麺屋 極鶏®︎。 必死のパッチ日記 -307ページ目

ついに

出勤前に2人に会う為、病院に行ったおっさん。
ついに、その時がやってきた!

出産の時、遅刻したなぁ~と母ちゃんがきりだしてきた。

大事な時に寝坊をしたのだから怒られて当然なのだが、おっさんは色々言い訳を始めた。

ところが、遅刻をした事に対してさほど怒っている様子はない…。

その瞬間、あの時ホンマに臭かったわぁ~と言った。

訳の分からないおっさんの頭の中は???マーク…。

ラッキー、おっさんは怒られてないと思った。


ところが、おっさんの口臭臭すぎ!と言ってきた。

そう、おっさんは出産日の前日にニンニク大さじ2杯入りのラーメンを職場で食べていたのである。

その口で、分娩室で母ちゃんの手を握り母ちゃんの顔の近くで何時間もヒィーヒィーハァーをしていたのである。

ハァーの時は最高潮に臭かったことだろう。

何時間も顔の前でニンニク臭をかがされたのたがら怒って当然である。

親父

分娩室から出たおっさんは、外で待機していた両親族と喜びあった。

みんな、凄く喜んでくれている。

喜びすぎて全員声が大きくなりすぎていたようだ。

看護婦さんから静かにしなさい!と怒られてしまった。

その看護婦さんは、後で母ちゃんと息子を病室まで連れて行くので、そこで待機しておいて下さい!と言った。

みんな怒られたせいか素直に、その指示に従った。

だが、病室に着くと再びみんな大騒ぎ。

1時間程経った頃だろうか、看護婦さんが息子を連れて来てくれた。

言うまでもなく、みんな更にうるさくなった。

話す事はお決まりの、お母さん似やな、お父さん似やなの大合唱。

おっさんは、そんな事はどうでもよかったのである。

ただただ、元気でさえいてくれればそれでよかったのである。

母ちゃんと息子は、病院に1週間程入院し帰宅する。

おっさんはその1週間、出勤前に病院に2人の顔を見に行くのが日課になった。


まもなく、おっさんは母ちゃんに怒られるのである…。

続 新しい扉

そんな母ちゃんの手を握りしめてるだけの役に立っていないおっさんを横で見ていた看護婦さんが、奥さんの呼吸に合わせてヒィーヒィーハァーをしろと言う。

おっさんは慌てて一生懸命ヒィーヒィーハァーをした。

立ち会ってから、いったい何時間経ったのだろうか?

突然、オンギャーと元気の良い声が分娩室に響き渡った。

我が子がこの世に誕生した瞬間だった。

母ちゃん、本当によく頑張ってくれて有難う。

我が息子、産まれてきてくれて本当に有難う。

この時おっさんは、出産に立ち会う事ができて本当に良かったと心から思った。

すこぶる感動したおっさんの目に涙……。


だがこの後、出産を終えた母ちゃんに怒られる事を、この時おっさんはまだ知らない……。