化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
ノラ犬となった化粧品犬が、面白いと思った情報を発信していくブログです。
化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬のオリジナル製品 発売中

yahoo!ショッッピング パームアミノ・ラボ ストアにて、「アミノコルベイユ オールインワンジェルクリーム」を販売しています。

アミノコルベイユオールインワンジェルクリームの関連エントリーは、こちらです


【化粧品犬のオリジナル化粧品】アミノコルベイユオールインワンジェルクリームの告知及び解析のまとめ


化粧品犬ブログ 総合目次
最近の更新履歴
2019.12.29花王エッセンシャルflat モイスト&モイスト シャンプートリートメントの解析1概要編を追加
019.12.31花王エッセンシャルflat モイスト&モイスト の解析2シャンプー解析編を追加
2020.1.18花王エッセンシャルflat モイスト&モイスト の解析3トリートメント解析編を追加
2020.1.30第10回 化粧品開発展に行きました。そこで再び海藻石けんを作ってみる。を追加
2020.2.7コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析1 概要編を追加
2020.4.5コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析2 シャンプー解析編 を追加
2020.4.17コーセー ジュレームアミノシュプリーム(サテンスリーク)の解析3 トリートメント解析編 を追加
2020.4.23資生堂 IHADA(イハダ)薬用UVスクリーンの「解析1 概要編 を追加
2020.45.8資生堂 IHADA(イハダ)薬用UVスクリーンの解析2 処方解析編(前編) を追加
2021.1.20花王ビオレUV アスリズム サンバーンプロテクトミルクの解析 を追加
2021.5.17ラ ロッシュ ポゼ の日焼け止め化粧下地UVイデア XL ローズ ピンクの解析を追加




会社別 処方解析エントリー
【化粧品犬のオリジナル化粧品】アミノコルベイユ(パームアミノ・ラボ) 2018.3.23更新
P&G 2016.4.1更新
彩り(mogans) 2015.12.30更新
花王 2021.1.20更新
カネボウ 2015.6.2更新
牛乳石鹸 2017.10.21更新
クラシエ 2019.1.22更新
コーセー 2020.4.17更新
資生堂 2020.5.8更新
ジャパン ゲートウェイ 2017.1.9更新
ジョンソン・エンド・ジョンソン 2016.3.20更新
ジョンマスターオーガニック
ステラシード2018.9.4更新
ストーリア(モイスト・ダイアン)2016.4.29更新
第一三共ヘルスケア
パラドゥ(ピアス)2015.7.30更新
ピジョン2016.10.24更新
ファンケル2017.10.30更新
富士フィルム(アスタリフト)2015.7.15更新
フマキラー(スキンべープ)2016.6.18更新
ボーテ・ド・モード(アーユルビオ)2015.12.12更新
ポーラ2016.12.30更新
ボールトン・パーティSHUAWA(シュアワ)2016.3.2更新
メイベリン2015.7.9更新
ユニリーバ2018.2.18更新
ライオン 2017.04.29更新
LIB JAPAN(ハニーチェ) 2016.7.8更新
ロート製薬 2018.6.17更新

その他のメーカー 2016.1.30更新

自腹で外部に分析を依頼するシリーズ
自腹で外部に分析を依頼するシリーズの全エントリー


安全性
安全性関係の全エントリー
安全性関係の最新エントリー
抗菌石けんの有効性についての、その後2016.9.10追加
サイトジャパン2017(化粧品産業技術展)での収穫1 紫外線吸収剤のこと2017.6.5追加
サイトジャパン2017(化粧品産業技術展)での収穫2 謎のアニオン洗浄剤のこと2017.6.7追加
2018.6.27真剣なコメントなので真剣に返信(防腐剤関係)を追加
2018.10.20ヘキサンジオールについての、よくある間違いを追加

実験・試作
洗顔フォームを作る
皮膚水分量計についての話
皮膚水分量計を使った実際の評価
ウエットタイプのフェイスマスクを試作してみる2017.1.17追加
ウエットタイプのフェイスマスクを試作してみる(その2)窒素を封入してみる2017.1.27追加
日焼け止めに配合される、酸化チタン の分散性を上げるを2019.2.3追加

