XOTIC "SL Drive" レポート ~Part1~ | 山本安男 ~超速日誌~

山本安男 ~超速日誌~

音楽や日々の考え、体験などを綴ってゆければと思っております。

XOTIC ”SL Drive” レポート!

どぉ~も!!
いや~半端なくお久しぶりのブログ更新!もう久しぶりなんてもんじゃないですよね・・

最後に書いたのが2014年2月9日。実に1年以上ものブランクを経て、いま再びここに言葉を綴っておる次第でございます(汗笑)


さてさて、今回はXOTICのオーバードライブ "SL Drive" について個人的な感想を綴っていきたいと思います。




[XOTIC製品ページ]
http://www.prosoundcommunications.com/products/xotic/effects/sl_drive/index.html


このSL Drive、現在僕のエフェクトボードにてメインのドライブペダルの一つとして大活躍してくれています。

発売からすでに1年半ほど経っているので、ネット上でも様々な使用者がこのペダルに関する感想を書かれており、情報はかなり多いと思います。

まあしかし、こういったレビューは豊富であるに越した事はないでしょうし(情報過多により判断が難しくなる場合もありますが・・・)、「ギタリスト・山本安男はこのSL Driveをどのように感じたのか?」を知って貰えたら良いなと考えています。


ちなみに、ここに綴ってあるレポートは全て18ボルトの電圧で駆動した場合の印象を元にしております。このペダルは9ボルト駆動18ボルト駆動が可能なのですが、18ボルト駆動のほうがより真空管アンプのニュアンスに近く、空気感と密度感のバランス、立体感、奥行きなどを再現しやすく感じたので、こちらを好んで使用し続けた際の感想です。


ではでは行きましょうか!




まず、どんなところが気に入っているのかというと、しっかりとピッキングのニュアンスが表れてくれながらも、決して弾きにくさがない点。

弾き手の入力に対して忠実でありながらも、耳に痛く出すぎるキンキンした部分はうまく丸めてくれている感じです。

これは好みの問題もあるとは思いますが、高音域のある部分だけ(ピッキングの”ピキーン!!”という音)が突出したギラつき過ぎた音は、その突出した部分に対してマスターボリュームを決めるため、相対的に中音域や低音域の存在感が消極的になってしまいがちです。

また中音域や低音域は音の”柔らかさ””温かさ””膨らみ”を担う帯域でもあるので、ピッキングした瞬間の”点”ばかりが強調され、しっかり弾いているのに音がスムーズに繋がり難くパキパキとした質感の演奏になってしまいがちです。
バンドアンサンブル内に置いても中々に取り扱い辛く、特にボーカルを邪魔してしまうケースが多いと感じます。

かといって、スムーズさばかりに重点を置いたドライブサウンドだと、今度は抜けの悪い音となり、アンサンブルに埋もれてしまいます。ブーミーでただの1本線のような音。音が分離してくれないみたいな。
んでもって、聴こえないので音量をガンと上げると今度は単純にうるさい。そしてうるさいのに結局聴こえ辛い・・・という悪循環に。

そう。ギターのドライブサウンドって凄くカッコいいけど、アンサンブルの中で音楽的に機能させるのって意外と難しいんですよね。

そういった難しい点を、このSL Driveは解決してくれていると感じます。
「生々しくギターらしい音」のみに焦点を当てず、最終段階であるアンサンブルの中で音楽的なドライブサウンドを提供してくれます。

こんな風に言うと「あんまり迫力がない音なのかな?」と勘違いされそうで怖いのですが、迫力や生々しさは十二分にあります!歪み量やトーンの効き具合、サスティーンなども非常に充実しています。

そういった部分をしっかり確保した上で、アンサンブルの中でより機能的に存在してくれるよう作り上げられている感じです。

ピッキング一つ一つの音は「点」ではなく「粒」として聴こえてきます。
「点」「粒」では全然違いますよね。

例えば連符を弾いた時、「点的」な音は1音1音が”途切れて”しまいがちです。

しかし、「粒的」な音は”区切れてくれる”という感じです。
流れるように滑らかでありながらも1音1音がしっかりと聴こえてくるのは ”一本の線だけど区切れており境い目が確認出来るような音” ではないでしょうか?

