2011年福島県の子どもの病死者数の増加について【がん・白血病は微増、心疾患は2倍】 | 福島原発事故★自主避難者として生きる

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福島原発事故の原因や汚染の現状、放射能や放射線の健康被害や影響。避難は必要か?など福島原発事故を判断する材料になる資料を集めました。

「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の代表、中手聖一さんが2012年5月14日に発表されたレポート「福島県の子ども」の病死者数について が注目されています。詳細は、リンクをクリックしていただけると読めます。


以下は、レポートなかで個人的に注目した部分の抜粋①②と、私見です。


【レポートを読む前に】


レポートのなかで中手聖一さん自身も書かれていますが、子どもの病死はもともと少ないのでグラフの縦軸(各、左上)の人数を見ても、多くて30人くらいです。ですから、福島県に今お子様と一緒に住んでいるとしても、パニックになる必要はありません。以下の私が抜粋した部分でも「微増」や「2倍」という表現が使われていますが、もともとの人数が少ないので1人増えるだけで比率はけっこう上昇する。それを前提にして、見ていただければと思います。


【①2011年福島県の子どもの病死者数の月別グラフと前年比】

が2010年、が2011年です。

(画像をクリックすると拡大します)
福島県からの★自主避難者として生きる-2011年福島県子供の病死者数の月別グラフ
・レポートより抜粋      

7月以降の病死者数に大きな変化が現れています。通常、病死者は冬春に多く、夏秋は少ない傾向が全国的にあります。これは大人も子どもも同じです。しかし、2011 年は夏秋の病死者数が多く、ほぼ直線的に累計数が増加しています。』


・私見

東日本大震災後、5ヶ月目から増えていますので、東日本大震災が直接の原因ではないと思われます。心配なのは、月を追うごとにだんだんと2010年と2011年の差が大きくなっています。7月の差が5人程度だったのに対して、11月は10人程度まで拡大しています。



【②2011年福島県子供の病死者数の死因別グラフと前年比】

が2010年、が2011年です。

左から『癌・白血病』、『心疾患』、『感染症』、『肺炎』、『その他』の5項目。

(画像をクリックすると拡大します)
福島県からの★自主避難者として生きる-2011年福島県子供の病死者数の死因別グラフ

・レポートより抜粋

『亡くなった子どもたちの数を、死因別にまとめたものが、上のグラフです。「心疾患」による死亡数が2倍に増えています(先天性の心臓障がいを患っていた子どもが、心疾患でなくなった場合も含まれます)。これも他の被災県にはないことです。「感染症」「癌・白血病」「肺炎」も増えています。このグラフは参考程度にしかならないものですが、昨夏からの増加と考え合わせ、ご報告することにしました。』


・私見

がん・白血病は微増、心疾患は2倍です。といっても、がん・白血病は2人、心疾患は4人増加しただけですから心配しすぎる必要はありません。福島県の未成年者数は、2012年5月1日現在、358,013人(福島県の年齢別人口の19歳以下の合計人数より)もいますので。


かといって福島県内は、子供達にとって安全だと言ってるわけでもないです。前回の記事の嚢胞の有無 を読んでいただいてもわかるとおり、異常は現実に起こってしまっているからです。


なぜこのグラフをピックアップしたかというと、2011年からこのブログで書いてきた、がん・白血病や心疾患の増加について、統計的に確認できる資料だったからです。