今の仕事のひとつとして、身体介護の共に行う家事の見守り的援助の訪問介護サービスを提供している。
在宅の利用者様が好きに買い揃えたありあわせの食材で、季節にも合わせたメニューを一緒につくることを、4年近く続けてきた。
訪問介護員として、おひとり暮らしの高齢男性と買い物や料理を一緒につくるお手伝いから。
そこで感じてきたこと。
料理をつくって食べることは、相手の身になって考えること。
料理と利他の関係性を常に感じる。
利用者様ご自身のためだけでなく、利用者様のおひとり暮らしを案じるご家族に、一緒につくって味見をするわたしに、おすそ分けをし合うご近所さんにまで…
利用者様自身が周りの人たちの身になって考えることにもつながっている。
「料理をする中で、味の変化を自分で見つけて、その意味を感じ取って味わいを受けとるをことを探し味」と、料理研究家の土井善晴さんは共著『ええかげん論』(ミシマ社、2022年)の中で記している。
食べる側もつくる側も味の変化と味わいを受け取って、毎回クリエーション。
ありあわせの食材で、季節やその場に応じて即興でつくるのは、毎回毎回クリエーションで愉しい。
ほんとに"ええかげん"でやってるから、お互いにとってええかげんに自然となってる。
これが、不思議なもんで。
上記の「探し味」を、料理を利用者様と一緒になってつくる中で、探索した結果なのかもしれない。
それが"ええかげん"でいい、かつ愉しさの理由なのかなと、土井善晴さんの言葉から思い至った。
それにしても料理と利他の関係性は深い。
わかったかなと思ってたら、またわからなくなる。
まだまだ修行が足りませんな。