手作り石けん関係
手作り石けん関係の全エントリー
手作り石けん関係の最新エントリー
CPソープの差し色として、透明石けんを使う 2016.1.16追加
石けん教室ClassAさんのショップセールで、石けんモールドをチェック! 2016.1.18追加
透明石けんの発展形 2016.1.28追加
「作りやすく見栄えの良い石けん」を作る 2016.4.27追加
スワール模様の石けんを作る2017.2.18追加
第10回 化粧品開発展に行きました。そこで再び海藻石けんを作ってみる。2020.1.30追加

アロマテラピー
アロマの話
アロマの話(続き)
アロマの話(完結編)
ゼラニウムは、目立たないけど良いアロマですという話
ゼラニウムは、目立たないけど良いアロマですという話(続き)
ゼラニウムは、目立たないけど良いアロマですという話(おまけ)
レモンユーカリ油と虫除け剤について2016.6.10追加
Amebaでブログを始めよう!

化粧品犬です。

生きてます。

 

ちゃんと仕事もしてました(^_^;)

 

久しぶりにエントリー追加します。

 

今回取り上げるのは、ラ ロッシュ ポゼ の、日やけ止め・化粧下地UVイデア XL プロテクショントーンアップローズ ピンク 30ml です。

 

 

仕事がらみで頼まれたのですが、最近人気があるらしいですね。

 

実は今回は、仕事を依頼された会社から、社名や依頼内容を公開しても良いとの許可を貰っています!

これは珍しい・・・というか、初めてですね。

そんなわけで、ご迷惑をかけない範囲でぶっちゃけていきます!

 

まず依頼社は、積水化成品工業(株)様。

各種の発泡プラスチックス、有機ポリマー微粒子、高分子ゲルなどの製造・加工・および販売をされている会社様です。

化粧品としては、有機ポリマー微粒子の拡販に力を入れている、化粧品原料会社と言うことになります。

この会社の有機ポリマー微粒子とは具体的には、球状のPMMR微粒子ですね。

PMMRとは化学名でポリメチルメタクリレート。化粧品表示名では、ポリメタクリル酸メチルになるものです。商品名は、テクポリマーです。

テクポリマー

http://www.tech-p.com

化粧品犬が評価したところでは、これ配合すると、日明け止めのSPFやPAが、ズドン!と上がるのです。顕著な効果があるのは珍しいです。それ自体には紫外線吸収効果は無いのですが(^_^;)

 

そのテクポリマーに、近赤外線カット機能を付与した新番手ができたそうで、これを評価してみると、SPFやPA向上効果が更に高い(^_^;)

そこで、このテクポリマーを売れ筋の商品をモデルにした処方に配合し、展示会で見せたら商談しやすいのでは?となったわけです。

モデルにするのが、ラロッシュポゼの日焼け止め下地(^_^;)

 

そんなわけで、商品の解析から、それを試作可能なモデル処方に落とし込み、そして実際の試作までやらねばなりません。

燃える展開ですね(^_^;)

 

ただ開発期間がとても短い(^_^;)

まあ、それはさておき、始めましょう。

 

 

 

ラ ロッシュ ポゼ社については知らなかったのですが、調べてみると、ロレアルの子会社ですね。まあ、メイベリンとかも、ロレアル傘下ですからね。

 

ロレアル傘下の会社

http://www.nihon-loreal.jp/brands/

 

この製品、ロレアル傘下だけあって、処方内容としては独特な見所が満載です(^_^;)

また処方の根っこがヨーロッパなので、日本の日焼け止めと異なる点が多い。

長くなりそうなので、最初に箇条書きでまとめてみます。

 

 

●ラ ロッシュ ポゼ の日やけ止め化粧下地UVイデア XLの処方上の特徴

1)ロレアルの独自紫外線吸収材を使用

2)しかし普通のケミカルな紫外線吸収材(BASF社品など)も、バッチリ使用。

3)シリコン油を使用していない。そのため乳化剤もシリコン系統のものを使っていない。

4)天然油を多用する。しかし、鉱物油も禁止ではなく必要なら使う。

 

