このところ、マウナケアのTMTのプロテクト運動のおかげで、ハワイアンの歴史、ハワイの文化を学び直す機会がグンと増えた。
そしてそれと同時にハワイのことを学びはじめた当時に想いを馳せる機会も。
私がハワイ島に引っ越して来たのは2000年のこと。
その年の前半は日本とハワイを行ったり来たりしていたのだけど、どうしてもここで腰を据えて暮らしたいと、その年の終わりのほうになって学生ビザをとって渡ってきた。
ハワイ文化の奥深さにすでに魅せられていた私は、ハワイのことをもっと知りたくて、それならハワイ大学に入学してハワイアンスタディズ専攻になれば、一挙両得。
学生ビザもとれるし、ハワイのことも学べる!とあまり多くのことは考えず、ぽんと移住してきて、ぽんとハワイ大学ヒロ校 Ka Haka ʻUla O Keʻelikōlaniに入学した。
入ってみて気づいたのは、「ハワイ文化に興味がある」と入学した「外の人」はほんの一部で、大部分のクラスメイトは自分のハワイアンとしてのアイデンティティで生きぬくために、ハワイ文化の継承者としてさらなる学をつけるために、そんな人たちばかりということ。
そんな中でいくつかのクラスが一緒だったのが、このカウマカイヴァ・カナカオレ。
この動画の中で言っている、
"When hule is performed, the desired outcome is transcendence to be able to leave the vessel and transforme a space around you."
「フラを踊る時、求められるものは
乗り物(肉体)から離れ、自分の周りの空間を変化させるような"超越"。」
大学で「オリ」のクラスがあって、一人一人が前に出て、オリを発表するというときがあった。
そのクラスの教授はメリーモナークでも長いこと審査員を務めていたカレナ・シルヴァ。
ʻiO(鷹)のような目で生徒を見つめている。
今でもはっきり覚えている。
カウマカイヴァが「次、やります!」というふうに教室の前に出て、床にすわって、すうっと息をすった。
そして始まったオリ。
一瞬にして空気が変わった。
時間にしたらほんの数分だったと思うのだけど、次元がシフトしたみたいだった。
オリがおわって、その余韻でシーンと静まり返る教室。
数秒するとみんながこの世界に戻ってきて沸き起こるため息と拍手。
鷹の目も和らいでいた 笑。
(が、次の人がやりづらかったのは言うまでもない😅)
この動画をみて、ああ、まさに彼女がしたことはそれだったんだな、とそのときのことを思い出したのでブログ書くことにした次第です。
超越といえば、彼は男ー女という枠も、人間ー神という枠も超越してしまっているよう。
おそるべし、ハワイアン。
ついでに、せっかくなので最初のハワイ語の部分。
動画にも日本語訳ついてるけど、違う訳があるともっとニュアンスが伝わるかなとおもって書いておきます。
あえて直訳にしてます。日本語としては美しくないけどね。
He aha kēia mea o ka hula?
フラとは何か。
ʻOiai he nīnau laulā kēnā,
それはとても大きな質問だけど、
ʻo ka hula, ka haka e kō ai, a e holomua ai, a e ʻike ai i ka ʻike kupuna o ko kākou ʻāina, o ko kākou kahua.
フラとは、私たちの土地の、そして基盤のクプナ(年長者、祖先)の知恵を、続け、進み、知るための止まり木。
ʻO ia ka hula.
それがフラ。
8/30 追記:
3行目の、"haka"という単語、鳥などがとまる止まり木、もしくは棚など、何かが止まるところ、乗るところ、といった意味ですが、辞書をもう一度みてみたら「メディアム(媒体、媒介、霊媒)」という訳もありました。
このほうが、意味はわかりやすいですね。 「フラとは、(省略)媒体。」
でも「止まり木」って、私の中ではつかみどころのないものが、鳥がそこに止まるように姿をあらわす場所、ってイメージでこの会話をしたお友達もその訳好きって言ってくれたので、上はこのまま残しておきます。