猫、灰だらけ。 -2ページ目

猫、灰だらけ。

いつのまにやら、猫4匹。日常は猫に乗っ取られ、乗っ取った猫はうっかりすると
灰だらけにもなる。日々、楽しくも癒されながらも、イラっとする。そんな一コマをちょっとずつ。


うちの天使たち


バタバタとバタバタとバタバタと過ごしているうちに、我が家の癒しを一手に担っていたハルキチがあっという間に逝ってしまいました。


具合が悪くなって数時間後、今日の12時過ぎのことでしたが、きっと忙しさにかまけた人間が見逃したんだと思います。何度繰り返したら気付く事ができるんでしょうか。


おとなしくてやさしくていつも控えめで。

控えめすぎて他の推しの強い子たちの陰に隠れていました。

臆病で抱っこも完全拒否、お風呂も爪切りも何日か前からシミュレーションをしなくてはいけないほど。さっき、この12年間で初めて抱きしめることができたとき、いなくなってしまったことにようやく気づき、動揺して、大泣きしました。

触ることも、抱き上げることもできなかったけれど、いつも遠慮がちに飼い主に寄り添っていた可愛い子でした。


彼は東日本大震災で親と飼い主を失いました。

いろんな道を辿って生後半年で我が家の一員となったのです。臆病なので、ゲージから出るまで半月ほどかかりました。そのハルキチをゲージから出したのは、毛色のよく似たテンでした。

正反対の二人ではありましたが、妙に馬が合い、テンに引きずられるようにイタズラもしていました。

飼い主はまとめてハチワレブラザーズと呼んでいましたが、最期まで、仲良くテンを追いかけるように逝ってしまうこともないだろうに。

優しい子だったから、テン不在の世界に飼い主夫婦が慣れた始めた頃合いを見計らってくれたのかな。

それとも、飼い主よりもテンが恋しかったのかな。

飼い主があまりに出来損ないだから、もういっか。みたいな感じかな。


いつも気配を消しながらも寄り添ってくれた天使のようなハルキチは本当の天使になりました。

連れ合いは出稼ぎ中、今日飼い主が看取る事ができたのもほぼ偶然のようなものであり、その偶然はハルキチの置き土産のような気がします。

出来損ないの飼い主にも等しく優しさをくれたハルキチ。天使になってもそばにいてくれたらいいな。

カイもモモもテンも。てぐすね引いて待っているはずだから、心配はないけど。いつかみんなに会える日までの飼い主のほうがみんなに心配かけるかもしれません。


だから踏ん張らないといけません。

たった1人残されたコトを守りながら踏ん張ります。今は涙が止まらなくて、コトはハルキチの不在とめそめそする飼い主に動揺しています。

これではいけない。と、思いつつ。しばらくはうんと泣いて、寂しがります。


いつも思うこと。

この道の先で、きっとみんなに会える。

今寂しくて悲しいのは仕方なくても、きっとまた会える。支え。ではなく、希望かな。


ハルキチ。2011年5月5日生まれ満12歳。

本日をもって修行終了。めでたく天使昇格です。

お疲れ様でした。しばらくゆっくり休んでね。


















カイとモモとテン。みんなハルキチが大好きだったと思います。久しぶりに会えるなんて羨ましい。飼い主はここで踏ん張るんで、もう少しかかるかな。

待っててね。



おじさんと小娘。

いつも人間が寝るのに苦労した。


あの日からもうひと月。

いまだに寝室でテンさんを探してしまう。

しばらくは寝室で眠れず、リビングで行き倒れるように眠っていた。


テンさん。

いつまでも一緒にいられると思っていた。

(猫又になるって約束したのに)

生涯、自由だった。

(わがままで、自分勝手で、暴君だった)

最初から最後までうちの王様だった。

(気遣いのできる猫家族に囲まれた結果)