日焼け止めに興味がある人ほど、興味深い内容だと思います。

 

化粧品犬の体調もいまいちなので、早速解析してみましょう。

いつものように、裏面表示から解析します。

今回は比較しやすいように、日本の代表として、花王さんのアスリズムのミルクを並べてみます。日本製品の典型的な例です。

 

 

 

こんな感じになりました。

 

 

表の上の方から見て行きます。

 

まず、油性成分のパート。

アスリズムは、揮発性シリコン油のシクロペンタシロキサンとジメチコンが多いです。日本の日焼け止めとしては王道の作りですね。

 

それに対してラロッシュポゼは、何故かスクワランが多いです(^_^;)

スクワランは天然油の割には使 用感は軽めで、酸化されにくいので日焼け止めには適しているのですが、シリコンに比べればべったりしてしまいます。

アスリズムはその後に、スクワラン似だが石油由来の水添ポリイソブテン、エステル油のパルミチン酸イソプロピルと軽い使用感の油が続き、その後に皮膜形成剤の

アルキル(C30ー45)ジメチルシリルポリプロピルシルセスキオキサン

が配合されています。皮膜形成剤というのは、ウォータープルーフ性を高めル原料です。

この辺りも実に日本的です。

 

それに対してラロッシュポゼは、スクワランの後は、ステアリン酸、セチルリン酸Kと脂肪酸系の原料が続きます。脂肪酸系原料はその後も、ミリスチン酸、パルミチン酸と、やたらと多く配合されている印象です。この脂肪酸系原料の役割としては、やはりウォータープルーフ性を高めることにあるようです。

ステアリン酸やパルミチン酸だけ見ていると、汎用原料過ぎて、目的が分からないのですが、やや変わっているセチルリン酸Kを調べると、

Cosmetic Infoさんからリンクをたどると、

以下の説明があります。

 

セチルリン酸K(アンフィソルK:DSM社)

https://www.cosmetic-info.jp/mate/detail.php?id=7471

「O/W乳化、ポリマー乳化等に耐水性(ウォータープルーフ)効果を付与し、乳化を安定にする乳化助剤。」

 

この原料を取り扱っている会社としては、DSM}社の他に、コロニアルケミカル(MICトレーディング)、クローダ)、DKSH社などがあるのですが、全て外資系。この技術が、海外では定番の技術である事がうかがえます。

 

アスリズムもステアリン酸のみ配合されてますね。

実は資生堂さんでも、アネッサミルクの「アクアブースター効果」の重要要素として、ステアリン酸を挙げています。

 

ラロッシュポゼの他の成分としては、いかにも天然系油脂の、シアバター油粕エキス(よくは知りませんが)、乳化効果がある油剤のステアリン酸グリセリル。石油由来のイソヘキサデカンが配合されています。

イソヘキサデカンは、石油由来で、やや唐突感がありますが、

これは乳化剤のパートに分類したポリソルベート80、保湿剤香料その他に分類した(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと合わせて、3種のミックス原料として販売されているものです。たぶん、このタウリン系ポリマーをつかいたかったのでしょうが、他の原料もついてくる(^_^;)、ということです。

ただ、この原料のメーカーはフランスのセピック社なのですが、日本の総代理店(成和化成)だと扱って無く、入手は困難です(類似品は入手可能)。カタログにはあったので、じきに手に入るかもしれませんが。。。またポリマー単品としては、最近日本モンサントが扱うようになってますね。ビジネスに停滞無しです。

油性原料はこれでだいたい終わり。

 

次は紫外線吸収剤のパートを見て行きましょう

まずこれまでのおさらいとして(^_^;)

 

アスリズムのほうを軽く見ておきます。

液状のUVB波吸収剤である、

・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル

が多く配合され、そこに固形のUVA波吸収剤である

・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル

と、やはり固形のUVA+UVB波吸収剤である

・ビジエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン

を溶解させてて使用するという、日本的に鉄板の構成です。

これで、UVAからUVBまで幅広く肌を守れます。

更に、主にUVB防御に効果がある酸化チタンと、UVA防御に効果がある酸化亜鉛を加えてあるわけです。

対して、ラロッシュポゼはどうか?

