本日2回目の更新です。

 

3月8日(金)、山陽新幹線で起こった人身事故の影響で、乱れに乱れた新幹線のダイヤ。

必死のパッチで東京に辿り着き、星組公演の開演に間に合ったことは、このブログでご報告しておりました。

 

 

いつもはその日のうちにアップする感想ですが、今回は疲労困憊したのと、

翌日(昨日)が人間ドックでバタバタしたため、ずいぶん時間が経ってしまいました。

いつもより落ち着いて感想を書けそうです。

 

まず『RRR』の正確なタイトルは『RRR✖️TAKARAZUKA ルートビーム』。

「ルートビーム」は、ルート記号の中にBheemという文字が入っており、ここでは再現できません。

 

2022年のインド映画が原作なのだそう。

私はインド映画をちゃんと見たことがないのですが、踊るらしいですね。

とりわけ『RRR』のダンスはすごいのだと、それだけしか予備知識がないまま客席につきました。

せっかくチケットを入手していた宝塚大劇場公演の1月5日11時公演が無くなってしまったショックで、公式YouTubeチャンネルも見ていなかったのですよ。

 

ここでちょっと見てみましょうか。

 

権利関係の問題か、『RRR』の映像はほんのちょっぴりしかないですね。

その分、『ヴィオレトピア』は結構なボリュームで紹介されております。

だいたいの雰囲気がつかめたところで、私の個人的感想にお付き合いください。

 

基本的に芸名には敬称略で失礼致します。

 

  RRR

 

衣装が良い

舞台背景が1920年、イギリス統治時代のインドということで、

インドの民族衣装と、イギリス上流階級の衣装、そして軍服(警察官服)、

個性が豊かで見栄えがする衣装の数々に目が喜びました。

 

トップスターと二番手男役を軸としたストーリーが良い

『RRR』を大まかに説明すると、人を人とも思わないイギリス人インド総督の圧政を

覆そうとする二人の男性を軸に、恋と友情を描いた物語。

 

宝塚歌劇では通常「恋」をメインにした作品が多いし、私も普段はそこを期待します。

でも『RRR』は「友情」や人間同士の「共闘」に重きを置いており、

トップスターとトップ娘役の関係性よりも、

トップスターと二番手の関係の方が色こく描かれております。

 

礼真琴と暁千星は歌、お芝居、ダンス、どれをとってもほぼ互角で、

二人が友情を育む様子が微笑ましければ微笑ましいだけ、

もしかしたら裏切ってしまうのかと思わせるハラハラ感も増し、見応えがありました。

 

このように、トップスターと二番手男役が、まるで互いが相手役のようなお芝居は、

大昔、私が子どもの頃に観た雪組 汀夏子と麻実れいを思わせるものがあり、

もなかなか良いものだなと思いました。

 

ダンス最高

インド映画は踊る、踊る、とにかく踊ると聞いております。

特に『RRR』では、「ナートゥ」というインドの伝統的なダンスが圧巻だと聞いておりました。

私はてっきり、ラスト近くに「ナートゥ」があるのだと思い込んでいたのですが、

「ナートゥをご存知か?」の場面は、中詰にあるのでした。

 

膝を痛めそうな独特なステップ、体幹がしっかりしていないとヨロヨロしそう。

以前、星組『ディミトリ 〜曙光に散る、紫の花〜』でジョージアンダンス部門の

振り付けを担当されたノグチマサフミさんにインタビューさせていただいた時、

「星組にはすごい身体能力の方がたくさんおられた」とおっしゃっていたことを

思い出しましたよ。

  ↓

 

 

 

とにかく、圧巻の激しいダンスシーンが中詰で、ラストにそれ以上の見せ場があるなんて、

なんて贅沢なんだろうと思いました。

 

 

 

ヒゲ最高

ヒゲ部の私としては、暁千星のヒゲがたまらん!!

丸顔で童顔気味だと思っていたけれど、すっかり貫禄が出て、

軍服とも相まって男らしいったらありゃしない。

素敵〜

 

客席降り嬉しい

ショーもですが、ふんだんに客席降りがあり、嬉しくてたまりません。

でも私の席はブロックの真ん中あたり。

かえすがえす、公演中止となった宝塚大劇場公演の通路側の席が惜しく感じましたわ。

(しつこい)

 

目が足りない

戦闘シーン、群舞のシーンなど、舞台の端から端まで人物がいて、

上級生から下級生まで、みんなそれぞれの役を生ききっているのを見ると、

目がいくつあっても足りないのでした。

舞台の隅々にまで見所がある、谷貴也先生の演出が最高でした。

 

 

  個々人の感想(順不同)

●礼真琴:ビーム

部族の守護者と呼ばれ、彼に任せればどんな苦難も乗り越えられると信じられている人。

すごく頼られているし、超人的な体力を持っているのだけど、純情なところがあって、

お世話になった人に「兄貴と言っていい?」なんて甘えているのが可愛い。

そう、ビームって可愛いのです。

鬼のようなイギリス人インド総督の姪っ子が、

見た目が可愛いだけではなく人柄も良いことを知り、

淡い恋に落ちても、愛の告白などできずじまい。

最後は彼女をエスコートしている婚約者(極美慎)のこともニコニコ見守ったりして、

人がいいにも程がある。

超人的に強いのに中身が純情っていう役どころが とってもハマっていて良かったです。

可愛かった。

そしてナートゥダンスはやっぱりすごかった。さすが!

