのです。
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