見てみると、よそでは見た事の無い、2つの紫外線吸収剤ふぁ配合されてます。

 

・ドロメトリゾールトリシロキサン

・テレフタリリデンジカンフルスルホン酸

です。これらがロレアルオリジナルの紫外線吸収剤です。特許も出してるし、ちゃんと紫外線吸収剤として日本での登録も出しています。

外販していないのでカタログ等がなく、この西の詳細にはわからないことが多いのですが、各種資料より読み取ると、前者はUVA+UVB吸収剤、後者はUVA吸収剤のようです。

詳細を知りたい方は、いつも御世話になっている、化粧品成分オンラインさんを参照です。

 

ドロメトリゾールトリシロキサンとは…成分効果と毒性を解説(化粧品成分オンライン)

https://cosmetic-ingredients.org/uv-protect/ドロメトリゾールトリシロキサンの効果と毒性/

 

テレフタリリデンジカンフルスルホン酸とは…成分効果と毒性を解説(化粧品成分オンライン)

https://cosmetic-ingredients.org/uv-protect/terephthalylidene-dicamphor-sulfonic-acid/

 

安全性は、それなりに高そうですが、申請の手間を省いたらしく日本国内では粘膜へは使えません。これを忘れたらしく、ロレアルらしからぬ、リップクリームの回収騒ぎになっています(^_^;)

 

化粧品回収の概要 販売名 ラ ロッシュ ポゼ アンテリオス スティッ

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kaisyu/kaisyuu2004-2-1486.html

 

 

ちなみにこの回収報告のページ、結構自爆して読めません。

その時は下記の操作を試してみて下さい(Mac用しかありませんが)

MacのSafariの場合:メニューの表示→テキストエンコーディング→日本語(EUC)の順に選択します。

MacのFireFoxの場合:メニューの表示→テキストエンコーディング→自動識の順に選択します。

 

この2種のロレアル謹製の紫外線吸収剤以外には、一般的な4種の紫外紫外線吸収剤か使われており、そのこのうち三種は花王品と同じ物です。

繰り返しになるけど、具体的には、

・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(UVB吸収剤)

・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルU(VA波吸収剤)

・ビジエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンU(UVA+UVB波吸収剤)

ですね。

最後の一種の紫外線吸収剤はエチルヘキシルトリアゾンといって、UVB吸収剤です。これは1990年代から使われている、比較的新しいUVB吸収剤で、光安定性が高いこと(日光で分解しにくい)、肌刺激が少ないことを特徴としています。

まあ今回出てきた紫外線吸収剤は、溶媒としての機能もあるメトキシケイヒ酸エチルヘキシル以外は、全て光安定性は高い(光で分解しない)です。

 

 

次は乳化剤のパート。

花王さんの方はシリコン油が多いため、PEG-12ジメチコン、PEG-3ジメチコンというシリコン系の乳化剤です。シリコン油にはシリコン系の乳化剤が有利と言われているのです。

一般的な日本の製品は、大体こんな感じです。

対してラロッシュポゼは、

ステアリン酸PEG-100、ポリソルベート80、オレイン酸ソルビタンと、シリコン系を全く使っていません。まず、ポリソルベート80はプレミックス原料の一部なので考えないとして。残りは、HLB]が高い(親水性の高い)ステアリン酸PEG-100と、HLBの低い(親油性の高い)乳化剤のオレイン酸ソルビタンの組み合わせになります。

この製品、親水性の高い物と親油性の高い物を組み合わせて乳化を調節するという、意外に基本踊りの作りでした。

 

次は粉体、顔料ノパート。

 

