事例727『2階床の下がり』 | 欠陥住宅を調査する建築士のブログ

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検査で撮影した欠陥写真の解説。検査やハウスメーカー、紛争の裏話などを紹介。

こんにちは住宅検査カノム の長井です。


検査中の現場で、監督の髪の毛に接着剤が付いた。
接着剤を取るには髪を切るか、
シンナーで取るしかないそうです。

接着剤、木のヤニ、固まる前のウレタン断熱材は
髪の毛や服に付くと厄介です。

現場へ行くときは、気を付けてください。


■(1)今回の事例_________

「2階床の下がり」
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2階床の下がり
 
 
◆写真解説

新築後すぐに2階の床が下がり、窓下などに隙間ができた。
躯体に未乾燥の材木を使用。変形が大きいことが原因。


◆内容説明

未乾燥材は乾燥する過程で縮みます。
また、経年変化による梁のたわみ量も乾燥材の約2倍。
よって、床などの変形が大きくなる。

窓下の隙間以外に、床の傾斜がきついなどの
症状が出ています。

大工さんが材料を調達し、手加工する場合に
未乾燥材が使われることがあります。

原則、未乾燥材を構造部分に使ってはいけません。



◆対策

材木の種類などを事前に確認する。


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■(2)編集後記

新築住宅の受注額。大手ハウスメーカーは消費税8%の
駆け込みの影響で1年間、前年同月比を下回っていました。

昨年10月から受注の落ちこみが始まったため、
先月はようやくプラスに転じる会社が出てきたようです。


駆け込みによる工事集中で、職人がいなく、
プロでない職人の施工による欠陥住宅が造られたケースが
たくさんあります。

本当は、閑散期に建てるのが一番良いです。