ギターのドライブサウンドは柔らか過ぎれば実像感が薄いし、硬過ぎれば立体感や空気感を感じ辛い。
音のあらゆる部分で柔らかさと硬さが絶妙なバランスで配合されたドライブサウンドこそが理想的だと僕個人は考えています。

このSL Driveは、その理想に非常に近づいているドライブペダルだと思います。

「表面は硬く、中は柔らかい」でもなく、「表面は柔らかく、中は硬い」でもない・・

そういった分離的な構造ではなく表面も内部も硬さと柔らかさが絶妙なバランスで混じり合っているという印象です。





えっ?褒め過ぎですか?

だ、だってそう思うんだもん!!(笑)

だからいっつも使ってますよっ!






さてさて、トータルな印象をパパッと伝えるつもりが結局熱く熱く語ってしまいました。





ここからは仕様やコントロール類について軽く触れてみましょう(軽くだよ・・軽く、ホントに軽~く・・・)





外部に設置してあるコントロール類はオン/オフ スイッチ、トーンノブ、ドライブノブ、ボリュームノブといった感じ。

トーンノブはとにかく効きが良いですね。
このトーンをブーストしていくと「クワッ!」と食いつくような、アグレッシブな方向のサウンドにシフトしていきます。
しかし全開にしても単純にうるさいサウンドになるわけではなく、やはり音の膨らみや温かみはどこかに存在しているという感じです。
尖らせても「粒感」は健在なわけです。

カットすれば徐々に甘くメロウなサウンドに。
なお、トーンをカットするに連れて音量も下がっていきますので、ボリュームノブで任意の音量に調整します。
僕は10時~13時辺りで使う事が多いです。



ドライブノブ(ゲインですね)もまた、非常に豊かな可変域を持っています。
低めに設定すれば控えめな、ジャリ~ン♪という感じのドライな歪みが得られますし、高めに設定すればこれ一つでリードプレイも十分に可能な歪み量を有しており、サスティーンも豊かでアグレッシブかつ伸びやかにプレイ出来ます。
ギター本体のボリュームコントロールに対する追従性も良好です。ドライブ量にもよりますが、本体ボリュームを絞るごとに歪みが抑えられていきクリーンなサウンドに近づいていきます。
もちろん完全なクリーンにはなりませんよ?
完全なクリーンにしたい時は、迷わずこのペダルのスイッチをオフにすれば済むことですからね(笑)

完全なクリーンにはならないのですが、「クリーンとクランチの間の音」ってあるでしょ?
あそこに近づいていく感じです。
” チャラ~ン” と”ジャリ~ン”の間の音。

なんていうのかね、あの音? 勉強不足でその音の呼び名を知らないですが、あの音に落ち着くといった雰囲気ですね!
この辺りのサウンドの変化はギター本体のボリュームノブの性能も関わってきますので、モノによって色々な変化の仕方を確認出来そうです。
ハイパスを入れているかどうかでもガラッと変わると思いますし。


さてさて、これで半分ぐらいは話せたかな?

でもね、まだまだ語ってないところがありますよね?
アレですよ、アレ・・・


DIPスイッチ!!



裏蓋をあけた際に、内部に確認出来るあの4つのスイッチね。これらがまた組み合わせのバリエーションが豊富でしてね。スイッチ一つ一つの役割りを理解しないと迷子になりかねないです・・・

しかしここを理解し、どのスイッチをオン/オフすればどのような変化が起こるのか?を覚えてくると、デフォルトでも素晴らしいサウンドであるこのSL Driveを、また一段と自分好みのサウンドに近づける事が可能です。



んで、ここを語るとまたひじょ~~~に長くなってしまいますので、一旦休憩を入れましょう。

今回の記事をパート1とし、次回のパート2ではDIPスイッチを中心にしたレポートを綴りたいと思います。

文章にまとめるのにも少し時間が必要なので、ちょっと待っててくださいね!
(その間に違う記事をアップする可能性もあり・・・お許しを・・・)