 

●暁千星:ラーマ

インド人でありながら、イギリス警察に務める男。

同僚のイギリス人に蔑まれながら、出世を望み、同胞であるビームを捉えようとする。

単なる敵役かと思いきや、ラーマには深い思いがあるのです。

大いなる目的を達成するために、敵であるイギリス警察の中に身を置いている、

訳ありな人物。しかも故郷には恋人を残しており、彼女は彼を一途に信じている……

宝塚歌劇の二番手は美味しい役が多いですが、ラーマはその中でも相当良い役。

占領下で仲間を売るような役といえば、『ジャワの踊り子』のハジ・タムロンを連想し、

最後は悲劇なのかなと思ったけれど、そうではなかったのが嬉しい。

 

2013年に観た月組『THE MERRY WIDOW』で、ひよっこだったありちゃんが

こんな立派になって。

胸が熱くなりましたわ。

 

●舞空瞳:ジェニファー

イギリス人インド総督の姪っ子。

舞空さんには、どんな役にも変われる透明感があると思います。

可憐な容姿の中に、芯の強さを感じる娘役さんです。

 

●小桜ほのか:キャサリン(総督の妻)

淑女に見えていたのに、実はものすごくプライドが高くて嫌なところがあるオンナ。

それを軽々やってのける小桜さんの頼もしさよ。

歌のシーンがあるのだけれど、キャサリンは歌がうまいという設定なのか、

下手の横好きという設定なのか判断がつかず。

上手に歌ってはるように聞こえたので。

 

●極美慎:ジェイク(ジェニファーの婚約者)

最初は、嫌なイギリス人なのかと思いましたが、ただ単に狭い価値観の中で生きてきて、

多様性を認められないだけ。

基本的に良い人でした。

それが極美くんに似合っているように思いましたわ。

 

●稀惺かずと:ラッチュ

ビームの仲間。

囚われの身になり、拷問を受けるも仲間を売らないラッチュ。

目立つ役でした。

昨年までは頬のラインに幼さを感じましたが、良い感じに頬がシャープになり、凛々しい。

そして舞台顔がやっぱりお父様に似ている気がして、ラッチュの「アツさ」が

お父さん譲りに見えたのでした。

 

●詩ちづる:シータ(ラーマの幼馴染で恋人)

 シータは、ラーマが何のためにイギリス警察に就職したのか理解しており、

 彼を信じて待っています。

 このお芝居の中でラーマとシータが唯一宝塚歌劇らしい恋愛を演じており、

 やはりこういうテイストが必要よね、と思いました。

 私はオフの詩ちづるさんのお顔が大好きなんです。

 舞台化粧は、もしかしたらもっと改善の余地があるかも。(素人がすみません)

 

●天華えま:ペッダイヤ

この作品で卒業されるんですね。寂しい。

ショーではフィナーレのエトワールをつとめ、有終の美を飾っていました。

 

●碧海さりお:エドワード

 総督に仕えているヤなイギリス人。

 申し訳ないけど、私は碧海さんって悪人顔だと思うの。

 そういう意味ではぴったりの役かなと。

 面白かったのは、パーティでキャサリン(小桜ほのか)が歌う場面。

 キーンと高い音域になると顔をしかめたり、耳を覆ったり、

「うるさい、あーうるさい」とずっと小芝居をしていて、笑ってしまいました。

 この人、総督に仕えているけれど、本当は総督のことも総督夫人のことも好きじゃないんだろうなーと思いましたわ。

 

●美稀千種:部族の村長とSINGERRR男

Rが多いのは誤植ではなく、プログラム通りに表記しております。

良いお声で、歌詞がわかりやすい歌声に惚れ惚れ。

 

●白妙なつ

歌と風情がなんだか好き

 

●朝水りょう

1丁のライフルで部族を守った、ラーマのパパ。

子ども時代のラーマとシータを従えて、上手で芝居をするのですが、

私のお席からは朝水さんがよく見えて、もうめちゃくちゃかっこ良かったです。

 

 

  VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)

 劇場をテーマにしたレビュー。

 Violette(すみれ)の園 宝塚の110周年への想いを込めた指田珠子先生のデビュー作。

 

 紫と黒が基調になっており、しかも全体的に照明が暗く感じられ、私としてはもっと明るく溌剌としたショーが観たい気がしましたが、指田先生の「舞台」に対する深い思い入れは随所に感じることができました。

 指田先生がパンフレットに書かれた言葉

 

どうかこの場所がこの先も長く続ける場所になりますように

 

に、胸が熱くなります。

 

コロナ禍、そして昨年の秋以来、大きな波に打たれている宝塚歌劇。

本当に、本当に、本当に、この先も続く場所でありますように。

 

内容に関しましては、

ありちゃん(暁千星)の女役ダンスは予想ほどのインパクトはなく、

ごく自然に見えました。

 

一方で舞空瞳の男役風の場面、なんだか気持ち良さげに踊る

男まえな感じが良かったです。

 

途中ロックの場面で「ハイウェイスター」のイントロが流れてきて、

テンションが上がりました。

 

歌詞が日本語だったので、思わず「王様」を思い出してしまい

心の中で「おいら〜高速道路の星〜🎵」と歌ってしまいました。

 

王様ってご存知ですか?

ロックの歌詞を全部直訳して歌っていた方です。

  ↓

 

 

脱線、失礼しました。

黒燕尾の場面、上手の端で踊る目力の強い影のあるハンサム下級生を発見しましたが、

芸名がわからなくて。

パンフレットを見ても判別できず。

ああ、私もヤキが回ったものです。

もうちょっと真面目に下級生を発掘しなくては。

 

フィナーレ、ありちゃん(暁千星)の羽がめちゃくちゃ豪華で、

きっと宝塚歌劇初心者さんは「トップスターきたー!!」って思うだろうナ。

もちろん こっちゃん(礼真琴)の羽は より一層豪華、まさに孔雀なのですけどね。

 

 

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