表題のお二人は、学者さんのなかで理想主義者、ロマン派といわれているそうだ


コロナ禍真っ只中で、たまたま本屋さんで出会った本「エレガント・シンプリシティ」サティシュ・クマール著(NHK出版、2021年)




この本をどうにか半分以上まで読んだものの、自分の頭では全く消化しきれないまま本棚に置いてあった


ここ最近でジョン・ラスキンやウィリアム・モリスのことを知る中で、この本のことをふと思い出した


なぜ今、19世紀に生きたラスキンやモリスなのか?


「人生こそ財産である」ラスキン


「生活者はみなアーティストである」モリス


これらの金言から、日々の暮らしや仕事のなかでの美しさや楽しさ、健やかさとは何かを問い直す機会を得た


読了をあきらめていた前出の本「エレガント・シンプリシティElegant  Simplicity」サティシュ・クマール著(NHK出版、2021年)の副題を思い出した


The Art of Living Well  簡素に美しく生きる〜


もう一度読み始めてみた


読み進めては、またページを戻って読み返したりして、


さらに読み進める中で、ラスキンの言葉に出合った


「明らかに見ることは、詩であり、預言であり、宗教である」


深く見ることを重視したラスキンならではの言葉なのかもしれない


deep seeing 深く見る」


自分のなかでジョン・ラスキンとサティシュ・クマールがはじめてつながった瞬間だ


そこから"わかる"が自分のなかで大きく進んだ


難しくて仕方なかった一冊が一転してたのしくなってきた


美しい言葉たちに魅了されている


「シンプルさのなかにこそ美しさが宿る」


「より少ないモノでよりよく生きるアート(技術)」


「大切なのは所有より存在、持つことhavingより、あることbeing


「私たちのだれもがアーティストにも職人にもなれる可能性を秘めている」


Learning by Doing ラーニング・バイ・ドゥーイング "することによって学ぶ"という考え方をとり戻すこと」


「頭head、こころHeart、手handsの3つのHの調和が必要だ」


「人と人とのつながりは義務ではない。それはむしろ、わたしたちの存在そのものの基盤だ」


「関係性と友情は、正真正銘の根源的な愛から生まれる果実なのだ」


「ありのままの自分を受けいれることと、その自分を愛することで、ありのままの他者を受けいれ、愛することが可能となる。これが"あいだ存在 Inter Beingインタービーイング"のありようだ」


「わたしたちはみな相互に依存しあう存在」


「科学を通して、スピリチュアリティを通して、私たちはいつも新しい洞察や知恵を探している」


「自分を大切にすることは利己主義ではない」


「第一、隣に住んでいる人のことも知らないで、どうやってスピリチュアリティを発揮したり、よき関係を結んだりすることができるだろう?」


「意味ある人間関係を培うには、小さなコミュニティが必要であり、人間らしいスケールをもつ社会をつくる必要がある」


「モノが余計にない、簡素でスッキリした生きかたをすることは、快適な生活をあきらめることではない。『美』は所有するものを最小化し、同時に心地よさを最大化することのなかに内在している。過剰は混乱を、簡素は清澄を生む」


それら言葉の端々に、日々の生活や暮らし、仕事とのつながりを少しずつではあるが感じることができるようになってきた


これらは、今住んでいるマンションの方々と試みているゆるやかなつながりづくりのヒントにもなるはずだ


これからもいろいろと難しいことはあるでしょう


でも…


「正と誤の違いを超えたところに野原がある、そこで会おう」

ジャラール・ウッディーン・ルーミー(詩人)