◆術後10日目
2013年5月の記録
教授回診なるものがあった…
白い巨塔とかドクターXみたいなヤツ
全員通路側のベッドのカーテンを全開にされ、教授登場までそのまま45分ほど待たされた
正面のベッドの人と目が合う形なので、この機会に色々おしゃべり…
してもしても、教授はなかなか来ないので話も尽きてしまう
それだけひっぱって登場した教授先生は…
私の執刀医だった
そういえば教授だった
ちょっと恐いけど決して偉そうではないので、偉い先生だということをたまに忘れてしまう
行列のなかに主治医もいて、さすがの癒しスマイルを放出していた
執刀医は私の顔を見た瞬間、主治医に向かって
「なんだ~!笑ってんじゃん!!」
と言った
…どれだけ暗いイメージが伝わってたんだろう
そしてゾロゾロついてきた白衣の集団に向かって
「この人ねっ!ボクのところに来たとき杖でフラフラ歩いてたの!」
と言い
私に
「ねえ!今ちょっと歩いてみせて!!」
と言った
ちなみに執刀医の声は閉めきった診察室のなかで話していても、隣りの待ち合い室に一字一句聞こえてくるほどのデカ声である
(今でもめいっぱい杖歩行なんですけどね…)
と思いつつ、その場でなにもつかまらずに3メートルぐらい勢いで歩いてみた
歩きかたはロボットそのもの、しかも圧倒的に斜めに進んだ
執刀医(と白い仲間達)の前で颯爽と歩くことはできなかった…
恥ずかしくてフトンにはいりたい気持ち
「ちょっとまだ早かったかなあ?!」
「決して無理はしないようにね!!」
(まだっていうか無理するとかそういうんじゃなくて…あああ゛)
そして、私にではなく白衣の集団に「ケイセイだな!!」と言いはなってドヤドヤと去っていった
この「ケイセイ」という言葉、最初は次に形成外科病棟にでも行くのかと思ったけど、会話の流れからして『痙性(ケイセイ)歩行』のことだったのだろう…
こわばってぎこちない歩行のこと
でも久しぶりに執刀医の顔を見て、なぜか元気が出た(変な汗もかいたけど)
やっぱり常人には計り知れないなにかを持ってる人だと思う
劇的な変化はなくても、リハビリテーションと歩行練習で少しずつ足もよくなってきている気がしていたので、とにかく頑張ろうと思った
術後はじめての頚部レントゲンの結果も、特に問題ないとのことだった
しびれはあい変わらずだけど、もともと自覚症状がしびれから始まったので長いつきあいで慣れてたし、そんなに気にならなかった
主治医からも術前の説明で、除圧して一気に血流がよくなることでしびれが増強する可能性があることは聞かされていた
どちらかというと足のこわばりのほうが気になっていた
結局こわばりとは、2年経った今もつきあっている