花王のものは酸化亜鉛、酸化チタンを主成分とする、いかにも日本の日焼け止め的な組成でsう。

対してラロッシュポゼは、まずUVAを防ぐ酸化亜鉛が配合されていない。これはロレアル謹製の2種の吸収剤ともに、UVA吸収効果があり、また、その他の4週の吸収剤のうち、UVA吸収効果のあるものが2つもある、ということで、UVA吸収効果は十分と言うことで酸化亜鉛を省いたのでしょう。日本製品なら、酸化亜鉛を配合して吸収剤のほうを外しそうですが、本製品ではロレアル謹製の吸収剤を使う、ということを優先したのですね。

 

それ以外は、滑り性を増すナイロンパウダー、光散乱性を加えるマイカなど日焼け止め下地としてごく普通の内容です。

 

次は防腐剤のパート。

フェノキシエタノール、ソルビン酸Kという、一般的な物です。ただ、保湿剤に分類しましたが、防腐剤ではないが防腐効果のあるカプリリルグリコールが配合されています。

 

カプリリルグリコールは実用濃度では問題ないという意見もあるのですが。

例えば、以下の化粧品成分オンラインさんのリンクなどですね。

 

化粧品成分オンライン カプリリルグリコールとは…成分効果と毒性を解説

https://cosmetic-ingredients.org/base/カプリリルグリコールの成分効果と毒性/

 

ただ、例えば防腐剤のメチパラやフェノキシエタノールなども実用濃度ではほとんど問題はないのです。これらは配合上限量も法律で決められてますしね。

 

カプリリルグリコールは、in vivo試験では、パラベンやフェノキシエタノールよりも刺激があるという結果もあるのです。

これは、例えば、下記リンク参照です。

 

アデカノール CHG  (p.7)ヒト 3 次元培養皮膚モデルを用いた刺激性試験 

https://www.adeka.co.jp/chemical/catalog/pdf/adeka_CHG.pdf

 

そしてカプリリルグリコールは防腐剤似分類されてないので、上限設定がない(^_^;)

ろなると、入れ過ぎなどはないと、ロレアルを信用スるしかありません、。

そこがちょっと、嫌なところです。

 

 

最後に保湿剤、香料、その他のパート。

いくつかコンセプト成分がありますね。

サーマスサーモフィルス培養物とか。これは深海に生息する好熱性細菌サーマス属微生物から得たエキスで、アンチエイジング効果が高いものだそうです。

 

それ以外は普通なのですが、ちょっと変わってるのは、増粘剤が多い事です。

プレミックス原料として上述した、タウリン系の(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの他に、多糖類のキサンタンガムと、アクリル酸系のカルボマーも配合され、中和のためか有機アミンのTEAとトロメタミンが配合されています。

TEA’(トリエタノールアミン)は、発がん性物質のニトロソアミン問題で、欧州では全く使われていないと思っていましたが。。。

以下のエントリーも昔書いたのですが、最近変わったようですね。

 

トリエタノールアミンの発がん性について(化粧品犬)

https://ameblo.jp/kesyouhinken/entry-12021400874.html

 

最近EU内で起こった、下記の事件も影響しているのかな。

 

医薬品におけるニトロソアミン類(NDMA・NDEA)の生成経路を解説

https://www.eurofins.co.jp/ユーロフィン分析科学研究所株式会社/技術コラム/医薬品におけるニトロソアミン類の生成経路を解説/

 

日本は昔からトリエタノールアミンやジエタノアミドを使ってきたので、ヨーロッパが日本の原料を排斥するために、ニトロソアミン問題に固執してきたのかなと、疑っています(^_^;)

まあいいけどね。

 

BASFにトリエタノールアミンも、ニトロソアミン量を表示して済ませているなあ。

 

Triethanolamine Care(Cosmetic-Info.jp)

https://www.cosmetic-info.jp/mate/detail.php?id=16313

 

トロメタミンは、有機アミンの一種で、化粧品原料推しては最近出てきたもの。医薬品では広く使われてているらしい。紫外線吸収剤の可溶化剤として、カルボマーの中和剤として使用できるものらしい。使ってみたいな〜。

 

 

このあたりで、化イズ機片は終了。

 

