こんばんは、神楽です(*^.^*)
私は、10数年前に猫を飼っていた時期があります。
当時、犬派だった我が家で、まさか猫を飼うことになろうとは…
想像さえできないことでした。
しかもその子猫(♂)は全身真っ黒な姿のうえ、気性が荒く、黄金色に鋭く光る目は「もしやサタンの遣いでは…」と思えるほどの迫力でした。
名付けの段階で、何度も家族会議が行われ、様々な名前が候補に挙がりました。
「エンマ~閻魔」
「キョウ~狂」
「トラ~虎」
「うめきち~梅吉」
*町内で有名な酒飲みオヤジの名前
などなど…
最終的には「クロ」に強行採決されましたが、私は強面な彼を前にすると、どうしても「クロ」と呼び捨てにすることが出来ず、「クロちゃん」と呼ばせていただいておりました。
そんな彼でしたが、予想に反し、私と祖父にはよく懐いてくれました。
周りの人たちからは「類は友を呼ぶ」だとか「同じ匂いを感じたから」とか、さんざん揶揄され、笑いのネタにされたものでしたが…。
その彼も、1歳を過ぎる頃には、たびたび家出を繰り返すようになり、気付けば近所の野良猫たちと、毎日のようにケンカに明け暮れていました。
一度、彼の闘争現場に遭遇したことがありましたが、それはもう、壮絶な現場でした。
飛び散る血の飛沫を見た瞬間、脳裏によぎったのは、まさに「血の雨を降らす…」という言葉でした。
けれど彼は、予想を遥かに超える強さだけでなく、予想を遥かに超える伝説を作り上げてしまったのです…
当時、近所に庭先で番犬を飼っている家があったのですが、ある日の夜、ビックリするような奇声を発した事がありました。
その後、妙な胸騒ぎを憶えましたので、彼の部屋に行き確認したところ、スヤスヤ眠っている姿が見えたので、私もその日は安心して、そのまま眠りにつきました。
ところが、翌朝になって隣の家の人が慌ただしく車を動かしているので、窓から隣の庭先を覗いてみると、ケガをしている番犬を車に乗せている現場を目撃してしまったのです。
一抹の不安が頭をよぎり、もう一度詳しく彼の様子を見に行ったところ、数カ所に噛み傷があり、所々に毛が抜けた所もありました。
さらに不安が増して、隣の家の犬小屋に様子を見に行ったところ、血飛沫の跡とともに、たくさんの黒い体毛が…
たしか隣の犬の体毛は、茶色だったハズ…
もうその時点で、傷害事件の犯人は決定的でした。
動物病院に搬送中であろう隣の家の庭先に散らばった、タンポポのような黒い体毛を速攻で回収し、家に持ち帰り急いで家族に知らせました。
その日の内に我が家では、箝口令(かんこうれい)が敷かれ、数日間はなるべく隣の家に近づかないようにしました。
ついに彼は、越えてはいけない一線を越えてしまったのです。
猫同士の闘争では飽き足らず、ついに番犬にまで許容範囲を広げてしまったようでした。
こうなるともう、死傷者が出るのは時間の問題です。
翌日には、室内で飼われていたはずの彼の首輪に紐が結ばれました。
まさに監禁状態の彼のストレスの溜まりっぷりは、「私の思春期の頃の欲求不満の溜まりっぷり」を遥かに凌ぐ荒れ様でした。
ストレスの捌け口として、与えられるだけの玩具を与え、エサの内容も三割り増しにして、万全の体制でやり過ごしました。
例の傷害事件も、少しずつ記憶から薄れていった頃、私の身体に異変が起こり始めました。
それと同時に、彼の運命も少しずつ狂い始めていたことは、誰も知る由はありませんでした。
*前置きが長くなってしまいました…
続きは後日アップさせていただきますので、どうかご了承お願い致します。
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