NPO法人日本ケトルベル連盟 第1回 山田式心拍トレーニングインストラクターコース


 山田式心拍トレーニングとは 心拍数を強度の指標としたトレーニング方法のことです。血中乳酸値、心拍数を計測しながら得たデータをもとに、多種多様のメニューがあります。試合と同強度の練習をすることによって、スタミナ面での不安が大幅に減ります。“走り”ではなく、その競技の動きで心拍数を上げることが特徴で、フィジカルと技術の融合を果たしたまったく新しいトレーニングです。
 走りはタイムが速くなったことで成長がわかりますし、ウエイトトレーニングの強度はプレートの重さでわかります。数値で管理できるわけです。しかし格闘技の「戦い」、サッカーのフットワーク、バスケットのドリブルなどのスポーツの動きというものは、見た目では強度がわからず数値化できません。選手もトレーナーもサンドバッグの手ごたえやミットの衝撃、きつい・きつくないなどの「感覚」という不確かな情報しかないのです。感覚も非常に大事ですが、多くの選手を管理し、その成長を確かめ、練習を選手の自信に変えるには「数値」が必要です。トレーナーと本人の主観、そして実際の力との誤差を埋めるために、共通の「客観的ツール」として心拍計を利用しているのです。
また、心拍数という“数字”で管理するので、個人個人の資質・レベルを見極め、その選手に合った練習を行うことができます。レベル、性別、年齢を問わず、効果的な練習をすることができます。心拍数の動きを見ることで「自分のできる範囲」がわかるので、初心者の人でも安心して行うことができます。
 このコースでは運動生理学の基本、心拍計の使い方からトレーニングメニューまでお伝えします。

【日時】12月10日(日)10~17時終了予定
【場所】JBスポーツボクシングジム
〒121-0816
 東京都足立区梅島3-11-19
西新井駅・梅島駅 徒歩5分 駐車場スペース5台。先着順
【受講料】 80000円(14000円の心拍計、2200円のテキスト代含む)
【定員】10名

【対象】対象:格闘家、格闘技トレーナー、アマチュア、プロスポーツ選手、フィジカルトレーナー、心拍トレーニングについて詳しく知りたいという方、自宅で心拍トレーニングを行いたいという方。
※実際の心拍トレーニングはスタッフ(プロボクサー)が行います。一般の方も安心してご参加ください。

【持ち物】運動できる恰好、室内履きのシューズ(裸足可)、飲み物、筆記用具、タオル
※心拍数をあげる激しい運動は希望者のみおこないます。

【資格取得条件】
コースを受講すること。テスト等はありません。後日認定証を発行します。

【お申し込み方法】
メール(strawberrytakemaru@yahoo.co.jp)、Facebookメッセージ、Instagram、X(Twitter)のDM。 ※電話不可
①名前
②郵便番号と住所
③メールアドレス
④運動歴
⑤年齢
⑥所属(あれば)
 
