風鈴を作った男の話 | 川邊大紀のブログ

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風鈴ってすげえなぁ、と。



何がすごいって、よくもまぁ、音に涼を見出したね先人、と。

先人の繊細な感性。

その結晶である作品、風鈴。

素敵だ。





多分僕ならああはならなかったでしょうね。

風鈴の音聞いて
「あぁーこの音は本当に涼しくなるね!」
なんてならなかった。
音に涼味を発見することなんてきっとできなかった、僕なら。



一番最初にそれ言い出した人、会ってみたい。

歴史を遡ると、室町時代から風鈴はあるらしい。
その時代にタイムトリップして、初めて風鈴の音に涼を発見した先人にインタビューしてみたいね。


ここでは便宜上、先人を仮に、たけしと呼ぶことにする。


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(風鈴を鳴らしながら)
僕「あなたはこの音を聞いて涼しいと感じたということですね?」


たけし「そうですね。」


僕「それはどういう状況でそう感じたんですか?」

たけし「家にいたんですよ。そしたら不意に風が吹いてね。たまたま近くの寺から風鐸 (風鈴のルーツと言われているお寺などに置いてある魔除けの道具) の音が聞こえてね。その時、あ、なんか涼しいなぁ、と。」


僕「なるほど、その時、音に涼を見出したというわけですか?」


たけし「はい。わたしもね、初めはただ美しい音色だなぁと思って耳を傾けていたんです。
でもその時、ちょうど暮れ方の空や風などとあいまって、風鐸の音が涼味に一役かってる気がしてならなかったんです。」


僕「なるほど。とても詩的な感性だと思います。ちなみに、そのことは誰かに話しましたか?」


たけし「えぇ。知り合いや友達に話しましたね」


僕「少し踏み込んで聞きますが、その話して聞かせたという知り合いや友達は主に女子ですか?」


たけし「………いえ、結構男のひとにも話して聞かせ…」
僕「女子ですね?」
たけし「はい。主に女子です。」




僕「ていうか、全部女子ですね?」


たけし「はい。全部女子です。」


僕「つまり、女子に自分の詩的な一面を見せることで、モテる寸法ですn…」
たけし「はいそうです。」(食い気味で)





たけしはモテたかったのであった。


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窓辺に垂れた風鈴の涼しげな音色。



かつて、一人の男の一心にモテたいという思いは、
現代の人々の耳にも涼を届け続けている。


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