人の行動を変えるには…

ナッジ理論(行動経済学)が人にもたらす行動変容が、様々な分野での活用が期待されている

ナッジは、行動科学の知見に基づき、人々が望ましい行動をとれるように後押しするアプローチのことを指す
※ナッジnudge:そっと後押しする、肘でつつくの意味

個々の損失を回避しつつ

自発的により良い選択をとれるように

人の自発的な態度・行動変容を後押しするような視覚、聴覚、文字のなど知覚情報から、省エネ推進、市町村の健診受診率アップや防災、避難意識の向上など様々な効果をもたらしている


『自分は健康だから大丈夫』
という健康意識、過信、妄信

『わたしたちの住んでいる所は大丈夫』
という防災、避難意識


これらのような正常性バイアス(悪い状況やリスクを想像しないでおこうとする)といわれる人の心理特性(心のクセ)にもうまく働きかけられるのではないか


様々なリスクを正しく知り、正しく想像し、正しく恐れつつ、

ナッジには、人を操るような危うさがあることも頭に入れて、倫理的な配慮と個々の思いにも寄り添えれば、


予防医学、介護予防、防災、減災、コロナ禍の感染予防、コミュニティづくりなど…


不確実性のある社会課題にも効果的にコミットできるのではないか



"たとえ100%のリスクがあっても、あえて明示しないからこそ幸せなのだ、というところが人間にはある。そのことを頭に入れて、防災を行なう必要がある"
『人が死なない防災』片田敏孝著(集英社新書、2012年)より


"防災のコミュニケーションでは、あるべき論の説得のコミュニケーションではなく、人の心理特性があるのを知り、「自分も含めた我々」「人は誰しもそんなもの」という心がまえで共感のコミュニケーションを"

"防災のコミュニケーションは、相手の視座から効果的なナッジを探し、それを実践するコミュニケーションである"

"平時における愛他性(利他性)を強調する地域防災活動は(中略)単に防災の効果にとどまらず、思いあふれるコミュニティを形成して、地域全体の幸福につながることが期待できます"

"いまの自分が要配慮者に向かい合っている姿勢は、そのまま、いまの子どもたちの育みの環境となり、将来の自分を支えてくれる人たちの姿勢に焼き映されます"

『人に寄り添う防災』片田敏孝著(集英社新書、2020年)より



だれもがあまり想像したくない(できない)災害や病気

そのような悪い状況やリスクを想像しないでおこうとする心のクセ(正常性バイアス)が人にはある

自分よりも大切な人を助けようとする愛他性(利他性)も

そんな人の心理特性を正しく知り

それらを否定することなく

「人は自分も含めてみんなそんなもんだ」と思って

態度やコミュニケーション、行動を変えることができれば


これらは、当たり前のように互いを支え合う日常生活の延長で、災害時や困った時に意識することなく助け合えるようなゆるやか、かつ、しなやかな地域コミュニティづくりにも活かせそうだ


参考)
https://ideasforgood.jp/2021/07/27/policygarage/
https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=34742
https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/110601763/
https://www.yomiuri.co.jp/choken/kijironko/ckmedical/20210727-OYT8T50051/amp/