今日のコトちゃん
我が家の新人、コトさんは5年前の7月のある日突然我が家の敷地に陣取りました。
月齢に満たないちっちゃいキジトラが炎天下の中、
「私はここにいるっ!」
と、言わんばかりの叫び声をあげていました。
よほどお腹が空いていたのでしょうが、ご飯をがっついているすきに素手で捕まったちょっとどうなんだろう?って子です。
ノミだらけ、シラミだらけ、汚れまくりのガリガリ。ざっと水洗いして動物病院に連れて行き、フロントラインのシャワーを浴びました。動物病院にはポンプタイプのフロントラインがあるんですね。
ちょっと感動しました(なんで?)。
あの頃はモモがいて、テンがいて、くらのすけがいて、ハルキチがいて、我が家は満員御礼。
彼女は里子に出されるはすでした。
情が移らないように、最初の呼び名は「ちっちぇの」。予想に反して彼女はあっという間に猫たちから猫可愛がりされる存在になり、もたもたしているうちに情が移りました。
特にテンは彼女をしっかりと抱え込み、まるで母親のようにお世話をし続けて他の子には触らせないほどに可愛がっていました。おかげでほどなく女版テンさんが出来上がり、誰にでも遠慮なく体当たりで甘えまくることになったわけです。
みんなに可愛がられて5年間を過ごしました。
人間よりは猫が好きな子です。
それがちょうど2年前、モモが病みついてあっという間に逝ってしまいました。1年前にはくらのすけが家出。それから3ヶ月前にはテンが、そして昨日はハルキチが。みんなあっという間に去っていってしまいました。誰かがいなくなるたびに食欲をなくし、悲痛な声で鳴きながらしばらく家中を探して歩き回ります。
ハルキチと2人きりになって3ヶ月。
人間よりは猫が好きなもの同士、ずっと寄り添って過ごしていたのに、そのハルキチがいきなりいなくなってしまい、混乱ぶりは思った以上に悲痛なものでした。
誰もいなくなってしまった。
人間ではダメ。
そんなふうに言われている気がして、涙が止まりません。
飼い主がもっと気をつけていれば、コトをひとりぼっちにすることはなかった。今もみんなで仲良く暮らしていたかも知れない。
明日空に還っていくハルキチを抱きしめながら、いろんな後悔と言い尽くせないごめんなさいを繰り返しています。
昨日は何も考えられず、ハルキチがいなくなってしまった現実が夢のように思えました。
今日はコトの鳴き続ける声に夢ではないこと、自分が息もできないくらいに悲しんでいることを思い知らされました。
黒白とキジトラが寄り添う写真はありません。
眺めているだけで幸せな時間はもっと長く続くと思っていました。
寂しくて、寂しくて、寂しくて。
いきなりハルキチを見失ったコトはきっともっと辛いだろうと、思いやる余裕ももてないほどに寂しいです。
いつかまた会える。きっと会える。
口に出して言えば心の支えになるのかな。
初代キジトラ(白)モモさんとハルキチ。
カーテンレールの上のキジトラ
白黒を見守る黒白
みんなが、恋しい。