今日も2009年の成績から興味深い個所を見たいと思います。
(今日も2009年のデータ
から抜粋します。)
2009年の成績を見てみると凍結胚移植が増加している事が顕著です。
2009年の生産分娩数からみた「新鮮胚移植vs凍結胚移植」を見てみたいと思います。
①新鮮胚移植による生産分娩数 9743人
(体外受精4753人、顕微授精3966人)
②凍結胚移植による生産分娩数15909人
以上のように新鮮胚移植と比較して凍結胚移植からの生産数が1.6倍も多くなっています。
ちなみに2005年は以下の様になっています。
①新鮮胚移植による生産分娩数 12570人
(体外受精6706人、顕微授精5864人)
②凍結胚移植による生産分娩数6530人
つまりこの4年間の間に凍結移植による生産分娩数は6530人⇒15909人となり、実に2.5倍も増加しています。
このように短期間の間に凍結胚移植が増加した理由として以下の事が考えられます。
①凍結技術の向上:ガラス化法の技術が広まり、凍結技術が向上した事があげられます。
②多胎妊娠の防止:多胎妊娠を防止するために単一胚移植が積極的に行われています。その結果余剰胚は凍結されます。それにより凍結胚移植を行う機会が増加しています。
③凍結周期の方が妊娠しやすい:新鮮周期と比較して凍結周期の方が妊娠率が1.5倍程度上昇します。少しでも妊娠しやすい時に移植するのは当然と言えます。
今後この凍結胚移植重視という傾向はさらに強まると思います。
凍結胚移植については、こちらも 参考にして下さい。