沖縄の宗教観 | 英語とエイサーとベリーダンスで世界の架け橋に★沖縄出身福井在住MIRIKAのいちゃりばちょ~で~ブログ★

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英語・エイサー&沖縄民謡・ベリーダンス&フォークロアを通して世界を繋ぐ架け橋になるべく熱い魂(マブイ)を持って活動。「一度会えば皆きょうだい」という意味の沖縄のことわざです。


書く書くと言っておいて書いていない記事がある事に今気付きました・・・ショック!

沖縄の宗教観(2013/7/18)

アップこちらは、随分前に書いたもの。

そして、

Mysterious World of Ryukyuan Religion 沖縄の宗教観①

アップこちらが、「続きはまた」とか言って、続きを書いてないものwww

という訳で、もうね、続きとか書いちゃうと、また忘れるので、今日は、いっきに書きます!

私がtsunaguJapanで書いた記事

Mysterious World of Ryukyuan Religion

の日本語訳となります。




沖縄の宗教観について

沖縄の主な宗教は、「琉球神道」と「琉球仏教」。

実を言うと、自分達の宗教をこの様に呼ぶのは、私にとっては、少し違和感があります。

沖縄の人は、自分達の宗教を名前で呼びません。ほとんどの人が、琉球神道と琉球仏教の信者ですが、祈るために、経を上げるためにお、寺や神社に行く訳ではないので、それが神道である事、仏教である事すら、気が付いていないと思います。




琉球神道

琉球神道では、沖縄の自然界の神々を祀っています。そして、琉球神道では、神に仕えるのは女性の仕事であり、男性は神事を執り行う事は出来ません。

最も重要は神は、火の神様と水の神様で、もちろん他の神様も存在します。



ヒヌカン




ヒヌカンは、火の神様であり、通常、各家庭の台所に祀られています。ヒヌカンは火の神様であり、家庭、家族の灯火の守り神でもあります。

ヒヌカンには、酒、塩、米、そして、お供え用の植物(沖縄では「チャーギ」という植物をお供えするのが一般的、花はNG)をお供えし、毎日、家族の健康と安全を祈ります。

ヒヌカンは、沖縄の神々の中で最も重要な神であり、正しく祀らなければなりません。
火は、生きていく上で、なくてはならないものです。
食事を作ったり、お湯を沸かしてお風呂に入ったり、そして、電気がなかった時代は、家々の明かりも、火だったのです。

ヒヌカンは、飲食店でも祀られます。飲食店では、毎日沢山の人々に食事を提供するからです。ヒヌカンを祀り、良くない事故がない様にと祈るのです。



カー



沖縄では、あちこちに、「カー」と呼ばれる湧水があります。
現在では、水道のお陰で、カーで水を汲んで生活に使うという事はなくなりましたが、それでも、カーは、私達にとって、とても重要な場所として、今でも大切にされています。

カーは、水の神様を祀る場所です。
カーに行くと、誰かがあげた線香を発見する事もあるかもしれません。

沖縄では、水はとても重要です。
沖縄には、大きな川や湖がないため、昔は、よく水不足に悩まされたものでした。
今では、ダムができ、水道が整備され、そこまで深刻な水不足はなくなりましたが、そういう訳で、水があまり豊富ではなかった時代に、私達のご先祖様は、水を神として祀ったのですね。

また、水は、神事に欠かせない、神聖なものです(日本の神道でも、水は神聖ものですね)。

実は、私は、子どもの頃、祖父母の家の裏のカーで、よく遊んでいたのですが、誰にも注意をされた事はありません。写真のカーは、私がよく遊んでいたカーです。
沖縄の神様は、子どもに優しいのかもしれませんね♪



ウタキ



斎場御嶽(セーファウタキ)YouTube

ウタキは神聖な場所であり、森や村の外れにある事が多いです。
ウタキでは大きな神事が執り行われるのですが、女性しか行く事が許されていません。

最も有名なウタキは「斎場御嶽   (セーファウタキ)」です(写真&動画参照)。
セーファウタキは、久高島が見える場所にあり、久高島は、琉球神道でとても重要な神聖な場所のひとつとされています。





琉球仏教

琉球仏教では、釈迦を奉る事はなく、仏像もありません。琉球仏教で奉るのは、ご先祖様方のみです。
仏教と呼んでも良いのか、正直私には分かりませんが、一応「琉球仏教」と呼ばれています。