をご記入ください。受講料は前払いです。振込み後にお申し込み完了となります。振込みが遅れると定員になる可能性がございます。

【振込先】
みずほ銀行  足立支店   普通 1498552 
 NPOホウジンニホンケトルベルレンメイ

【講義内容】
第1章  トレーニング前の心構え  フィジカルの重要性を知ろう
 ・格闘技は数字ではない
 ・「努力の天才」は誰でもなれる
 ・筋肉は攻撃力ではなく防御力
 ・年齢を言い訳にしない  ベテランこそフィジカル勝負
第2章  フィジカルを強くするにはどうしたらいいのか?
 ・肉体は大事!フィジカルを強くするには走れ?
 ・試合の強度ってどのくらい? ジムワーク中の心拍数は?
 ・なぜジムワークでは心拍数はあがらないのか?
 ・なぜ心拍数を指標とするのか?強度指標「心拍数」がわかる心拍計
 ・時間だけで運動とレストを区切らないのはなぜか?
第3章  運動生理学を学ぼう
 ・心拍数とは何か?
 ・動くためのエネルギー ATP
 ・3つのATP再合成システム  ATP-PCr系  解糖系 酸化系
第4章  乳酸とは何か?
 ・山田式心拍トレーニングでもっとも重要視する「乳酸」を詳しく知ろう!乳酸はエネルギー!?
 ・乳酸とはなにか?どうやってできるの? 
 ・LT OBLA  乳酸は体感ではわからない?
第5章 格闘技に必要なATP再合成システムは?
 ・格闘技に必要なATP再合成システムは?
 ・それぞれのシステムを鍛えたら体はどうなる?
 ・技術が同程度で、フィジカルに差がある選手同士の3Rスパー。心拍数の動きは?
 ・好きな練習しかしない選手はどうなる?
 ・ジムワークでスタミナはつくか?ラクテートカーブをみてみよう
第6章 あなたはどのタイプ?一発型と手数型
 ・選手のタイプ 一発型と手数型 試合展開はどうなる?
 ・鍛錬一発型の選手と非鍛錬一発型の試合展開 
 ・鍛錬手数型と非鍛錬手数型の試合展開
 ・一発型VS手数型 一発型VS一発型 手数型VS手数型
第7章  心拍計選びのポイント
 心拍計のメーカー 心拍計の成り立ち  心拍計購入から使用までの流れ
第8章  トレーニングの前に準備と再確認
 ・最大心拍数を知ろう! 
 ・強度・運動時間・レスト・ボリューム
 ・どんな動きで心拍数を上げるか?強い選手のシャドウは全力
第9章  5つのゾーンってなんだ?多人数でもできる心拍トレーニング
 ・ゾーン分けでわかりやすく心拍数管理 
 ・5つのゾーンとは 
 ・一般人とアスリートの差
第10章  山田式心拍トレーニング  初級編
 ・ Z2~Z4を体感しよう! 
 ・ 乳酸の軽い出し入れをしてみよう!
 ・ LTを伸ばそう!
第11章  山田式心拍トレーニング  中級編
 ・ 上げ下げの基本メニュー!まずはこれから
 ・ 高い心拍数域で動いてみよう!
 ・ 最大心拍数を目指してみよう!
・    心拍数をコントロールしてみよう!
第12章  山田式心拍トレーニング  上級編
・    アクティブレストで乳酸処理能力アップ!
 ・ もがいて最大心拍数を目指せ!
第13章 LT時の心拍数を知ろう。血中乳酸測定テストの方法
 ・血中乳酸測定器を使用した方法
 ・トレッドミル、測定器がなくてもできる!


Q1 山田式心拍トレーニングってなに? 
A 心拍数を強度の指標としたトレーニング方法のことです。血中乳酸値、心拍数を計測しながら得たデータをもとに、多種多様のメニューがあります。試合と同強度の練習をすることによって、スタミナ面での不安が大幅に減ります。“走り”ではなく、その競技の動きで心拍数を上げることが特徴で、フィジカルと技術の融合を果たしたまったく新しいトレーニングなのです。

Q2 なぜ“走り”じゃダメなの? 
A 脚などの大きい筋肉を使ったり重いものを持って反復運動すると、強制的に心拍数は上がります。そのため、走りや多種目をまぜたサーキットトレーニングで高い心拍数を出すのは比較的簡単なのです。 アメリカでサーキットをやたらやらせるのはそういう理由です。しかし、基礎体力をつくる最初の時期はいいと思いますが、走りやジャンプやバービーであげた心拍は、やっぱり『それはそれ』なのです。「試合でする動き」で心拍を上げられなければ、試合でのスタミナに直結しにくいのです。そのため山田式心拍トレーニングでは「その競技でする動き」で心拍数を上げさせるのです。

Q3 どうして心拍計を使うの? 
A 走りはタイムが速くなったことで成長がわかりますし、ウエイトトレーニングの強度はプレートの重さでわかります。数値で管理できるわけです。しかし格闘技の「戦い」、サッカーのフットワーク、バスケットのドリブルなどのスポーツの動きというものは、見た目では強度がわからず数値化できません。選手もトレーナーもサンドバッグの手ごたえやミットの衝撃、きつい・きつくないなどの「感覚」という不確かな情報しかないのです。感覚も非常に大事ですが、多くの選手を管理し、その成長を確かめ、練習を選手の自信に変えるには「数値」が必要です。トレーナーと本人の主観、そして実際の力との誤差を埋めるために、共通の「客観的ツール」として心拍計を利用しているのです。

Q4 トップアスリートにしかできないトレーニングなの?
A 山田式心拍トレーニングは心拍数という“数字”で管理するので、個人個人の資質・レベルを見極め、その選手に合った練習を行うことができます。レベル、性別、年齢を問わず、効果的な練習をすることができます。心拍数の動きを見ることで「自分のできる範囲」がわかるので、初心者の人でも安心して行うことができます。


Q5 山田式心拍トレーニングはどんなメニューなの?
A 例えば『○○選手は最大心拍数の90%から5分キープで5セット、レスト80%まで。××選手は96%レスト1分固定で20セット』など、レベルと目的によって個々に練習メニューを設定します。そのため、ボクシングジムでよく見られるようなタイマー(3分/30秒)の流しっぱなしになっていることはほとんどありません。

