先日、「日々是好日」の映画を見に行ってきました。
映画に行く前に、原作も読みました。
映画館は「ピピア売布」に行ったのですが、お茶をしているとおぼしき割と年配の女性が多く満席でした。
映画では、茶道の世界がビジュアルとして見られるのが面白いです。出てくるお道具も風格があります。
入門したばかりの主人公たちが、お茶のお稽古の時に、出てきたおまんじゅうを器からヒョイと手でつまんで食べるシーンでは、館内のあちこちから「あらまぁ オホホ」と、入門者を「あたたかく失笑する笑い声」が響き、茶道に入門したことのないワタシなぞは、どうも初心者に感情移入してしまい、なんだか気恥しくなってしまいました。
しかし、この映画。
原作がとっても良いのです。
作者は、大学を出て、社会人になっても、週に1度、お茶の先生のところにお稽古にいくのです。
なかなか、このペースでお稽古事を続けるというのは大変なことだと思います。
そんななかで、習い事を続けるならではの喜怒哀楽を・・・些細といえば些細な喜怒哀楽を・・・すごく上手に言語化するのです。
後輩に聞かれて間違ったことをいってしまった時に感じる自分への不甲斐なさとか、年下だけど明らかな才能を持った新入りに感じる気持ちとか。
そして、お茶の曰く言い難い魅力・・・理屈じゃなく体に手順をしみこませていくことで得られる無心の境地だったり、雨が降る日も「好日」だと思える悟りともいえる境地に達することだったり、自然の移り変わりの感受性が研ぎ澄まされていくことだったり・・・も見事に言語化されています。
就職、失恋、親の急逝など、人生経験が増すとともに、お茶もまた深みを増していくことを、同じ映画を見ても年齢によって違う見え方をすることに重ね、読者に分からせようとします。
この原作の作家、森下典子さん。作中で、出版社でのアルバイトが語られていますが、これは『週刊朝日』のデキゴトロジーという爆笑コラムのライターとして活躍された話です。この時代のことが『典奴どすえ』という著作にまとめられていますが、私は、30年ほどまえの出版当時、爆笑エッセーとしてゲラゲラ笑いながら読んだ記憶があります。再読してみましたがやはりとても文章がうまいです。
そして、森下典子さんの著作をこれを機に他にも図書館で探して読んでみましたが、『前世への冒険 ルネサンスの天才彫刻家を追って』という作品もミステリー調でとても面白いです。前世やルネサンスのフィレンチェの芸術に興味がある方にはオススメです。何度か改題を経て出版されてますが、最新の作では、あとがきに、前世の恋人の生まれ変わりとおぼしきひとと再会するくだりがのっているので、同じ読むなら新版が一層興味深いです。
レンタルスペースのお貸出し状況です。
日曜と祝日は予約をお受けしておりません。
(水曜は時間帯によりお貸しできることもありますのでご相談ください)
和室にもテーブルと椅子をお入れすることができます。
和室のテーブル席で7人ぐらい大丈夫です。
洋室は着席レッスンで10人ぐらい大丈夫です。
和室も洋室も座卓スタイルならもっと大勢で集まれます。
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おひとりさま3時間半まで500円です。
随時見学お待ちしております。0798-65-2360株式会社小林エステイト 長谷川由紀まで
寒い季節になり、レンタルスペース内にホットドリンクコーナーを作りましたので、ご活用ください。