コウフクカンひとつ前の季節に手元へたぐり寄せたその香りは今のためのものだったと気づいた。ああ。とてもしっくりくる。カイケツすることをしばらく試みてそれでもヒントの感触さえ掴めないのだとしたらここは一度逃がしてみようかとおもう。早急にコタエを導きだすことだけが前進とは限らないのだから。すでにある大切なものに心を向けて。 コドクもイタミもすべて引っくるめてコウフクカンは自分の中にある。