今回は、積水化成品工業さんも許可を貰っているので、ここから、実践編というか実際のサンプル試作編にすすぬ予定(^_^;)

まあそのままは試作はできないので(ロレアルの紫外線吸収剤なんて手に入らないし

いろいろ変えてできることをやっていくと(^_^;)

あまり長いと疲れるので、次回のテーマにします。

 

今回作った処方は、2021/5/19〜2021/5/21に横浜で開かれる、サイトジャパン2021の積水化成品工業さんのブースに置かれる予定。

サイトジャパン202

https://www.citejapan.info

 

展示会に行かれるかたは、ぜひブースにお寄りください。SPFブースト効果もだぶデータをとったし(なにが使われるかは知らないけど)

化粧品犬も顔を出す予定。化粧品犬は会場フラフラしてるだけなんだけど、質問があれば、ブースに呼んでもらえるようにしておきます。

申し訳ないけど、一般のからは入れないイベントです。

 

 

化粧品犬です。

相変わらず、リハビリに通っています(^_^;)

 

しかし、仕事がらみでネタがタマッテきてしまうんですよね。

 

視力が落ちていて長いエントリーは辛いため、今回は簡単にやらせて貰います(^_^;)

たぶん誤字脱字量も多くなると思いますが、ご勘弁ください。

 

今回取り上げるのは、2020/3/7に発売された、ビオレ UV アスリズム  サンバーンプロテクトミルクです。

 

外観は以下。

 

●概要

ニュースリリースは以下です。

 

 

不快なじりじり太陽光*1 から肌を守る。強力紫外線と近赤外線をダブルブロック。『ビオレ UV アスリズム サンバーンプロテクトミルク』新発売

 

https://www.kao.com/jp/corporate/news/products/2020/20200121-001/

 

これまでのビオレUVの アスリズム シリーズについての、化粧品犬ブログのエントリーはこちら。

 

2019.11.26花王 ビオレUV(2019)の解析4 アスリズム スキンプロテクトエッセンス(2019) 処方解析編を追加

2019.12.22花王 ビオレUV(2019)の解析5 アスリズム スキンプロテクトミルク(2019) 処方解析編を追加

 

アスリズム シリーズには、既にW/Oタイプ日焼け止めみるくはあるのですが、これはさらに近赤外線カット期のを持たせた製品です。

 

ビオレUVは基本は2年おきに大きなリニューアルを行うのですが、2019年に行ったので、本来2020年は休みの年なんですよ。それなのに、新機能をひっさげての新製品を出しってて(^_^;)

如何にこのアスリズムに力をいれているかがうかがわれます。

 

しかし、近赤外線、、、、あまり聞いたこと無いですよね。

 

近赤外線については、以下のリンクで勉強(^_^;)

花王HPだけど、東京女子医科大学名誉教授の川島 眞先生を大きく取りあげている

川島先生は、現在の日本の皮膚科では最も偉い先生のなのです。

川島先生を担いだことで、今回のマーケティングは成功なんですよ。        

 

2020-01-21アウタースキンラボ(花王HP内)

今、注目される近赤外線とは 専門医に聞く!近赤外線ダメージと対策 第1回 太陽光ケアの最前線。

https://outerskin.jp/ir/kawashima_1.html

 

 

●処方内容解析

このアスリズムサンバーンプロテクトミルク(2020)の処方内容は、前年に発売されたアスリズム スキンプロテクトミルク(2019)に見ています。

チョコチョコ都変更はあるのですが、日焼け止めショホウとしての組み立てわ同一です。

 

大きな違いは、サンバーンプロテクトミルクは、ベージュ色に着色されていると言うことと、近赤外線んカット機能ガッ付与されているということでしょう。

ベージュ色の着色は、処方としては酸化鉄の配合で赤くするだけなので、特に目新しいものではありませんが。

なぜベージュにする必要があったのかは、、考察する必要があります。

 

この製品の売りの近赤外線カット効果ですが、その効果の主体は何なのか。

 

花王のHPをくまなく読むと、ちゃんと書いてあります(^_^;)

 

 

