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野崎洋光さんの「考える食」とは…

”おいしく食べるということは、イコール考えながら食べるということ”

”食べるときに、熱いとか冷たいとか、甘いや辛い、酸っぱいとか、色がきれいだとか、この素材はどこのものだろうとか、そういったことを感じていますか”

”食事を単におなかを満たすためだけの行為ととらえている養殖人間になっていませんか、ただのエサになっていませんか”

”食べることに真剣になれば、自分の体を健全な状態に保つことができ、それは自分を守ることにもつながる”

”与えられたものだけを食べるのではなく、自分で考えながら食べるべき”

野崎洋光さんの著書 
「美味しい法則」より抜粋


訪問リハビリテーションの仕事で、近頃頻繁に行なっている出張料理教室を通して、食に関する支援を提供するなかで、上記の野崎さんが提唱されている「考える食」がこれからの支援のベースになると感じました。

食べるという行為に、わたしたち若い人だけでなく、日頃から在宅支援の仕事で関わる中高年の方々もまだまだ真剣になれていないように感じることが度々あります。

「作るの面倒やな…」
「あまり食欲ないし…」
「とにかく何か食べとけばいいか…」
「時間ないからあるもの食べとこうか…」

ピッ!と電子レンジの温めボタンを押せば、数十秒か数分後に何かを食べることができます。

何が食べたいから、どの素材を使って、どのように作って、だれと、どんな話しをして食べようか等と考えることなく…

時間にせかされるように味わうことや考えることなく、食べることが多いように思います。

毎日の食卓で食べることにその都度真剣になることは、下記の健全な心身や活動、参加につながりがあると考えます。

1.食べるという行為
→心身の健康、楽しみ…

2.料理という活動
→趣味、愉しみ…

3.炊事という参加
→家事、役割…

これら1〜3が三位一体となり、毎日の暮らしや営みの中心にある”食べること”を軸にした在宅支援ができれば良い仕事になるのでは…面白いのでは…と、野崎洋光さんの「美味しい法則」のなかの”食に対する思い”を読んであらためて感じています。

また本書の中で野崎さんの持論として…
”平均寿命が男性よりも女性の方が長いのは、料理を作るか作らないかということも関係しているのではないか”

”何を食べたいか献立を考えるのはたいてい女性で、自分の体の状況と相談しながら決めるから、知らず知らずのうちに食生活のバランスが取れるのです”

”男性は作られたものを何も考えずに食べているだけ、この毎日の積み重ねが年月を経て平均寿命の差になっているのでは…”

”長生きしたければ男性も料理をしてください”
と記してあります。

これを読んで男性も元気なうちに料理をしておいた方がいいなとつくづく思います。

自分のためだけでなく、誰かのために美味しいものを作って、食べて喜んでもらえたら嬉しいし、それが自信となり、楽しみから愉しみへと深化し、自分の趣味と家庭内での役割を兼ねるようになるからです。

料理をしていなかった方で、もし歳をとって何かしら病気や障がいを負うことになったとすると、新たに料理を愉しみにすることは容易ではないと思います。

なので元気なうちに料理が出てくるのを待つだけでなく、まず作ってみましょう。

「考える食」
”食べることに真剣になる”

本書からついつい忘れがちな大切なことを学びました。


今日も出会いに感謝です。
みなさんありがとう。