いつも飼い主の足元で、身体を寄せながら眠っていた。その重さ、温かさ、毛皮の感触が恋しい。

帰ると必ず玄関で出迎え、一回身体をすりっとさせてから、「ゴハンくれ」と鳴いた声も恋しい。


一番長く寄り添い、一番心配をかけ、一番イラつかせた可愛い子。

本当に猫又になるって思ってしまうくらい、生命力に溢れていたのに。

長生きさせてあげられなかったのは飼い主の責任なんだと思う。


糖尿病と肥大型心筋症。

辛い病気を二つも患わせてしまった。

何でもしてあげたいと思っていたのに、すぐ退院できると言われていたのに、たった一週間で天使になってしまった。

あの子のことだから、いろいろ面倒になったのかもしれないけど、やっぱり飼い主の責任だと思う。


テンさんが入院してから、家に残ったハルキチとコトはゴハンを食べなくなった。テンさんの不調が発覚したのも食欲がなくなったことからだったので、本当に心配した。

おそらくはテンさんの匂いが残っているだろうキャットタワーから降りなくなったコトはそこでお漏らしをした。スプレー行為ではなかった。

離れ難かったのかなと胸が痛んだ。

ハルキチはテンさんが使っていた膝掛けにしがみつき、長いこと匂いを嗅いでいた。

二人とも結構な割合で殴られたり、蹴られたり、追いかけ回されたり、謂れのない恫喝を受けていたのに、それでも彼を家族と認めていたんだな。


テンさんは生まれたてでひとりぼっちになってしまったけれど、その後は家族みんなに愛されて、あるがままのテンさんで生き抜いてくれた。

それだけが飼い主の心の支えになっている。

ハルキチもコトも少しずつ食欲を取り戻し、ほぼ元に戻りつつある。

それでもみんな、テンさんを探してしまうのだ。

彼のお気に入りの場所。窓際や、キャットタワーや、寝室のベットの上。

いや。まだいつものように偉そうな格好で寝てるのかも。

いつもテンさんに遠慮していた二人はいまだにベットには乗らない。乗りたそうに足をかけるが、乗らない。

今でも彼は我が家に君臨している。

そう思える夜は少し嬉しい。


今日も空は抜けるように青かった。

久しぶりに眺めた気がした。

風はもう春めいていて気持ちが良かった。

きっとテンさんもそう思ったに違いない。



テンさんに追い回されて避難場所に逃げ込んだコト。どえらくお怒りです。

小娘とは、里子に出そうと思っていた彼女に情が移らないように付けた呼び名でしたが、あっという間に情が移ってコトと名付けました。

コト。とは小型特殊車両の略です。

テンさんが猫可愛がりをした結果、思った以上のパワフル娘に育ってしまったからですが、詳しくはまたいずれ。猫族の男の子が子育てするとは意外ではありましたが、なかなかのお父さんぶりではありました。 


今日も良い天気。さすが晴れ男


本日夕方、テンさんを見送ってきました。

朝方まで曇っていたものの、時間が経つにつれ良い天気に。

澄んだ空に見守られての門出。

だいぶ小さくなりましたが、無事連れて帰って来ることが出来ました。


昨夜はいつものように、ベッドの足元にはテンさんがいました。

時には重苦しく足が攣ってしまう事もあったけれど、ないと寂しく落ち着かない愛しい重さでした。

見送る時間まで思い残すことがないようにとずっとそばにいましたが、思い残すことがなくなるなんてことがあるわけもなく、寂しさが募るだけでした。


ハルキチとコトにもとりあえずのお別れをして貰いましたが、2人とも眠っているようなテンさんの顔を遠くから眺めるだけで近寄ることはしません。

明らかに戸惑っている様子ときょろきょろ見回す姿を見ると「テンさんに似た何かがそこにいる。本人どこ?」と言う感じでしょうか。

入院後は2人とも落ち着かず、家中をウロウロ。

ハルキチは10年以上寄り添って生きてきたし、コトはテンに育てられました。

寂しいのは人間だけではないのですが、いなくなる理由がわからないぶん、彼らの方が辛いのかも知れません。


人間の方も、まさかこんなに早く逝ってしまうとは思わず、何をどこからどうやってどう後悔したら良いのかすらわかっていません。

いなくなってしまった実感すらないのです。

とりあえず、今しばらくはみんなで寄り添いながら、少しずつでも喪失感を受け入れて行こうかと思います。


たくさん泣いて、たくさん後悔して、たくさん寂しがって。その先にはきっと天使の輪っかを頭に乗せて、三角の尻尾をひらひらさせたテンさんが待っている。

きっとまたどこかで会える。

また寄り添って歩いていける。


家族だから。


まだまだ先ですけどね。


お世話になった動物病院から、テンさんにお花を頂きました。ありがたいことです。


テンさん、無事天使の仲間入りを果たしました。

現在、皆さんの落ち着き先をしつらえ中です。



ハチワレブラザーズ



天使御一行様。
もう会えたかな。