ちなみに、沖縄の人は、「琉球仏教」なんて言葉を使いません。
私がこの言葉を学んだのは、高校生の時、カリフォルニアに短期留学する前でした。
自分の宗教について聞かれるかもしれないと思い、どう説明しようか調べた時に、初めて学びました。

ご先祖様方に手を合わせるという行為は、私達の日常生活の一部となっています。
家を掃除するのと同じ位日常的な事です。



仏壇(トートーメー)

IMG_20150921_183521961.jpg
私、夫、息子、オジーの後ろに仏壇があります




仏壇(沖縄の方言ではトートーメー)は、先祖信仰では最も重要なものでしょう。
沖縄では、仏壇に仏像などを奉る事は、まずありません。あくまで、亡くなった家族、ご先祖様方のみを奉ります。

沖縄の仏壇は、まるでタンスかクローゼットかの様になっている事が多いです。
線香、食べ物、酒などをお供えし、また、亡くなった家族の思い出の品を供える事もあります。

日本本土では、法事の際には、僧侶の方をお招きし、お経を上げてもらったりしますが、沖縄では、そういう事はありません。
私達は、仏壇にお経を上げるのではなく、仏壇に奉られている家族に「話しかける」のです。

例えば、
「おはようオジー。今日はテストがあるよ。頑張るから見守っていてね!」
「オバー、今日オバーの孫の〇〇が内地から沖縄に帰ってくるよ。旅の安全を願おうね!」
「ご先祖様方、今日も一日、無事に過ごす事が出来ました。私達を見守っていて下さりありがとうございます。良い一日でした。それでは、おやすみなさい。」
などなど・・・

こうやって、仏壇に、話しかけるのです。

もし誰かが不運続きだったりすると、沖縄の人は、「ウガンブスク」と言います。
「ウガンブスク」は、「拝み不足」、つまり、仏壇に手を合わせ足りない、という意味です。



清明(シーミー)



オバァ列伝 清明(シーミー)YouTube
 
**このYouTube動画、「オバァ列伝」というお笑い番組シリーズの1つです。シーミーの事が学べるだけでなく、面白いので、是非見て下さい♪

清明(シーミー)は、旧暦の三月清明節(新暦の4月4日または5日頃)、春分の日から数えて15日目に行われます。*近年は、シーミーの日ではなく、シーミーが過ぎてから、週末など、1か月以内位で家族で集まれる日にする事も多いです。

シーミーの日には、家族、親族が集まり、お墓を掃除し、ご馳走をお供えし、手を合わせた後、お墓の前でご馳走を食べます。
沖縄のお墓は大きく、大勢が集まっても十分座れるスペースがあります。
お墓の前でみなで楽しくご馳走を食べるので、ピクニックの様に見えるかと思います。

シーミーの時には、ご馳走をお供えし、ご先祖様を一緒に食べる食べるだけでなく、あの世のご先祖様方にお金を送ります。
「ウチカビ」と呼ばれる、あの世のお金を燃やし、ご先祖様方があの世でお金に困らないようにします。

コレがウチカビ。



エイサー

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エイサーは沖縄の民俗芸能の1つです。
演奏する人は「地方(ジカタ)」または「地謡(ジウティー)」と呼ばれ、三線を弾き、唄を歌います。
それに合わせて、太鼓を打ち鳴らしながら踊るものが、「エイサー」です。また、太鼓を叩かず、手で踊る「手踊り」の踊り子達も、エイサー隊と一緒に踊ります。

沖縄では、旧盆が、エイサーをしている人達にとって、一番重要な行事となります。
近年、エイサーは、エンターテイメントとしても花開き、一年を通して踊られていますが、それでも、旧盆の時期は、一番大切です。

旧盆の最初の日は、ご先祖様方をお迎えするためにエイサーをし、旧盆の最後の日には、ご先祖様方をお送りするためにエイサーをします。

エイサーをしない人達も、エイサーを毎年とても楽しみにしています。
ご先祖様方とエイサーを楽しみ、喜びを分かち合うのです。






沖縄の人々は、(一般的な日本人と比べると)かなり信仰が厚い方だと思います。ここに書いたことは沖縄の人達にとってごく当たり前の事です。
沖縄に行って、もしこれらの神事、行事を見る機会があれば、是非見てみて下さいね!