「マイ・マザー(I killed my mother)」グザヴィエ・ドラン監督作品 | 彼方、英語勉強中

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最近、イギリスとアメリカで活躍している俳優のJohn Barrowmanさんのファンになりました。
映画、好きな本(村山早紀さん、有川浩さんなど)、音楽(斉藤和義さん、岡幸二郎さん)などについてとりとめもなく書こうと思っています。

「マイ・マザー(原題:I killed my mother)」 グザヴィエ・ドラン監督作品 を観ました。



内容としては、高校生の主人公が、母親への葛藤を持て余して苦悩する…みたいな感じ。
言葉にすると非常に陳腐なのですが、それが美しいカナダの景色、小道具、音楽と合わさって、少しも古臭さを感じさせない映画です。
思春期をだいぶ過ぎた今でも、共感する部分は多くありました。
例えるなら、できたてのかさぶたをペリペリされた感じw
忘れかけた思春期の親への葛藤とか、そういったものがチクチク刺激されました。

冒頭の方に出てくる、母親がドーナツを食べているシーンなんか、凄い!
ただ食べてるだけなのに、どうしても生理的嫌悪感覚えることないですか?
私だけ?
そういう、ささいなどうしようもない違いが、許せないときってあるんです。
普段は平気なのに。
ましてやそれが、一緒に暮らしている家族だったら…

でも、その暗くなりがち、自己中心的になりがちなテーマを、
ドラン監督は綺麗に描いているので、見た後、少しも嫌な気持ちになりません。
笑えるシーンもあるし。
見た後はなんだか、浄化された気分♪
セットや衣装も美しくて、何度も見たいと思いました。


母親と気詰まりな食事のシーンなのに、この家、すごく暖かな気配がする道具であふれています。
その食器や家具、インテリアをじっくり眺めるのも楽しいです。

主人公のお母さんが、まさに「関西のおばちゃん」という感じなんです。
豹柄大好き、派手好き、おしゃべり好き…
スマートな彼氏のお母さんにあこがれを持つ主人公の気持ち、分かりますw
親と趣味が合わない。
それも葛藤の1つですよね。

この映画をおすすめするのって、非常に難しいです。
たぶん、見る人によって、響くポイントが異なると思います。
私自身も、もう一度この映画を見たら、たぶん違う部分がひっかかるんだろうな。
でも機会があればぜひ、見てみてください。
私は自分のパーソナルな部分を、覗き込む感じがしました。