ペン街(ぺんまち)と称された湯河原温泉の旧特飲街泉地区。
カストリ出版代表渡辺氏より「ペン街研究の一助に・・・・」と推奨頂いた資料を此度入手す。
神奈川県及び東京大学行政実態調査会が湯河原温泉の観光事業を調査した「箱根周辺地帯観光行政実態調査報告書 主として湯河原町について」。昭和二十九年三月に神奈川県が発行。
本調査報告書には「観光の現状」として、僅かな記載ではあるが当時の泉地区特殊飲食店に関して頁を割いている。
神奈川県と静岡県の境に位置する当地。本資料に添えられた表を引いてみると、湯河原町(神奈川県)の特飲店軒数六軒に対し、泉地区(静岡県)の店舗数は十八軒と凡そ四倍に及んでいる。亦、旅館と特飲店との比率に目を向けてみても、突出して泉地区特飲店軒数が旅館を上回っていることが分かる。
本資料及び同時代の企業名鑑の両者とを照合してみると、資料に記載されている通り、十八軒の特飲店が泉地区に「特殊喫茶」として登録されていた。
以下に名簿記載の屋号を列記してみる。屋号に「ペン街」を匂わす名称を付けている店が数軒ある点は実に興味深い。
新世界 泉
金ぺん 泉
一楽 泉
東京亭 泉
赤ぺん 泉
千鳥 泉
都 泉
白ぺん 泉
花月 泉
たつみ 泉
美春 泉
鶴乃家 泉
巴 泉
だるま 泉
開楽園 泉
桃源 泉
成駒家 泉
千成 泉