デンマーク2日目の今日は世界遺産であり、ハムレットの舞台でもあるクロンボー城のあるヘルシンギョア市のベネディクテ・キエア市長を訪問しました。
この方はまだ40代ですが、元国会議員で社会問題大臣もされていながら、人口6万人ほどの故郷の町の市長をされています。
ヘルシンギョア市は、港町でかつてはスウェーデンとの海峡を通る船から通航料をとって栄えた町でしたが、1850年くらいにその制度が廃止され、生きていくために造船所づくりをしていましたが、近年はそれも廃れ、今は
観光業に転換し、町の財政を支えています。
デンマークには、98の基礎自治体がありますが、その内女性の首長は11人。ベネディクテ市長はそのお一人なんです。
また彼女は、産休を取った二人目の市長で、
ご自身が14週間の産休をとり、ご主人が7ヶ月の産休をとられたそうです。
デンマークでは男性の産休もどんどん枠が広がっているとのこと。
家庭の安定がよいワークパフォーマンスを引き出すという考え方があるようです。
ただ、お互いが管理職だったりすると長期の産休は難しいとのことでした。
市長もデンマークはかなり良い環境があるとお考えのようでしたが、それでもまだ少子化問題はあるし、女性の社会進出も男性と同じ用にはいかないようです。
そこには女性特有の謙虚さや女性は計画的で慎重なため、社会的責任を背負うリスクを冷静に分析するといったところがあるのでは、という意見でした。
デンマークの子育て支援について聞くと、
デンマークでは待機児童を出してはいけないという法律があり、ほぼ100%子供を預けられる環境があるとのこと。
保育所にかかる費用は月5万円程度で、運営費の25%を払えばいいそうです。
さらに小学校から大学までの学費は全て国が持つそうです。(ちなみに18歳までの教育責任は親にあり、それ以降は国が)
ここまで至れりつくせりでも、出生率は1.8で少子化の課題は残るとか。
市長もここには頭を悩ませていると。
市長自身が子育てと仕事を両立するメリットとしては、忙しいので時間をつかうマネージメントがますますうまくなった、とのこと。
マネージメントのツボは以下の3つ
食事はできるだけ家族で一緒にとる
誘われる会合を取捨選択しなるべくいかない
ストレス解消法としてランニングする
家庭と仕事の両立に悩む女性へのメッセージ としては、
パートナーとの話し合いをしっかりし、
時間配分と役割分担を決めること。
以上お忙しい中、1時間半も対応頂き、
男性の私も大変参考になりました。
弊社の女性スタッフとも話し合いと役割分担を進めようと思いました。
会談後は、議会を案内頂きました。
歴史ある議会棟は日本よりかなり狭いですが、豪華で、やはりオシャレでした。
デンマークの政治事情を少し説明すると、国会議員と首長以外は全てボランティア議員で、毎月一回夜間に議員は議会を夜に開きます。
議会以外にも、テーマごとに委員会もあり、月数回の会合になるようです。
私も衝撃だったのは、
デンマークは選挙は個人のお金がほとんどかからないということ。
立候補したい人は政党に申請に行き、公認がおりると、ビラやポスターの費用は政党がお金を出すというのです。
供託金もなく、一定数以上の有権者の推薦があれば立候補資格ができるとのこと。
世界一投票率が高い(罰金などの無い国の中で)デンマーク。その政治の仕組みはかなり興味深いものです。
市庁舎にはかつての牢屋後をオフィスにした部屋もありました。
なぜならかつては市長は裁判官も兼ねていて、市庁舎が牢屋の機能も持っていたとのこと。
そこも潰さずリニューアルするのは、ヨーロッパらしいですね。
日本なら必ず建て替えですから。
市庁舎のあとは、かつての造船所の後を改装したカフェでランチを食べ、
市長が力をいれる子供図書館を視察しました。司書の方の説明が熱かったです。
子供に如何に本を読ませるかは、デンマークでも課題の1つなんですね。
市長と市役所の方、司書の方のレクチャーを聞いて、我々は気がつきました!
デンマークの方々は、非常にフレンドリーで、話の説明が詳細かつ長いということを、、、
デンマーク人=大阪のおばちゃん説が提唱されましたので、残り1週間をかけて検証していきたいと思います。