猫、灰だらけ。 -3ページ目

猫、灰だらけ。

いつのまにやら、猫4匹。日常は猫に乗っ取られ、乗っ取った猫はうっかりすると
灰だらけにもなる。日々、楽しくも癒されながらも、イラっとする。そんな一コマをちょっとずつ。




今朝9時過ぎ、テンが空へと還って行きました。

2週間ほど前から食事量が減り始め、先月27日に病院に連れて行ったところ、糖尿病との診断で即日入院となりました。経過は行ったり来たりではかばかしくなく、そのうちに肥大型心筋症との診断と共に肺水腫を併発。それでも昨日までは3日後くらいには退院できる見通しでした。
もっと早くに気付いていたら、様子なんて見ていなかったらと悔やむことしか出てきません。

今朝5時くらいにパッと目覚め、インシュリン12時間ごとにしなくちゃいけないけど、出来ない日はどうしよう?仕事の都合でどうしても出来ない日もあるけど、どうしよう?
得体の知れない不安だけが後から後から湧いて出て、ほとんど眠れないうちの目覚めは虫の知らせだったのかも知れません。

容態が急変したとの知らせで駆けつけた時にはもう心臓マッサージを始めてから5分ほど経過していたそうです。
無理だと頭では理解しても、続けてくださいとしか言えない飼い主を、これ以上は苦しい思いをさせるだけだからと連れ合いが止めて、2人でテンを見送りました。

1週間ほど入院していたので、実感がありません。
一番手が掛かり、一番甘ったれで、一番長く一緒に生きてきたテンがいなくなる。
毎日足元で踏ん反り返っていた愛しい重さが永遠にいなくなる。
彼の身体はまだそばにあって手が届くけど、どんどん冷たくなって、どんどん大好きだった感触が失われていく。
身体の一部がもぎ取られたような喪失感だけが増えて行きます。

理解されないのを承知の上で、無理を言って今日明日と休みをもらいました。
これからどうしよう?これからどうやって過ごして行こう?
どうにも涙が止まりません。

彼の名前は空の色からつけました。
我が家に来た日、抜けるようにきれいな秋空で、
天色(あまいろ)と言う名のままのきれいな色でした。
だから、テンと言う名です。
あの日から12年と少し経ち、明日その空へと還って行きます。
病院で身体をきれいにして頂いたあと、スタッフの方が首に巻いてくださったリボンもきれいな青色で、まさに青色に彩られた猫生でした。

早くカイとモモに会えるといいなと思います。
テンは寂しがり屋だし、カイとモモとテンは親子みたいだったから。

今日より明日、明日より明後日。どんどんテンが恋しくなるのだと思います。
慣れる日か来ないことはわかっていても、いつかまた会える日が来る。家族だし。
今はその道の途中で、私も連れ合いも生かされているうちは精一杯生きないとその日が来ない気がします。

だから、頑張る。
カイの時も、モモの時もそうだったように。
思い出と言うよりも、ずっと寄り添っていると感じることが出来るまで、悲しんで、恋しがって、うんと寂しがります。
家族だから。
テンにもそう思って欲しい、忘れないで欲しい。
身体は離れても、どこかできっと寄り添えると信じています。

今一緒にいる人が明日も一緒にいられるとは限らない。
また忘れてしまっていました。
出奔してしまったくらのすけを探しつつ、残されたハルキチとコトを守って過ごします。
テンも寄り添ってくれるといいな。







ほとんど寝室が居場所の甘ったれでしたな、


外って、どんなんだっけ?