アウタースキンラボ第2回 近赤外線までカットし、ジリジリ感を防ぐという新たな挑戦!「具体的な技術としては…これまで採用していた球状の酸化チタンでは波長の長い近赤外線はすり抜けてしまうので、長い波長にも対応できるよう板状の素材を開発。酸化チタンの膜厚をコントロールし、可視光線は通しながら近赤外線だけを選択的に防ぐ技術を採用しました。」

 

https://outerskin.jp/ir/monji_2.html

 

というわけで、近赤外線カット効果の主体は板状酸化チタンなんですね。

実際の処方ではどうなのか、」気になる所です。

 

そこで、いつものように裏面表示を解析してみます。

 

今回は同じアスリズムのミルク(2019)と比較してみました。

 

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にグルーピングし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

 

こんな感じになりました。

 

アスリズムのミルク(2019)と比較してみると。

2019年ののアスリズムのミルクでは酸化亜鉛が多いのに、サンバーンミルクでは酸化チタンのほうが、多くなっています

また酸化チタンの配合順位が上がっている事から分かるように、花王さんは効果を出すために、板状酸化チタンをけっこう多く配合したようですね。

 

@cosmeを読んでも、「乾きやすい」とか「服に付く」とか「白浮きが気になる」などの意散見されます。

真面目に作った効果が裏目に出てしまったようですね。

先に挙げた、「なぜベージュ色か?」というのも、チタンは白いので、酸化チタンの多量配合による白浮きを隠すためだと思います。

 

最近の日やけ止めミルクは、酸化亜鉛を増やして酸化チタンは少なくするのが定石なんですよ。

酸化チタンのUVB波散乱効果は、ケミカルな紫外線吸収剤でも結構代替出来ますから。

酸化亜鉛だけなら、あまり白くならないし(^_^;)

なので、サンバーンプロテクトミルクは、最近のトレンドからは、完全に逆行しています、、、なので、ちょっと古い使用感に思えてしまうのが、残念です。

 

ちなみに、@cosmeでは、クチコミ 91件 注目人数 126人。ここまではなかなかなのですが、

評価点はそれほど高くなく3.1点どまりでした。

 

さらに。近赤外線カット効果は実験でも意外に捉えにくく、製品の差を出しにくいことも分かっています。花王さん自身、陽射しによる皮膚温の上昇を調べているおでアスが、その差は、近赤外線カット素材の配合有無での差は、1.0 〜1.5℃しかないそうです。

以下じゃ参考リンクです。

 

 

2019-11-29週刊粧業オンライン 花王、太陽光に含まれる近赤外線を防御する技術を開発 - 化粧品業界人必読!「新しい素材を配合した日やけ止め製剤(紫外線&近赤外線防御)では、肌温度上昇は平均5.5℃にとどまり、平均でマイナス1℃、最大でマイナス1.6℃の肌温度の上昇抑制が認められた。」

 

https://www.syogyo.jp/news/2019/11/post_025960

 

 

ただ、近赤外線をカットする原料は、この板状酸化チタン以外にも色々あるようなので、花王さんにはこのサンバーンミルクをこれからも継続リニューアルしていって貰いたいですね。

 

近赤外線をカットする原料

 

近赤外線カット原料としては、 例えば、以下の物があるようです。

 

 

「光プロテクトシールド」(2018年堺化学/サンスター)ケラチンで表面処理された、板状酸化亜鉛

 

https://www.excite.co.jp/news/article/Prtimes_2018-02-14-5120-170/

 

 

赤外線遮蔽酸化チタン(テイカ)表面改質された、大粒子径酸化チタン

 

http://www.tayca.co.jp/products/infrared_titanium/index.html

 

近赤外線をカットする原料って、建築用原料とかにも多いんだよなあ。

 

 

 

 

最後に簡単に全体を解説しておきます。

表の上の方から。

まず油性成分は、ジメチコン(低分子量のシリコン油)をメインとし、石油由来だが軽い感触の水添ポリイソブテンと、軽いエステル油のパルミチン酸イソプロピルを加えていく日焼け止めの油相としては普通の構成、更に紫外線吸収剤と混ざりやすい油である、安息香酸アルキル(C12-15)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールを加えてある。

