ブックカバーチャレンジ ホクレアと私 | 「ハレ ロミロミ オ ケカイマリノ」オーナーブログ  Nohona Hawai'i ーハワイ島暮らしー

「ハレ ロミロミ オ ケカイマリノ」オーナーブログ  Nohona Hawai'i ーハワイ島暮らしー

ハワイ島で「ハワイアンから見たハワイ」をシェアするプログラムThe Roots Of Aloha やロミロミのスクール&クリニック「ハレ ロミロミ オ ケカイマリノ」のオーナーをしています。そんな私のハワイでの生活、Nohona Hawai'i。

Facebookであげたものなんだけど、せっかくの長文なのでこちらにも載せておきます!

 

(以下転載)

 

#ブックカバーチャレンジ 2日目

 

ルール無視しまくりの私のブックカバーチャレンジ。
「毎日、1冊ずつ紹介」するものらしいのですが、今回は一気に3冊。
しかも長文です 笑。

 

 

************

私が本格的にハワイ島に住み出す前の2000年2月27日のこと。
初めての長期滞在で、オアフ島マカハにステイしていた私は、せっかく3ヶ月もハワイにいるのだからと、モロカイ島を訪れることにした。
その時、腕にには作ったばかりのハワイアンジュエリーのバングル、ロミロミのクムからもらったKawahineokekaiという名前入り。

 

ホテルモロカイに到着してチェックイン手続きをしていると、私のバングルを見たフロントデスクのアンティが「ちょうど今日あなたにぴったりのイベントがあるわよ、行って見たら?」と教えてくれた。
Ka wahine o ke kaiというのは「海の女」という意。

 

なにやらハワイアンカヌーがカウナカカイに到着するのでその歓迎イベントがあるらしい。
よく事情がわからなかったが、ハワイのことはなんでも体験したかった当時の私はとりあえず行ってみることにした。

港についてみるとそこにはたくさんの人々が集まっていて(今思えばモロカイ中の人たちが来ていたのではないだろうか)、そしてその人垣の向こうに大きなカヌーが停泊していた。
儀式的なことが終わったばかりのような雰囲気で、港にはフラの衣装をつけた人たちもいる。その群衆の中へクルー達が降りて来た。
会う人会う人にハグや握手をしながら。
観光イベントでは味わえない圧倒されるような雰囲気を肌で感じて、でもこれが一体どんなカヌーでなんで人々はこんなに彼らを歓迎し、讃えているのかはわからないまま、日も暮れて来たのでホテルに戻ることにした。

 

 

 

 

その日だったか次の日だったか夕食の後、ホテル内のお土産物屋さんでぶらぶらしていたら後ろから声をかけられた。
「日本から来たの?」
振り返ってみると、本や雑誌で見たことのあるお顔。
ニック加藤さんだった。

「ニック加藤さんですよね? わたし本、持っています。」
というと
「ああ、そう」
と喜んでくれて、その後プールサイドでしばらくおしゃべりをした。

 

ニックさんが教えてくれたのは、あのカヌーはホクレアというカヌーで、記念すべき航海を終えてハワイに戻って来たこと(正確には25周年記念航海でタヒチ経由、ラパヌイの8ヶ月に渡る航海から戻って来た)、本来はハワイ島に到着する予定だったのだけど天候の理由で急遽モロカイに入港することになって、ニックさんは慌てて飛行機に飛び乗ってモロカイまで追いかけて来たということ。
でも到着時間が遅すぎて港でのイベントには間に合わなかったらしい。

 

モロカイの夜風に吹かれながら初めて聞くホクレアの話。
星で方向を導き出す?エンジンがない??
なんだかすごい話。

その後、手にしたのがこの本。

 

 

「星の航海師 ナイノア・トンプソンの肖像」 星川淳

 

 

 

ホクレアの始まり、ナビゲーターを探すまでの苦悩、事故、、、一気にホクレアに引き込まれる。
そしてハワイのことをもっともっと知りたくなる。

 

ハワイに滞在すればするほど、知れば知るほど、その魅力にとりつかれた私は、その年末には学生ビザを取りハワイ島に移住。
ハワイ大学に入り、本格的にハワイアンスタディズを学ぶことにした。

 

 

 

そして、時は流れ、2007年ホクレアが日本にも航海。
私は大学を卒業し、OPT(学校を卒業すると1年働ける制度)で働いていた。

 

(余談だけど働いていたのがハワイアンイマージョンスクールで「漢字で書くハワイ語」という摩訶不思議なクラスを教えていたので、その漢字で書いたハワイ語のお手紙を知り合いのホクレアクルーに託して日本に届けたりもした。が、受け取った方は漢字の羅列で「????」だったろうなあ。)

 

すっかりハワイ生活が日常になり、「ハワイを語る日本人」に辟易していた時でもある。(自分もそのひとりなのにね😅)
でも、ぶっちゃけ中身の薄いハワイエッセー本とか、旅行記がたくさん出版されてもいたのも事実。
そういう本はたいてい「ハワイではいつも、、、」「ハワイでは誰もが、、、」的な表現が多くて、事実と異なることが本当に多い。それはあなたが体験したことが、出会った人がたまたまそうだったんでしょ、と言いたくなる。

 

そしてこの航海に参加していた日本人のクルー 内野加奈子さんが、航海記を出版する。

それが本日2冊目にご紹介する

 

 

「ホクレア 星が教えてくれる道」内野加奈子

 

 

 

 

また「ハワイでは、、、」系の本かなとあまり期待せずに読んだら全然ハワイ語りの本ではなかった。

「カヌーで広大な海を航海する」という、私自身は生涯体験しえないいわばとてつもなく非日常の世界が、日本人で、女性で、多分世代的にもそう離れてはいないであろうカナさんの言葉で語られている。
知ったかぶりの知識ではなくて、自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じたこと。心に残った仲間のクルーの言葉。

最後、日本の大地が見えて来たところの描写は美しく、ああ、カヌーから自分の生まれた土地を見るってこういうことなんだなあ、と疑似体験させてくれる。


日本人としてハワイアンコミュニティにいる自分の立ち位置というのも、うまい言葉が見つからないけど共感というか、感じ入る部分が多々あった。

 

 

 

さて、最後はニック加藤さんの本。


ニックさんに出会う前に読んでいたのは「誰も知らないハワイ」という本。
ニックさんの写真と文から伝わってくるノスタルジックなハワイ島にそうそう、私が好きなハワイもこういうハワイ!と思ったもの。

 

いわば憧れの世界のような感じだったのにハワイ島に住むようになったら、ニックさんはその辺でよくばったり会うおじさんになった。(4マイルズビーチに行けば大抵いる 笑)

 

その後、第2弾が発売されたので買ってみたら、モロカイの時のことが書いてあった。(私のことはもちろん書いてませんが。)

 

 

「誰も知らないハワイ もうひとつ」 ニック加藤

 

 

 

そういえば、内野加奈子さんもその後、友人を介して会うことがあって、その時はなぜだかうちの引越しに伴う掃除を手伝ってもらったんだっけ。
とても気さくな素敵女子でした。
今はどうされているんだろう?

 

こんな感じで、ホクレアと私はすごーく近づくことはないんだけど、私のハワイの暮らしの最初から存在していて、その節々で顔をのぞかせる。
今は亡きマウさんと飲んだこともあるし、ホクレアのワールドワイドボヤージの始まりのセレモニーにもロミロミで参加したっけね。

 

 

ハワイはこんな引き寄せのような不思議な縁や、不思議なタイミングでことが運ぶことがある。

 

 

次回はその極みみたいな本をご紹介したいと思う。