今年も暮れます。

今年はなんだかね。

職場では危機的な人手不足。

連れ合いの新型コロナウィルス感染による自宅待機を無事乗り越えたと思いきや、

職場でのクラスターからは逃れられず、飼い主も新型コロナウィルス感染。陽性発覚までの間、たった2人で連勤の憂き目をみる。

母親の救急車搬送からの入院、手術。更に再入院、再手術。


そして、くらのすけの家出。

彼のことを思わない日はなく、仕事の合間に探し回る日々。

そんなにウチがイヤだったのかな。

いやいや、少し羽を伸ばしてるだけ。

心が折れたり、自分に都合よく考えてみたり。

諦めかけても、探すことをやめられない。

必死だったけど、ふと立ち止まってみたら

辛い年だったんだな。

辛かったけど、生きているから、まぁ、良し。


余計なことは考えず、これからも一生懸命生きて、そしてくらのすけを探します。

どこかで元気でいてくれたら、それでいい。

幸せでいてくれたら、もっといい。


今年最後のお願いは一番叶って欲しい願いとなりました。


それと。新型コロナウィルスをむやみに怖がってはダメですが、侮ってもダメな怖いものだと身に沁みました。

私は軽症で済みましたが、知人は陽性判明後、数時間も経たずに救急車のなかで亡くなりました。若く、持病もなく、健康であったにも関わらず。

昨日そばにいた人が、明日もそばにいるとは限らない怖さに身震いがしました。


みなさん、どうか御身大切にお過ごしください。

今年がどんな年であったとしても、来年こその希望は捨てません^ ^

新しい年が良い年でありますように。



はよ、帰ってこんかい💢




とりあえず、触れ合い中


放蕩息子のくらのすけが家を出て2週間。

運悪くその日から連れ合いは5日間の出張で不在。

その後数日間は、仕事を休むことも出来ず、夜も眠れず、何も喉を通らず。

また運悪く、翌々日は記録的な大雨ときた。

自分の不始末からとは言え、1人で乗り切るのはかなりしんどかった。

警察に届け、隠れ場所になりそうなところの所有者やご近所さんに事情を話して回った。


が、しかし。

絶望感に苛まれていた飼い主は、案外早くどら息子に遭遇していたのである。


家出2日目。

次の日の天気が気になって、彼が走り去った方向を当てもなく探しに行った。

と、見慣れた野良の白茶ぶちちゃんが目に入る。

彼(彼女?)は一点を凝視して固まっている。

何見てんの?と、声を掛けて飼い主も固まった。


そこには特に汚れもケガもせず、普通に毛づくろいをするどら息子がいた。


えーと。


ネットで見つけたやっちゃいけないことリストを何とか思い出し、姿勢を低くして声を振り絞る。


「くらさん…ご飯いる?」


マヌケだ。


そのマヌケの声に振り返るどら息子。

しばらく睨み合い、もとい、見つめ合った後、もういいかと少し間合いを詰めてみた。


能天気な飼い主は、てっきりいつものように「へぇぇ…」と鳴きながら近寄ってくるものと信じていた。


実にめでたい。

そうは問屋が卸さないのである。


彼はじりじりと後退りをして



あろうことか、こんなところにするりと逃げ込んでしまった。

見たところ今は使われていない元側溝。

元々、彼は6、7年前までウチの近くを縄張りにした

野良さんで、近辺もほとんど変わっていないことから土地勘も狂わずにすんでいたと思われる。


ご飯と彼の食器で釣ろうと写真のように置いて2時間ほど粘ってみたが結局空振り。

次の日の悪天候が気になり、後ろ髪を引かれる思いはあったものの、日没で続行できずに断念した。

一睡も出来なかった。


家出3日目。

予報通りの大雨になった。

仕事中、胸元にいろんなものが詰まったように苦しかったが、終業まで身動きが取れない。

飛んで帰って、雨上がりの駐車場をやはり当てもなく歩いてみたが、その日はとうとう会えなかった。

さすがに身体がもたず、行き倒れるように寝てしまったが、1時間ほどで目が覚めてしまった。

この日が一番きつかった。


家出4日目。

休日だったその日、明け方、昼頃、夕方と何度か遭遇した付近を見に行ってみた。

心折れそうになるのを堪えた夕暮れ。

件の白茶ぶちちゃんを発見。

近くの工場の芝生でまったり寛いでいるのを、祈るような気持ちで見に行ってみた。


いた。


どら息子も一緒に寛いでいる。

かなり近くまで近づけた。

呼び掛ける飼い主の声にゆっくり振り返る。

前回の轍を踏むまいと、じっと睨み合う。もとい、見つめ合う。甲斐あってどら息子がのそのそ飼い主に近付こうとしたその瞬間。

それまで寛いでいた白茶ぶちちゃんが、いきなり、喧嘩をふっかけて来たのである。

咄嗟に応戦したどら息子は、残念なことにかなり気が小さい。一回りも小さいその子に押されて狭い建物の隙間に入って行ってしまった。


見えるのに。

見えるのに、手が届かない。

こてんばんにやっつけられているのをなすすべなく見ているだけの情けなさ。

と、同時に。

「ちっとはやり返せよ💢」

と、腹を立てて、我に帰る。


元をただせば、飼い主のせいだったね。

ごめん。 


それでも、近所に留まっていること。

大雨を無傷でやり過ごしていたこと。

大変申し訳ないことだが、そちらの工場に電話をして事情を話して見守っていただけるようお願いをした。

快諾をいただいたその日は少し気持ちが楽になって、長めに眠ることが出来た。


家出5日目。

ようやく連れ合いが帰宅した。

夕方連れ立って駐車場へ行く。

「そんなに簡単には見つからないよね」と、

言いながらふと目を挙げると。


いた。

そして、いきなり目が合った。

3人ともその場で固まった。

例のやっちゃいけないルールを連れ合いに言う間もなく、会ってしまったのである。

仕方ないことだが、さっさと近づいたことからどら息子は踵を返して逃げて行く。

伸び盛りの雑草に吸い込まれて見えなくなるのを、またしても見送ることしかできなかった。


自宅から30〜50mほどの場所から動いていない。

気持ちはだいぶ楽になった。


仕事が立て込み、身動きが取れないまま迎えた家出10日目。

外猫用のご飯をくらのすけ用の物に変えてみたところ、明け方、くらのすけがウッドデッキに座っていた。

気が付いた時には食事を終えて、ウッドデッキを後にするところでやっぱり手が届かなかった。


とにかく、近くにいる。

それも事故に遭いにくいそばにいる。

大雨の後でもきれいなままでいるところを見ると落ち着く場所にいるんだろう。


見限られたのかと悲しくも思ったが、外に出た猫は飼い主を判別しにくいとも聞く。

とりあえず無事ならそれでいいと思うようにした。

もちろん、諦めたわけではない。

ウチの居心地が悪くて出たいのなら最善を尽くして信頼を取り戻す。

大切な家族だから。


不甲斐なくて泣きそうだけど、まだ泣けない。

梅雨入りもしたことだし、仕切り直してどら息子を迎えるために頑張ります。



くらのすけを恋しがるコトちゃんが毎日家中を徘徊している。

とりあえず、くらのすけがいた場所がよく見える窓のカーテンを開けている。

今はそこが彼女の定位置。

頑張って目立ってね。