ちょっと変わっているのが、次に配合されている、アルキル(C30-45)メチコンで、これは直鎖状シリコーンにアルキルC30を導入した構造をもつ、高い融点を持ったシリコーンワックスです。多くの油剤との相溶性に優れており、乳化安定性にも効果があるのではと「思います。 これと、次の オレフィン(C30-45)は混合物で販売されている者です。

その次の(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーは、皮膜形成剤と言われ低ル成分で、日焼け止めのウォータープルーフ性を高めるためのものです。

 

次は紫外線吸収剤のパート

2019年のアスリズムのミルクから変わっていない。

液状のB波吸収剤であるメトキシケイヒ酸エチルヘキシルに、固形のA波吸収剤であるジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルと、固形のB波吸収剤であるビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン を溶かして使ってます。最近の日焼け止めでは基本の使い方です。

次は乳化剤のパート。

通常のアスリズムのミルクでは、PEG-12ジメチコン(HLB=13)と、PEG-3ジメチコン(HLB=4.5)の併用になっっているのですが、これがPEG-3ジメチコン(HLB=4.5)の単独使用に変更されてますね。作れれば問題ないのですが、処方屋としては気になるところです。

先に挙げたアルキル(C30-45)メチコンが安定化に効いているのかもしれません。

 

次は粉体のパート。

既に触れましたが、酸化チタンが大幅に増やされているのが特徴です。

 

防腐剤のパートと、保湿剤のパートは、特に興味深い成分が無いので省略。

 

これで終わりです。

 

久しぶりのエントリー。いかがでしたか?  

ブログのエントリーを書くのは、もう無理かと思いましたが、何とかできますね(^_^;)      

 

とりあえず良かったです。

 

 

 

お久しぶりです。

 

化粧品犬です。

 

長らく放置してすみません。半年以上休んでしまいました。

 

いろいろありまして。特に体調が(^_^;)

 

5月の終わり頃、夜でしたが家でiPadのゲームをやっていまして。

ひと勝負終わって掲示板に感想を書いたところ、、ディスプレイが壊れたのか、文字がが読めない。

iPadの修理に行かなければ、、と思いましたが、壊れたのはiPadでは;無く、自分の目だった(^_^;)

どうもこの時、脳の血管が切れて、脳出血していたらしい(^_^;)

視力低下以外に自覚症状はなかったのですが、その後、内科とかとか眼科とか病院を数検もあったところで脳内出血が判明。

即日入院ということになりました。

 

どうも自分は、心臓の調子が悪かったらしく、それが原因で心臓を付近でで血栓が発生。

その血栓が脳の血管に詰まって瞬間的な脳梗塞をおこし、そこから脳出血(脳卒中)のコンボを発生させたらしいです。

こんなのどう防げばいいいんだか、、、。

 

当初は失明こそしなかったものの、携帯電話のアドレス帳も見えないカンジでしたね。

2週間の検査入院の後、病院かだしてもらえず、リハビリ病院に転院、そこから2ヶ月半の間ひたすら視覚機能のリハビリをしていました(^_^;)

 

退院したときは、浦島太郎(というか^_^;)

リハビリの相手をしてくれた言語聴覚士さん達には、感謝の言葉しかありません。

まさに、乙姫様たちだったのかなと(^_^;)

朝から晩までのリハビリリは、苦しかったけど、楽しかった。

リハビリしかやることなかったし(^_^;)

 

今現在まだ通院しており、完全回復ではないのですが、かなり復調し化粧品コンサルタントの仕事も再開しています。

通販についても、発送が遅れたりでご迷惑をおかけし方もいらっしゃるのですが、なんとか何とか継続しています。

このブログも、そろそろ再開加納かもと思い、今回のエントリーを上げました。

 

しばらくは以前のように書けませんが、    よろしくお付き合いをお願いします。

 

ただし、誤字脱字わ増えると思います、、、これは、以前からか(^_^;)