Q6 効果はどう?
A 「スタミナに自信がついた」「苦しくても頭がボーっとせずクリアなまま」「後半で、もう一つギアがあげられる感じ」との声をどの選手からもいただいています。とくにベテランに効果がみられました。毎日同じ練習を繰り返していたらフィジカルは落ちてきます。30代でフィジカルが落ちるのは加齢のせいではなく練習内容が悪いのです。

Q7 格闘技選手だけにしか使えないの?
A 格闘技に限らず「緩急を繰り返すスポーツ、息があがって苦しいスポーツ」にはすべて有用することができます。サッカー、バスケットボール、卓球、ラグビーなどです。逆に緩急があまりない短距離走や、一瞬で勝敗が決するウエイトリフティングや投擲などの競技、息がさほどあがらない野球などにはあまり向いていません。

【コース指導員】  NPO法人日本ケトルベル連盟理事長 高橋里枝
元総合格闘家。現役時代はチーム黒船創世記メンバーとして山田武士トレーナーに打撃の指導を受ける。引退後はJBスポーツのマネージャーとなる。選手のフィジカルをサポートするために山田トレーナーとともに勉強。NPO法人日本ケトルベル連盟の理事長として選手達にケトルベルトレーニングの指導を行うほか、日本におけるケトルベルの普及活動を行う。

【テキスト筆者】山田武士    ※コースの指導は行いません。
 昭和48年生まれ。足立区西新井にあるボクシングジム、JB SPORTSで代表兼チーフトレーナーとして活躍中。東洋王者の福島学とコンビを組み、世界戦に二度挑戦。
ボクシングジムの代表でありながら、立嶋篤史に始まり、門馬秀貴、入江群、鈴木悟など、MMAやキックの選手に打撃を教えてきた。その指導力が評判を呼び、UFCで活躍する秋山成勲、川尻達也、石田光洋、DREAMフェザー級チャンピオン高谷裕之、修斗環太平洋チャンピオン児山佳宏、キック界では石川直生、寺戸伸近、山本優弥、渡部太基・・・・など、名だたるトップ選手達が集い、合同練習が始まる。その集団はいつしかTEAM黒船と呼ばれ、PRIDE、HEROS、DREAM、戦極、修斗、DEEPなど、数々の団体で高成績を収め、年末の格闘技イベントに5年連続出場するなど、格闘技界の一大勢力となっている。ミットの鬼と称される打撃の指導力と、対戦相手の分析には定評がありボクシングでは高い勝率を誇る。選手達はその手腕に絶大な信頼を寄せる一方、豪放磊落な性格に「兄貴」と慕っている者も多い。近年は乳酸や心拍数を基盤とした科学トレーニングを練習に取り入れ、その内容は大学教授をして「研究者のほうが遅れている」と言わしめるほど。

はじめまして。JB SPORTS代表山田武士です。
 ぼくが「“迷”トレーナー」と自他ともに呼んでいる所以は、選手と一緒に同じ練習をしているからかもしれません。縄跳び、シャドウから始まって、バッグ、打ちこみのミット、マススパーにガチスパー、ロードワーク、ウエイトトレーニングにいたるまですべてです。
 なぜ試合に出るわけでもないのに同じ練習をしてきたのか?それは、ぼくがボクシングのチャンピオンだったわけでも、長年のトレーナー実績があるわけでもなかったからです。経験に裏打ちされたものがないちっぽけな自分ですから、寝ても覚めても選手が強くなることだけを考え、選手と一緒に練習し汗を流すことで、その効果と、そして苦しみを肌で感じることしか思いつかなかったのです。自分が苦しくてできなかったメニューを選手に押し付けられない。自分は座って指示だけして、キツイ練習を頭ごなしに「やれ!」といえるほど、自分に自信がないのです。選手は仲間であり、ライバルであり、お互い高めあう関係だと思っています。だからこそ選手より努力して、一歩先にいたいのです。
 「スポーツ科学」は、根性論で長くやってきた自分にとっては、最初は馴染まないものでした。ですが、アメリカで選手が連敗して、向こうのトップの人間が当たり前に行っていることを目の当たりにし、学ぶ必要性を感じました。敗戦には理由がある。負けたのに同じ練習をしていてはダメだと。
 それからは勉強の日々でした。大学の講義やいろいろなワークショップに参加したり、栄養学の専門家を招いたり大学教授に勉強会を開いてもらったり・・・しかしそれらが机上の空論とならないように、新しいトレーニングはすべて自分の体で試して、わが身で噛み砕いてきました。あなたもこの心拍トレーニングで自分をピカピカに磨き、更なる高みを目指してください!