あっさりな白、こっくりな黒。いつもとは逆方向に歩いてなんの疑問も持たずにあたたかな灯りの入口のドアを叩いた。ガラスケースの奥には童話に出てきそうなまあるい雰囲気の女性。なんだかふっと今までの力が抜けた気がした。最初に純白に目を奪われた後その下のベルギーチョコレートの文字に反応する。それならばどちらもね。 あっさりな白には足し算。こっくりな黒には引き算。これが今のわたしの感覚なのだろうな。選んでいるようで選んでいない。 選んでいないようで選んでいる。さてどちら?